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【旅行記】JR日本横断 その2 佐世保〜加賀温泉

日本横断スタート

長崎県佐世保市からおはようござます。
久しぶりに5時台の起床です。
ねむいです。

今日は #しろまるJR日本横断 の1日目。
いそいそと身支度を済ませてチェックアウトします。
(滞在時間が短いと宿代を損した気分になりますね…)

5分ほど歩いて佐世保駅に到着。
この旅のメインは鉄道なので、すぐ駅に行けるような駅チカ立地のホテルを優先的にチョイスしている日が多めです。

まだ辺りが暗い佐世保駅は、ずいぶん閑散としています。改札を抜け立派な高架ホームへ上がると、お目当ての列車がもう入線していました。

日本横断の記念すべき1本目はこちら。
特急みどり2号、博多行きです。

とはいっても博多までは乗らず、1つ目の停車駅である早岐はいきまでの一瞬だけ利用します。この区間は特例区間であり、乗車券だけで特急列車の自由席を利用する事ができます。活用しない手はありません。

6時8分。
根室までの限界鉄道旅行がスタートしました。
早岐で列車の進行方向が変わる関係で、佐世保出発時はいきなりバックです。

みどり号はまだ暗い早春の佐世保をあとにします。ガラガラの車内で後方へ流れゆく街灯りをぼんやり眺めていると、すぐ早岐に到着しました。

ここでの乗り換え時間はごく僅か。
長旅のスタートをゆっくり味わいたいところですが、序盤は乗り換えが多く慌ただしいです。

早岐からは博多への最短ルート外れて、大村線の普通列車に乗車します。YC1系というこの車両は『やさしくて力持ち』を掲げるハイブリッド気動車です。

新型車両にしては珍しい切り立った顔と、眩しいステンレスの側面が独特の個性を醸し出しています。私は好みのデザインです。

力持ちくんは大村湾沿いをのんびり南下します。今日はあいにくの曇天ですが、晴れていればさぞかし綺麗な車窓が楽しめたことでしょう。車内には地元の学生さんがけっこう乗っていました。

約1時間で新大村に到着。
この駅は西九州新幹線の開業に合わせて2022年9月に新設された、できたてホヤホヤの駅です。

在来線のホームは新幹線の高架下を間借りするような形で設置されています。在来線と新幹線の乗り換えは、改札を抜けてホームへ上がるだけなので3分もあれば可能だと思いました。

私は余裕をもって新大村での乗り換え時間を1時間弱確保していました。この先も数多くの乗り換え行程が控えているので、万が一遅延して乗り換えに失敗しまった場合、旅程崩壊を引き起こししかねないですからね。

西九州新幹線に乗車

新大村駅の新幹線ホームは対向式の2面2線構造で通過線はありません。シンプルな構造のホームでしばし待機していると、真新しい車両が滑りこんできました。

車体下部の赤、そしてヘッドライトと運転席のフロントまわりを縁取る黒が印象的なN700S系新幹線。『かもめ』の名が刻まれたピカピカ車両の実物は、想像以上にカッコいいものでした。

というわけで3本目は、かもめ8号です。

この列車は、終点の武雄温泉たけおおんせんで博多行きの在来線特急リレーかもめに接続します。リレー方式の新幹線と特急は合わせて1本の列車として扱うため、側面の行先表示は『博多』になっていました。

自由席に乗車し、武雄温泉までわずか15分の旅を満喫します。
新大村発車直後、進行方向左手に大村湾、さらに茶畑が見えてきます。
新幹線は新しければ新しいほどトンネルが多くて無粋な車窓になりがちな乗り物ですが、西九州新幹線は短い線区の中でしっかり景色を楽しめて良かったです。

博多〜長崎間の移動に乗り換えが必要となったうえに全線開業の見通しが立っていない西九州新幹線の課題はまだまだ山積みですが、旅行者としてはちょっとしたアトラクション感覚で楽しめる路線だと感じました。

地元の利用者からすると…どうなんでしょうね。

武雄温泉で、4本目のリレーかもめ8号に乗り換えます。同じホームで対面乗り換えができるので楽ちんです♪

途中、長崎本線と佐世保線の分岐/合流の駅である江北こうほくを通ります。この駅は元々『肥前山口』という名前で、鉄道好きなら一度は夢見たことがある『最長片道切符』のゴール地点として名を馳せていましたが、例によって西九州新幹線の開業時に改名され、片道切符終着駅の座も奪われました。

最長片道切符も、いつかやってみたいですね。

リレーかもめはSAGA平野を快走。
このままかもめに乗っていれば博多まで行くことができますが、私は福岡県に入る直前の新鳥栖駅で下車しました。新幹線に乗り換えます。

新鳥栖ここでもだいぶ乗り換え時間があったので、在来線ホームにある立ち食い処でかしわうどんをたべました。寒風が吹きつけるホームでいただく温かいうどんは最高です!

