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【旅行記】JR日本横断 その4 小田原〜秋田(前編)

出身地である神奈川県の小田原市からおはようござます。
#しろまるJR日本横断 3日目です。

3日目の今日は?乗り継ぐ列車の本数が最も多い濃密な1日となっております。ゆえに記事の文字数が膨れ上がってしまったので前・後編の2回に分けます。それではいってみましょう!

雪予報の首都圏を攻略せよ

6時20分。
すこし早めのチェックアウトを済ませて、小雨のなか駅へと向かいます。

!!
駅に着くなり目に飛び込んできたのは、列車の運休情報

今日は乗り換えの予定がもりもりもりもり盛りだくさんだというのに、速くも不穏な空気です。

しかも、その理由がなんと降雪なんです。

まさかまさか、見慣れたあいつに3月の首都圏で旅程を阻まれるとは思ってもいませんでした。

幸い、現段階では乗車予定の路線に遅延は発生していない模様。このまま悪化しないことを願って、足早に改札内へ進みます。

本日使う切符はこれ!

本日1本目(通算:16本目)は、東海道本線の特急湘南6号です。この子で東京へ行きます。

察しのよいフォロワーさんは前記事の終盤でも匂わせた「JR東日本エリア」と「フリーパスを使う」から予想していたかと思いますが、そのとおりです。日本横断3日目は『旅せよ平日!JR東日本きゅんパス』を使って東日本の列車を乗り尽くしていきます!

きゅんパスは、平日限定・お値段1万円で、新幹線を含めたJR東日本エリアすべての列車に1日乗り放題というバケモノ切符です。ただし、指定席の利用は2回までです。湘南は全席指定の特急なので、初っ端から指定席権利1回目を使いました。通勤需要が高い列車にきゅんパスの指定を使う人間は珍しいのではないでしょうか。

今回の旅行はこの切符を活用したかったから計画したと言っても過言ではありません。最初はこれで横浜じっかから青森まで行き、北海道の列車を乗り継いで稚内へ帰るだけのはずが、気がつけば長崎からの日本横断旅行に発展していた経緯は内緒♡

湘南の車内
人が座っている席:緑 もうすぐ予約した人が乗ってくる席:黄色 空席:赤 です。これ分かりやすくていい!

6時47分。
曇天の小田原を出発します。
きゅんパス無双のチートデーが幕をあけました。

列車は茅ヶ崎と藤沢に停車し、これからお仕事へ行くのであろう装いのお客さんを拾っていきます。順調に東海道本線を進み、横浜市に入りました。
と、ここで。
戸塚を過ぎたあたりで景色が一変します。


雪だぁぁあああああ!
車窓が雪景色に変わると気分が高揚するのが旅人の性ですが、今日ばかりは肝が冷えます:;(∩´﹏`∩);:

「東京で雪」はどうやら本当だったようです。
(どうせ大したことないだろうと思っていた)
無事に東京駅まで完走してくれることを祈るしかありません。

湘南6号はずっと東海道本線に沿って走行するわけではなく、横浜の手前から貨物線や横須賀線を経て品川、東京へ至ります。この経路については事前によく調べていなかったので、ある種のミステリートレインのような感覚が体験でき面白かったです。

今は新横浜の地下で相鉄とJRが直通しているんですもんね…。
北海道の端っこに住んでいると、たまに首都圏へ来る度に見知らぬ新型の電車が走っていたり、新しい駅が開業していたりして鉄道の進化を感じさせられます。(北海道はどんどん駅が廃止されているのに…)

複雑な運行経路ゆえにポイントや渡り線の通過が多く、特急湘南は時々速度が限りなくゼロに近い速さまで落ちます。何回か「雪で止まったんじゃないか?」とヒヤヒヤしましたが、無事に定刻で東京駅に着きました。本当によかった。

再び日本海側へ

日本横断の舞台はついに日本の首都東京へとやってきました。一大ターミナルの東京駅から乗ることができる列車の選択肢は無限大。私が次に選択したのは…?

