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如何にして我々はネオサイタマの闇を駆け抜けたか-ドキッ!ニュービーだらけの忍殺TRPG

はじめに

さて、そういうことである。来たる4月の土曜日、大阪は悪ノコンというTRPGイベントにてニンジャスレイヤーTRPGをやってきた旨をツイットーウワーしたら割と反響があった。(DHT社とかに捕捉された)。

ニンジャマスターとメンバー四忍の内、ヘッズは私とNMの二人。実に三人がTRPGで忍殺に初めて触れた。

けれどもツイートの通り、忍殺TRPGははちゃめちゃに面白く、しかも今回のニンジャマスター・ゴドー氏のシナリオがめちゃエモのエモで、私を含めたニュービーニンジャたちは本当のネオサイタマを駆け抜けるみたいに卓を回しきったのだ。
(卓を回す:セッションをプレイする事、卓とはTRPGにおけるセッションのスラング)

実際、今回みたいなプレイヤー構成の忍殺TRPGは結構ありえるんじゃないかと思った次第なので、ヘッズプレイヤーとして上手くいった部分などをここに記しておく。ヘッズ諸氏が忍殺TRPGでニンジャミーンするのにあたっての参考になると幸いである。

プレイヤーの構成
【NM:ゴドーさん】
ヘッズにしてTRPGプレイヤー。悪ノコンでの初心者枠でマスターとして参加。もちろんヘッズ。基本的には書籍派とのことだが第4部も追いかけている。シナリオはヤクザの事務所をチュートリアルに自作で持ち込み。

【オーガスマッシュ:tso】
ヘッズにしてTRPGプレイヤー。中級ヘッズ、中級TRPG者。オーガスマッシュという女子高生ニンジャ(のうきんのあほ)をプレイ。TRPG時は結構サポートに回るタイプ。

【スピードビースト:Tさん】
脱初心者TRPGプレイヤーさん。まだTRPGの経験は多くはないが完全な初心者ではない。普段はホラー系のTRPGをプレイ。スピードビーストも女子高生ニンジャ。カワイイにしてサツバツをきっちり狙うしっかり者プレイヤー。

【ノヴァカリエンテ:Sさん】
初心者TRPGプレイヤーさん。完全に初心者で、今回忍殺に触れるのもTRPGもほぼ初めて。男性ながらめちゃくちゃにカッコよい四十路の姐さんニンジャ、ノヴァカリエンテをプレイ。戦略性のあるプレイヤー。

【ジーニアスグリフォン:Yさん】
中級TRPGプレイヤーさん。忍殺TRPGで初めてニンジャに触れる。マケグミ社畜ニンジャ、ジーニアスグリフォンは情報収集や敵の取りこぼしを仕留めるなど、きっちり三忍の脇を締める、燻し銀のプレイが光る。

プレイにあたって

今回は私とNM以外、ニンジャスレイヤーに初めて触れるニュービーばかりのセッションだったので、いくつか自分の中でこの卓での役割を決めておいた。
自分がこの卓で何をすべきか、そして何をしたいか。それがはっきりするとTRPGはより楽しくなるだろうと思う。

◇自分がこの卓でどんな事をしたいか決めておく
今回、私は忍殺TRPGでとりあえず忍殺語を色々使いたいと言う気持ちがあった。これはプレイヤーによって異なると思う。
今日は強いキャラが出来たので戦闘で活躍したい。コミカルなサンシタロールプレイがやりたい。サイバーパンクなネオサイタマの市井を感じてみたい…。

やってみたいことはそれとなくプレイ前の雑談の時にでも話しておくと良いだろう。あれもこれもではなく、二つくらい、今日やりたいことをはっきりさせておくといい。

◇重要な人物や世界観はマッピングして可視化しよう
忍殺の世界観は何気に複雑だ。物語の舞台装置となるソウカイヤさえ、ヤクザでありながらネオサイタマの市政を裏で牛耳っている。
ニンジャスレイヤーを知らない人々にとって、忍殺はニンジャの話であり我々はニンジャでヤクザです。と説明しても???しかない。

基本的な説明はNMに任せるものの、補助できそうな部分は口頭だけでなくマッピング等で手伝い、すぐに見直せるとみんなに優しい。

◇簡易的忍殺語録を作ろう
これは結果的にとても良いアイディアだったので、ヘッズ諸氏には是非やってもらいたい。その場で簡単な忍殺語録を作りながら、それがどう言う意味だとかどう使われたかなどをプレイ前の雑談などで説明しよう。

ニンジャを知らない人々でもアイエエやアイサツなどは知っていて、それが共通の話題になるし、いわゆるスラングが共通言語になる事で物語への没入感も出てくる。
NMもニュービーとプレイする際は、是非会話をしながらその場で語録を作ってみてほしい。

◇ヘッズはNMと共に積極的に忍殺世界を体現してみよう
アイサツは大事。古事記にもそう書いてある…。オーガスマッシュはチュートリアルで、上司にあたるソニックブームに開口一番、アイサツ!!

「ドーモ、ソニックブーム=サン、オーガスマッシュです!」

もちろんここはTRPGの卓上。自分からどんどんアイサツしたり、サイコロの出目にアイエエ…!と叫んだり、スゴイプレイングが出てきたらゴウランガ!!と感嘆したりしてみよう。ニュービーにとっては世界観の演出になるし、ニンジャを知ってる自分ももちろんタノシイ。
こうしてPLたちがどんどん忍殺語を話し出すと、卓のネオサイタマ度も加速する。

プレイング-ネオサイタマを駆け抜けろ!

