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[Episode.22] Nu NuLAX NuLANの誕生

「Nu NuLAX NuLAN(ヌーヌラックスヌラン : 通称 ヌヌヌン)」。

一見、国際社会的に大丈夫なのか・・・、と疑うようなワードであるが、これはughさんが立ち上げたレーベルの名称である。

国内外からもカルト的なファンが多いSatanicpornocultshop(サタポ)およびNu NuLAX NuLAN(ヌヌヌン)であるが、その生誕には、いずれもSUBJECT RECORDSが関係していた。

※ Satanicpornocultshop(サタポ)については、Episode.18を参照。

「ナカタくん、サブジェクトのサブレーベルを立ち上げるぞ。その名もヌーヌラックスヌランや。」ということを、突然ughさんから聞かされた。

サブジェクトのサブレーベルを立ち上げるということは理解できたが、「ヌー、ヌラ・・、ヌラックス・・・?」というワードがうまく聞き取れず、ughさんに「ヌー、ヌラ・・、ヌラックス・・・、ってどういう意味ですか?」と尋ねたところ、ughさんは懇切丁寧に、世間知らずの僕に対してそのコンセプトを語ってくださった。

「ヌーヌラックスヌランというのはやな~・・・(以下略)」
僕がこれまでに見聞きしてきた世界とは全く異なる異次元の話のように聞こえて、正直なところあまり理解ができなかった・・・。

※ レーベルコンセプト等は、mediaplaza椎茸さんのnoteに記されているので、そちらを参照いただきたい。

【Nu NuLAX NuLANとnejiレーベルについて】
https://note.mu/ueiko/n/ne8f7017c52c2

難しい話は置いておいて、SUBJECT RECORDSのサブレーベルを立ち上げるという点についてはもちろん賛成し、晴れてNu NuLAX NuLANは誕生した。

1996年8月25日にughさんは1枚の声明文を僕に渡し、ここに Nu NuLAX NuLANの活動が開始したのである。

【写真:ughさん作成のレーベル設立にあたっての声明文】

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「Nu NuLAX NuLANはSUBJECT RECORDSのサブレーベルとしてスタートした」のは事実であるが、今、もしこのエピソード集をughさんが読んだとしたら、怒られそうな気がする・・・。何となく。。。

SUBJECT RECORDSの活動が失速した1998年に、Nu NuLAX NuLANは1stCDとしてSatanicpornocultshopの「Nirvana Or Lunch?」をリリースするのであるが、世間一般的にはそれがNu NuLAX NuLANの始まりであると認識されており、僕自身もそれで良いと思っている。

1998年の1st CDのリリース以降、ヌヌヌンおよびサタポは、唯一無二の尖がったサウンドととんでもないリリース量で一気に知名度を上げてファンを増やしていく一方、SUBJECT RECORDSは失速の一途を辿って、レーベルとは言えない体たらくで休眠したため、「Nu NuLAX NuLANはSUBJECT RECORDSのサブレーベルとしてスタートした」というのは今となっては申し訳ないな~、きっとughさんにとってはこれは黒歴史にしているんやろな~、という気持ちでいっぱいである。

とはいえ、Nu NuLAX NuLANの誕生の瞬間に興味がある方もいらっしゃるようなので、もう少しだけ書き綴ってみようと思う。

僕たち(Love❤Kitchen)よりもかなり前から音楽活動を行っていたこともあり、ughさんには音楽仲間がたくさんいらっしゃった。

ひとつ前のエピソード(Episode.21)で紹介したCD「BUBBLER THAN MOVIESTARS」の参加メンバーのように、多種多様なジャンルやスタイルのバンドやユニットとの親交があったようだ。

そうしたughさんを中心とした音楽仲間の音源をリリースすべく、ughさんはNu NuLAX NuLANの立ち上げと同時に、何と10本もの作品をまとめて持ち込んできた。

※ すべてA面/B面に1曲ずつのEPで、20分テープに収録された。

【SJN006EP】「JET SET ISHIZAKA #EP 」 JET SET ISHIZAKA
 [A面] DIS TRANCE
 [B面] THEME from JET SET

【SJN007EP】「SATANICPORNOCULTSHOP #EP 」 SATANICPORNOCULTSHOP
 [A面] HELMETED GOB
 [B面] cUB cRUX cRUNCH

※ ここに収録されたSatanicpornocultshop名義の2曲は、2006年にnejiレーベルから「Hot・en・tot Apron」名義で再発されることとなる。

