Zwift嫌いが3ヶ月Zwift縛りしてみた〜Zwiftな物理(おまけ)

もうやめようと思ったんだけど(笑、ちょっと書き忘れたことがあって。

Zwiftやってる人はよく「登りで千切れた」とか「レースの登りでアタックした」とか言ってますよね? ここで言う「登り」ってなんでしょう?あるいは「下り」でもいいのですが、実際の運動は画面の前の固定された(あるいは3本)ローラーです。スマートローラーを使っている人は画面上でアバターが「登り」に差し掛かると勝手に負荷が重くなると思いますが(あるいはリフト装置がついて勝手に前輪が持ち上がったり)、実際には何も起こっていません

「登り」とは重力に逆らって仕事すること、です。そして、これまでもしばしば書いてきましたが、仕事=力x距離、です(仕事とエネルギーは同じ)。登りの場合の「力」は重力です。重力は室内ローラーでももちろんゼロではありません。しかし、動いていないので距離はゼロ、すなわち仕事=0です。

Zwiftでは重力に逆らって仕事する(エネルギー使う)代わりに、ギアを重くして擬似的にエネルギーをライダーに使わせているだけ、です。これは実際上り坂を登って位置エネルギーを稼ぐのと同じか、と言われればなかなか微妙です。エネルギーは形を変えても保存するので、重いペダルを踏んで使うエネルギーも登りで稼ぐ位置エネルギーも同じと言えなくもない。実際、ヒルクライムレースの練習にはZwiftはかなり有効だと思います。1時間とかFTP前後で登り続けられる坂道ってなかなかないですから。

しかし、実際の坂道を登るときにバイクに関係している力は複雑で、単純にそれをペダルの踏力に置き換えられるかというとそうではないでしょう。エネルギーが同じでも運動が同じとは限らない、とも言えます。

これと同じことですが、Zwiftの中のライド距離に物理的な意味はない、と思います。

(了)

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