17本目、上越新幹線とき307号です。
終点の新潟まで行っちゃいます♪

艶やかなE7系のご尊顔をパシャパシャしていたら、出発の時間が近づいていました。ときは指定席を取っていないので後方の自由席車両まで小ダッシュ。なんとか3人シートの窓際席を確保したところで東京発車。一路新潟へ向かいます。

指定席は満席と車内アナウンス流れていましたが、大宮発車時点で自由席はちらほら空きがありました。どうやら私の判断は正しかったようです。

旅慣れしてくると、グリーン、指定、自由席、の使い分けが上手になる気がします。予約すべきものとそうでないものの判断が冴えますね。

新潟までは約2時間の快適な旅路。どうやら悪天候なのは南関東だけのようで、関東平野の果て、高崎に着いた時には青空が広がっていました。

新幹線はここから上越国境の山々山越えに挑みます。挑むと言ってもくねくね峠道やスイッチバックがあるわけではありません。乗客わたしたちが山脈を貫くトンネルを抜けるしばしの間真っ暗な車窓で我慢するだけで難なく山越えが完了します。

国境の長いトンネルを抜けるとそこは…

あれ?おかしいな。東京のほうが線路白かったぞ…?

だいぶ雪解けが進んだスノーリゾート、越後湯沢です。ここまで東京から1時間20分。あっという間です。お金もちになったら、熱海とか軽井沢とか越後湯沢とかのリゾートに住んで新幹線通勤をしてみたいものです。

その後は浦佐、長岡、燕三条と新潟県内の各駅に停車していきました。

余談ですが、私が乗車したとき307号の50分後に出発するとき311号は、始発駅の東京を出ると、大宮に停まり、その次はもう終点の新潟です。東京〜新潟間の所要時間はなんと1時間29分。上野も高崎も越後湯沢もぶっ飛ばす上越新幹線最速の存在です。

今回は新潟駅で少し時間がほしかったので先行しましたが、いずれは乗ってみたい列車です。

笹川流れに思い出を馳せて

さて、
人口80万弱を抱える大都市、新潟に着きました。

新しくなった新潟駅を鉄道で利用するのは初めてです。新駅舎は新幹線と在来線のホームが繋がっていて利便性が向上しています。つい先日訪れた、武雄温泉駅を彷彿とさせますね。

以前の新潟駅。この雰囲気も好きでした。
現在の新幹線⇄在来線乗り換え改札

ここから乗車するのはこちら。
18本目、特急いなほ3号。
3日目前半戦のメインとなります。

(先ほどチラッと書いた、爆速とき311号からも乗り継げます。東京酒田間の所要時間で飛行機に対抗するためのダイヤ設定だとか)

特急いなほは羽越本線を走る特急列車です。運行区間は新潟〜秋田ですが、半数以上が途中の酒田止まりです。

やってきた車両はE653系。日本海と夕日をイメージしたいなほカラーの7両編成です!海側の座席を確保したかったので、いなほここは指定席をチョイス。これにてきゅんパスの指定席権利2回を使い切りました。

10時48分。
いなほ3号新潟発車。

新発田しばたまでは白新はくしん線の線路を走ります。このあたりは新潟のベッドタウンで、通過する各駅の周りには閑静な住宅地が広がっています。町と町の間にあるのは、新潟こめどころらしい水田。宅地、田んぼ、宅地、田んぼ、のサイクルがひたすら繰り返されます。

こうして地方の鉄道に乗っていると、建物が途切れることのない東京の車窓がいかに凄いかを思い知らされますね。町と町の境界が無い。

車窓が住宅地よりも田んぼ中心になってきたところで、列車は村上に到着です。ここで平地が尽き、県境を超えた先の鶴岡まで羽越線は海沿いを走ります。この路線のハイライトとも言える絶景区間です。

しかし羽越本線の村上〜鶴岡間は、その風光明媚な景色とは裏腹にJR東日本のエリア内で最も経営状況が厳しい路線でもあります。年間の赤字額は50億円近くにのぼるそうです。乗車した日のいなほ3号は特急列車だからか、それともきゅんパス効果なのかそこそこの盛況でしたが、フリーパスの設定がない期間や普通列車の車内は閑古鳥のリサイタル会場なのでしょう。

18きっぷで旅行をするようになった頃、この羽越本線で当時現役だったキハ40に揺られ、貸切状態の車内で旅情を享受しながら景色を眺めたのはいい思い出です。しかし、今思うと手放しには喜べませんね。

しんみりしていてもしょうがないので、目の前にある景色を楽しんでいきましょう!日本海を横目に、新潟駅で調達した駅弁をたべます。

海だぁぁあああっ!