西日本を一気に爆走!

うどんで温めた身体を冷やさないうちに、次の列車に乗り込みます。5本目は九州新幹線つばめ310号。次の博多が終点の列車です。

新鳥栖から13分で、九州最大の都市博多に到着。
約2年ぶりの訪問で、前回は博多から年越しではかた号キングに乗ったことを思い出します。
博多へは1本目の特急みどりに乗り続けていればとっくに着けていましたが、これは #しろまるJR日本横断 。様々な列車に乗ることを目的とした、限界鉄道旅行なのです。目的地への速達性は全く考えておりません(笑)

また、やけに新幹線を短い区間で利用していますが、これにもちゃんと理由があります(答えは企画後半の回で)

続いて6本目、山陽新幹線のさくら548号に乗車します。この子で中国地方をぶっ飛ばして一気に姫路まで行きます。日程の都合上割愛した中国・山陰の皆さまごめんなさい。

ここでひとつライフハックです。
新幹線で大阪より西側の区間を移動する場合、指定席を取るなら『さくら』や『みずほ』などのJR西日本の車両で運行される列車の指定席を取るのがおすすめです!

これらの車両は普通車でも2:2の広々シートで座面もフカフカ。かなり乗り得な指定席となっています。今回はこの快適指定席でお昼ごはんをたべました。

さくら号はあっという間に関門トンネルを抜け本州へ突入。山口、広島、岡山を時速300km/hの速さで猛進します。早い。

学生時代から原付、18きっぷ、マイカー(下道)で旅行経験を積んできた身としては、新幹線の速度感はどうも慣れません。遥か上空を移動する飛行機なんぞは、あまりに呆気なく目的地へ着いてしまうので異次元の乗り物です。

高速で流れる車窓に見とれているうちに姫路へ到着。新幹線ホーム上から姫路城をパシャリ。
私事ですが、今回の旅行からiPhoneが新しくなりXRテンアールから15へ進化しました。カメラの性能が格段にアップしており、望遠に強くなったので気に入っています。

…さて。
姫路で降りたのはJR西日本が誇る在来線のエース、西の新快速に乗り換えるためです。

大阪へ向かいます。
新快速の最高速は130km/hと新幹線の半分以下ですが、これはこれで別の速度感を楽しむことができます。

新快速は新幹線のように優れた静粛性をもつ車両ではありません。唸るモーター音と線路の繋ぎ目で発生する揺れが乗っている人間にダイレクトに伝わってきます。加えて在来線を走行するがゆえに途中駅をばんばん通過するので『ぶっ飛ばしている感(体感速度)』はこちらのほうが上です。

駅を通過する時の快感(?)が味わえるため、私は新幹線より在来線の優等列車のほうが好きですね。

明石海峡のオーシャンビュー、神戸三宮の繁華街、ダウンタウンさんの出身地尼崎をすり抜け、新快速は姫路から1時間で大阪へやってきました。開放感のある巨大な駅舎は、いつ来ても圧巻です。

いざ北陸へ

なぜ新幹線を姫路で下車し、わざわざ新快速に乗り換えて大阪へやってきたのかというと、ある列車に始発駅から乗車するためです。

その列車とは、
ズバリ特急サンダーバード!
大阪から湖西線、北陸本線を経由して金沢まで走る北陸の主力特急です。

2024年3月のダイヤ改正で北陸新幹線が敦賀まで延伸する影響で、サンダーバードは運転区間が同駅まで短縮されます。北陸特急と言えども北陸にちょっと入ったところで新幹線へバトンタッチするだけの連絡列車になってしまうのです。

短縮前に北陸路を駆ける名特急に乗車しようというのが、今回の目的です。サンダーバード乗車は本日のメインイベントであり、この日本横断企画上で外せない列車のひとつです。北陸路のエースの最期を思う存分満喫したかったので、英世を数人生贄にグリーン券を召喚しました。

と、ここで。
嬉しい悲報が!(矛盾)

2024年3月6日このひは強風の影響でサンダーバードが本来通るはずの湖西線が運休しており、代わりに米原経由で走るとのこと。この米原迂回芸は稀に起こるイベントなのですが、まさか自分が乗車する日に引き当てるとは思いませんでした。

経路変更で距離が伸びるということは、北陸本線内の各駅に到着する時刻も遅延します。普通は「予定が狂う〜」と頭を抱えるところです。

しかし心配ご無用。
私はこのサンダーバードが本日の最終乗車列車で先の乗り換えが無いうえに、座席指定はグリーン車。乗りおさめを味わいたい身として、乗車時間の延長はむしろ大歓迎です^ ^

(本音は荒天にも関わらず柔軟な対応で列車を運行してくれるJRさんに頭が上がりません…!ありがとうございます…!)

