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いけばな日記 〜 万年青

万年青 と書いて
おもと と読みます。


外の葉が枯れても内側から新しい葉が茂り、一年中葉が青々としているように見えることから、この漢字が当てられたようです。

その特性から長寿や子孫繁栄の象徴として愛好されてきた、日本古来の縁起物的観葉植物と言えるかもしれません。

園芸店で売られていた万年青の鉢植えに、『徳川家康ゆかりの万年青』というコピーがついていたのを見たことがあります。

家康公が江戸城本丸に入城した際に、家臣から万年青の鉢植えを贈られた逸話があるそうです。(大河ドラマ『どうする家康』は観たり観なかったりだったのですが、そんな場面がありましたでしょうか?)
それ以降、引っ越しの際に万年青が「引っ越し万年青」として贈られる風習が生まれたとか。
また、家康を祀った日光東照宮には万年青の彫刻が31ヶ所もあるそうで、それを探しながら見学するのも楽しそうですね。


そんなおめでたい植物の万年青。
私が生け花を習っていたころ、年末にはよくお正月用として万年青を生けました。

私が習っていた池坊では、万年青はご祝儀に生ける「七種伝」のひとつに数えられています。
パッと見は地味ですが、とても格の高い生け花です。

赤い実に葉が10枚、合計で奇数になるように生けます。 
葉は下図のように4枚を中心に組んでいきます。

「つゆうけ」葉、素敵な名前ですね



この4枚にそれぞれ「あしらい」の葉を配置して出来上がりです。

生花正風体「万年青」一種生け


我が家は in mourning のため今年は縁起物のお花を生けませんが、故人が万年青好きでしたので、こんな記事を書いてみました。


皆々さまのご健康とご多幸をお祈りしつつ、これをもって2023年のnote納めとさせていただきます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ジェーンより感謝を込めて


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