ここからは実際にプレイングを通して私が感じたことや、ニンジャスレイヤーTRPGの面白かった点について記そうと思う。
シナリオそのものはゴドー氏のものすごく最高なオリジナルなので概要に留めネタバレせず、ニンジャスレイヤーTRPGのシナリオとして大変秀逸なギミックがあった事についてだけ述べておきたい。

サンキュー・イン・ザ・フューチャー
ネオサイタマはソウカイヤのニュービーニンジャ達は、ある女子大生の護衛を任されることとなった。彼女は一般のモータル。それにしては破格の前金に、仕事を斡旋したコッカトリスも訝しげに顔をしかめる。

「モータルの護衛など我らニンジャにとっては造作もないこと。しかし呉々も油断はせぬようにな…」

集められた女子高生ニンジャ二人組のスピードビースト・オーガスマッシュ、強力なカトン使いの女ニンジャはノヴァカリエンテ、過労死したマケグミサラリマンにディセンションしたニンジャのジーニアスグリフォン。
彼らは無事に女子大生キアノ・ミヤの護衛を務めることが出来るのだろうか…?

キャラメイキング、チュートリアル
私がツイートしたのはチュートリアルの風景だったのだが、実際ニンジャスレイヤーTRPGはチュートリアルの時点ではちゃめちゃに面白かった。プレイヤー4人中2人が初心者という状況で、誰もが遠慮せずに盛り上がっていった。

これは忍殺TRPGのシンプルさによるもので、実際にほぼTRPGが初めてのプレイヤーさんも30-40分程でキャラクターの設定まで含めたキャラメイクができた部分が大きいと思う。
プレイヤー全員がお互いのパラメータを見ながら、アレコレとお互いのキャラクターの肉付けをして行くのは、キャラメイキングに時間を割きがちなTRPGではちょっと珍しい雰囲気だと感じた。

更にチュートリアルはクローンヤクザ相手が多く、ニンジャの力の強さが印象付けられる。これはシステム面でもかなり連動していて、強くなればなるほどニンジャはダイスを振れ、一つでも達成していればその行為判定は成功となる点もシンプルかつ忍殺的だ。

わかりやすい判定で、沢山のダイスを振る爽快感があり、しかも基本的には同じ判定をミニマムに繰り返す。忍殺TRPGの忍殺たるところはニュービーもヘッズも問わずワクワクさせる。

本シナリオとニンジャのイクサ
チュートリアルも終わり本シナリオに入ると、込み入った情報のイクサと本格的なニンジャのイクサが幕を開けた。
今回はシティアドベンチャー系のシナリオで、ニューロンの高いジーニアスグリフォンを操るSさんの渋いプレイングが光る。女子高生ニンジャ二人の危なっかしさや、最高火力と強い出目を連発するノヴァ姐さんとそれぞれのバランスも凄くマッチしていて、ロールプレイも戦闘もとても盛り上がる。

更に敵形の強ニンジャが出てくると、チョロかった戦闘が一気に苛烈さを増す。

「ドーモ!!」敵同士皆が一斉に挨拶するシーンはまさにニンジャスレイヤー!
実際にプレイするとわかるがこのアイサツ、やっぱりなんだかトンチキだ。プレイヤーもNMもクスクス笑いながらアイサツを交わす。
アイサツは大事。古事記にもそう書いてある。NMがそう言うけど、やっぱ空気は左に傾く。

しかしながらオオ、ゴウランガ…!!これがニンジャのイクサ!!!という感じで、戦闘が始まるとマジで緊張感がバシバシになった。
というのも、ニンジャ同士のイクサはモータルやクローンヤクザ相手とは全く様相が変わるのだ。端的に言うと、ニンジャ同士だとお互いに戦闘のシビアさが増す。位置取り一つで生死を分ける可能性すらある、真剣勝負だ。

この緩急のあり方もすごくニンジャスレイヤーらしさがあってドキドキしながらダイスを振る。ウワー!ア、アイエエエエエ!!!ゴウランガ!!!

忍殺の面白さとTRPG独特の面白さが上手くマッチしていて、地の文とキャラロールの入り混じる白熱した空気。

ヤバイ、なにこれ面白い。

そうこうやってる間に大どんでん返しで舞台はひっくり返り、大団円へ。時間が足らずエピローグは巻きになってしまったものの、顔を合わせたばかりのプレイヤーNM、そして四忍のニンジャはネオサイタマを駆け抜け、無事ビズを終え生き残ったのだった。

実は今回DKKはあまり溜まらず(我々はサンシタと言えど、じゃあくではなく奥ゆかしい方のニンジャだったのだ!…モータルは殺しちゃったけど)ニンジャスレイヤーは出番がなかった。
けれどもネオサイタマの陰謀はとてもエキサイティングで、真面目にビズをこなしても大変面白いシナリオだった。

そしてネオサイタマへ…

つまりはそう言う事である。ニンジャスレイヤーTRPGはタノシイ!実際卓を囲む前、ニンジャスレイヤー私以外知らない?どうしよう、私、忍殺的に普通の事を話してもコイツラリってるんでは…?って思われるのでは?とか、結構不安があった。
でもそんなのは些細な事で、ラリってるのは原作者と翻訳者であって(シツレイ!)、私は正常ですと断りを入れ…なかった訳ではないが適宜NMとワイワイしながら、ニュービーと忍殺世界にツッコミつつのプレイングはとても楽しかった。

もし、今この文章を読んでみてニンジャスレイヤーTRPGに興味があるのなら、是非ニュービー、ヘッズ問わずに遊んでみて欲しい。

ネオサイタマはあなたをきっと、冒険の渦に巻き込むだろう。ネオサイタマが呼んでいる。

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エッ?コーヒーおごってくれるんですかヤッター!!