【Hot・en・tot Apron - cUB cLUX cRUNCH (neji-91) 】
http://nununun.blog5.fc2.com/blog-entry-105.html

iTunesで購入可能なので、興味のある方は是非お聴きいただきたい。
https://music.apple.com/ca/album/cub-clux-crunch/332849545

【SJN008EP】「QUARTET JAZZ GRIND #EP 」 QUARTET JAZZ GRIND
 [A面] ROSE for NEGRO
 [B面] OPENED MEAT
https://fantas-tech-records.bandcamp.com/track/opened-meat

※ 「OPENED MEAT」は、SUBJECT RECORDSの1st LPに収録したいとオファーした曲である。

【SJN009EP】「エヒノコックス #EP 」 エヒノコックス
 [A面] 犬とチャックD
 [B面] 悪ーラスタ

【SJN010EP】「blueberry very blue #EP 」 blueberry very blue
 [A面] FANTASIA(ELECTRIC CAFE Remix)
 [B面] FANTASIA(SATANICPORNOCULTSHOP Remix)

※ Love❤Kitchenの初ライブで対バンしたblueberry very blue(Episode.9 参照)の楽曲をFranzさんとughさんが無許可?でリミックス。

【SJN011EP】「人間ロケット #EP 」 人間ロケット
 [A面] X線(SATANICPORNOCULTSHOP Remix)
https://fantas-tech-records.bandcamp.com/track/x-satanicpornocultshop-remix
 [B面] X線(ORIGINAL)
https://fantas-tech-records.bandcamp.com/track/x-original

※ Satanicpornocultshopによるリミックスは、1998年にNu NuLAX NuLANからリリースされた「The Garden Of Nu NuLAX NuLAN(NUCD1941)」で再発。オリジナルは2000年にNu NuLAX NuLANからリリースされた「グレイテスヒッツ10(NUCD1867)」で再発。

【SJN012EP】「シャーク団 #EP 」 シャーク団
 [A面] ROCK
 [B面] NUDISTA

【SJN013EP】「SWEDEN PORNO PANIC PRODUCTION #EP 」 SWEDEN PORNO PANIC PRODUCTION
 [A面] AMERICAN ROCK STYLE (ALTEREDG E.S. Remix)
https://fantas-tech-records.bandcamp.com/track/american-rock-style-alteredg-electric-systems-remix
 [B面] AMERICAN ROCK STYLE (JET SET ISHIZAKA Remix)
https://fantas-tech-records.bandcamp.com/track/american-rock-style-jet-set-ishizaka-remix

※ 原曲は「BUBBLER THAN MOVIESTARS」に収録。(Episode.21 参照)

【SJN014EP】「ELECTRIC CAFE #EP 」 ELECTRIC CAFE
 [A面] DRUMMER'S DEATH (ORIGINAL)
https://fantas-tech-records.bandcamp.com/track/drummers-suicide
 [B面] DRUMMER'S DEATH (SATANICPORNOCULTSHOP Remix)

※ 曲名は「DRUMMER'S DEATH」となっているが、中身はSUBJECT RECORDSの1st LPに収録された「Drummer's Suicide」と同じ。(Episode.18参照)

【SJN015EP】「DJ # UNMIX TAPE1 #EP
 [A面] DJ 江藤
 [B面] DJ 軽澤

【写真:10本のカセットEPのジャケットとオーダーシート】

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バンド名/ユニット名をそのままEPタイトルにしたカセットテープによるリリース作品であるが、果たしてughさんがすべての各バンド/ユニットの許可を得てリリースしたのかどうかは不明である・・・。

当時の音源がすべて手元に残っていないのは非常に残念ではあるが、様々なジャンルが織りなす混沌とした音楽観。これがNu NuLAX NuLANの真骨頂とも言える部分で、テクノばかり聴いている僕も、こうしたughさん界隈の音楽仲間のサウンドはとても刺激的で、繰り返し何度も何度も聴いていた。

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