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5行感情文(212) - 純 -


外には雨の音が溢れていた。だが「雨の音」とは実際には雨の音ではない。
それは雨が道路や土、木や川、屋根や傘に当たった音だ。
だから私は一生、純粋な「雨の音」を聴く事は出来ない。少なくとも私の身体が存在している間は、雨が私に当たった微かな音も耳に届くから。
だからこの世を去る時、もし天に昇るとしたら、その日は大雨がいいな。



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