現在、InnovationCapital Pathfinder（ICP）では利用企業様に対して定期的にインタビューを行っています。今回は2020年7月から継続してご活用いただいている、日立金属株式会社の千綿様にお話を伺いました。

千綿伸彦（ちわたのぶひこ）様　
日立金属株式会社　技術開発本部 知的財産部/GRIT デジタル開発部(兼)

材料系の技術者としてご活躍後、本社知的財産部門にて調査業務を担当。現在は、分野や会社の枠組みを超えたイノベーションから先端材料研究開発を推進する「グローバル技術革新センター（GRIT）」（https://www.hitachi-metals.co.jp/rad/grit.html）にも籍を置き、新事業開発部門と伴走した調査業務の一角をDX観点を加えた分析から支える。

❏ ご導入までの経緯

-　まずはInnovationCapital Pathfinder（ICP）の導入に至った経緯について簡単にお伺いできますでしょうか。

千綿様：世の中の豊富なデータに自由にアクセスしたいという需要を満たせるツールを探している中で、InnovationCapital Pathfinder（※以後ICP）という存在を知りました。近年は世の中自体がwebを介して本当に色々なデータに直接アクセス出来る様になっていますから、当時から我々としても当然の様にそこへキャッチアップしていこうという意向がありました。但しデータにアクセスしてもやみくもに触っているだけでは何も新たなアイデアは生まれてこない。だからこそデータに対して何か明確な切り口を出せるツールが新たに必要であろうと考えていました。

-　明確な切り口、ですか。

千綿様：はい。ICPについてはご案内を受けた際に《有望成長領域》という明確な切り口による課題解決手法があるということが理解できましたので、正式に導入を決めました。市場や技術領域を選定する軸のようなものは勿論自分たちの手でもある程度作ることができるのですが、正直なところ妥当性の高いものを自分たちの注力領域以外でもしっかり網羅的に見つけきることができるかと言われれば、なかなか難しいです。また、そもそもそういった作業を手掛けるには圧倒的に工数がかかりますので果たして我々の手でゼロから作り上げることが適切かといえば、そういうわけでもありません。アスタミューゼさんは特許以外にも世界中から豊富なデータを集めていらっしゃって、そこから網羅的に得られるインサイトを基に有望成長領域を定義しているとのことでしたので、自分たちの強みを見つけるための軸として有望成長領域を活用することは有用であると感じました。

　画像：日立金属株式会社 グローバル技術革新センター（GRIT）

-　ICPを利用される前にも何か分析ツールは活用されていたのでしょうか？

千綿様：はい。今までも一通りの特許調査、論文調査などはツールを用いながら行ってきました。ただそういったツールを用いても基本的には最初から最後まで全部自分たちで考えて分析する必要があり、且つ私達もそれだけを仕事としているわけではないので有意な情報を出すことに対して非常に苦心していました。ICPを使えば特許の牽制関係は有望成長領域毎にすぐ見られますし、世界のグラント情報もフリーワードで検索することができるので自分たちの業務がとても楽になるのではと想像できました。

❏ ご利用所感について

-　実際に使ってみていかがでしたか？

千綿様：課題解決型であること、まずはこれが筋も通っていて視点としてもわかりやすいものでした。我々が今後やっていきたい調査の方向性と一致していました。また、グラント情報についてはここまでグローバルで沢山揃っているところはなかなかないので、とても良いと感じました。

-　逆に期待はずれだったところはありましたか？

千綿様：当初（2020年7月頃）は少し検索がしづらかったですよね。笑
 データベースはしっかりしているから問題はなかったけれど、当時は今と違って誰でも使いこなせるインターフェイスというわけではなかったから、今後の課題だとは感じていました。

-　ICPも基本的な機能がだいぶ揃ってきましたので、今年は使い勝手の部分についての開発に注力しています。今後さらに期待してください。

千綿様：そうですね。

後半に続きます。
（後半では各機能と活用方法についてお話を伺っています）

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