絶景を見ながらたべる駅弁は美味しさ倍増。速すぎず遅すぎない特急列車の速度感は、おかずにする車窓として最適ですね。

この辺りは笹川流ささがわながれと呼ばれる景勝地です。日本海の荒波が削った奇岩・絶壁を車内から楽しむことができます。日没の時間帯に通れば、水平線に沈む夕日が見られます。かの有名な寝台特急『トワイライトエクスプレス』もこの景色を抜けて北の大地を目指していました。乗ってみたかったですね。

昔の写真。羽越本線は普通列車もいいぞ。

日本横断と全く関係ありませんが、羽越本線の越後寒川えちごかんがわ勝木がつぎ駅間の沿線には、我らが水曜どうでしょうの名シーン『だるま屋ウィリー事件』の聖地があります。

鉄道のフリーパスでバスに乗る

小波渡こばと駅を過ぎると線路は日本海とお別れして内陸へと進路をとり、庄内平野に入ります。

酒田までは行かず、私はいなほ号を余目あまるめ駅で下車しました。

余目駅は、ホームが『おくりびと』のロケ地になっているそうです。これは知りませんでした。早速該当するホームに下りて聖地巡礼を……

……できませんでした。
撮影に使われた4・5番線を発着する列車が現在存在しないそうで、立ち入り禁止となっていました。ざんねん。

気を取り直して、これに乗ります。

じゃじゃ〜ん!
陸羽西線の列車代行バスです。
…バスです。

余目と新庄を結ぶ陸羽西線は、並行して走る国道47号線の工事による影響で、現在バス代行となっています。先ほど立ち入ることができなかったホームは、陸羽西線用の番線だったというわけですね。これも立派な鉄道輸送の一端であり、当然きゅんパスで乗車が可能です。

出発まで少し時間があったので、駅の近くにあった観光施設で休憩してから、余目駅前に戻りました。

すると!?

目に飛び込んできたのは、バス停にズラリと並ぶ人々。ざっと20人くらいはいるでしょうか。皆、代行バスを待っているようです。私が列に並んだ後も続々とお客さんが現れ、私は列のちょうど真ん中くらいになりました。

(これもきゅんパス効果…?)

代行バスは、ほぼ満席で余目駅前を発車します。
↑地味にこの旅で乗った乗り物で一番混んでいたかもしれません

運転手さんの無線のやり取りに耳を傾けると「乗ってくる人数次第では積み残しちゃうから云々…」といった旨の交信がされていました。大丈夫なのでしょうか。

最上川に沿ってまったりドライブ♪

私が乗車したバスは快速運転を行う便だったようで、狩川、古口、終点の新庄に停まるみたいです。古口駅で追加のお客さんが乗ってきましたが、定員ギリギリでなんとか乗車。この時チラッと見えたのですが、どうやら地元のハイヤーがバスを追従していて、もしも乗り切れなかった時は分乗させるつもりだったみたいです。連携プレーですね。

満員の車内は暖かく、窓から差し込む昼下がりの日差しも相まって眠気を誘います。いつの間にか記憶がなくなり、気がついた時には新庄に着いていました。

新庄駅に到着!
山形県のゆるキャラ『きてけろくん』がお出迎え。千葉の某赤いヤツと同じで、県の形がそのままキャラクターになっています。

満員のバスから解放され、ぐっと背すじを伸ばします。息を吸うたびに肺へ入ってくる空気はヒュッと冷たく、山形も立派な雪国だということが実感できます。路肩には雪の山が残っています。

(思った以上にさむいなぁ…防寒具を買い足すかぁ)

先の旅程を想像し、衣服の買い出しを検討します。
一体私はこの山形県で何をしようというのでしょうか?

きゅんパス無双の日本横断3日目、後半戦に続きます。

#しろまるJR日本横断
#旅行記

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