14時42分。企画8本目のサンダーバード27号は定刻で大阪駅を発車しました。

次の新大阪を出るとサンダーバードは一気に加速します。最高速は先の新快速と同じ130/kmですが、流石は特急型車両。余裕のある王者の走りで複々線の東海道本線を飛ばします。グリーン車の上質なシートも相まって非常に快適です。

京都を出発し、本来であれば山科から湖西線に入るところをそのまま進みます。(滋賀の)草津を過ぎたところで複々線区間が終わり、先行する新快速との間隔を調整しながら若干のペースダウンで米原に着きました。

※米原は運転停車のみで、お客さんは乗り降りできません。大阪方面へ向かう迂回バードに限り、米原から新幹線に乗り換えて遅れを挽回するという選択肢を取れるため正式に停車するみたいです。

米原からいよいよ北陸本線に入ります。まだ正規ルートのサンダーバードは通らない区間です。偶然にも迂回運転により短縮前の北陸本線を乗り通せる運びとなりました。

(米原付近の伊吹山は積雪11m82cmという積雪を記録した世界一の豪雪地帯です。単純な積雪量ベースだと、北海道は内地にけっこう負けているんですよね…)

列車は豪雪地帯の長いトンネルで県境を越え、福井県に入ります。
まもなく敦賀。
3月16日以降のサンダーバードはここで終わりとなります。

窓から開業を控えた巨大な新幹線の敦賀駅が見えました。まるで要塞のように巨大なこの駅舎は、在来線特急とのスムーズな乗り換えを図るために多くの改札やエスカレーター・エレベーターが設置された国内最大の新幹線駅となっているそうです。

開業後の熱りが冷めたら、一度ゆっくり訪問してみたいです。

新幹線敦賀駅。でかい!

敦賀を後にして、サンダーバードは北陸本線を金沢へ向けて爆走します。ここからが本当の乗りおさめです。遠くを並行して走る新幹線の高架が、時折停車駅の前後でこちらへ迫ってきます。

特急サンダーバードは、特急街道北陸本線のエースです。しかし、あと10日もすれば約2倍の速さで高架線を駆ける新幹線にその座を譲ることになります。

個人的なワガママを言うとすれば、関西方面から福井、金沢まで直通する特急を日に数本でいいから残して欲しかったです。しかし、こればっかりは大人の事情でどうしようもありません。

旅の勝手は時代とともに移り変わります。新しい様式を受け入れ、それを楽しみ活用するのが真の旅人だと思います。

本日は加賀温泉で終了

タタン タタン …   タタン タタン …

グリーン席に腰掛けて目を閉じ、小気味よいレールのジョイント音を聴いているだけでいくらでも過ごしていられそうな気分になります。でも、そろそろサンダーバードとお別れしなくてはいけない時間がやってきました。

今回は終点の金沢まで乗りません。
私は石川県に入ってから最初の停車駅、加賀温泉で下車しました。


本日の鉄道移動はここまで。
バスで宿泊先へと向かいます。
時刻は17時半。迂回運転により到着が30分遅れたとはいえ、空はまだ明るく、限界トラベラーにしてはだいぶ早めの行動終了です。(朝が早かったけどね)

加賀温泉このちを宿泊地としたのは、単純に石川県南部に泊まったことがなかったこと。延伸開業する北陸新幹線の停車する地であること。の2つが主な理由です。

堂々と温泉地の名を冠した加賀温泉駅ですが、厳密には加賀温泉という温泉街はありません。この地域に点在する、山代、山中、片山津といった温泉群を総称して加賀温泉と呼びます。私が今回宿泊したのは山代温泉です。

山代温泉古総湯(映えます!)
夕食バイキング(最初誰もいなくて焦った…)

泊まった温泉宿は、1泊2食付(バイキング)で約1万円。
なかなかコスパ良かったです。
※この日本横断で宿でこんなにゆっくりできる日はしばらくありません

◆   ◆   ◆

ちなみに、加賀温泉駅はかつて作見さくみという小さな駅でした。隣接する動橋いぶりはし駅と大聖寺だいしょうじ駅が温泉郷の最寄り駅として特急の停車駅争奪戦を繰り広げた結果、間をとって中間にあった作見駅を加賀温泉駅として改名し、温泉への玄関口にした歴史的背景があるそうです。

無名だった作見(加賀温泉)駅が、ライバルの隣駅から温泉地の名を勝ち取り、最終的に新幹線停車駅にまで昇格する…。なんかアニメみたいなお話ですね。

これにて日本横断の1日目が終了。
おつかれさまでした(つづく)

#しろまるJR日本横断

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