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柿喰う客『禁猟区』※ネタバレあり 語彙力ゼロ感想書き殴り

柿喰う客『禁猟区』を観劇。
出演者は総勢21名の大迫力バトルアクションエンターテインメント。
名優揃いの皆さんの演技に目がいくつあっても足りなかった。
御一方ずつコメントしたいけど人数が多すぎてTwitterで感想を書ききれなかったのでnoteに残します。
ちなみに今回は6公演(配信込みで7公演)観劇。

以下、観劇直後の語彙力ゼロ・言いたいことを書き殴った感想。
※ネタバレはご容赦くださいませ。

柿喰う客『禁猟区』
公演期間:2022年12月22日(木)-30日(金)
会場:本多劇場

公演詳細:http://kaki-kuu-kyaku.com/next/kinryouku.html


  • 全体的な感想

展開に着いていくのに必死で、正直初見で理解するのは難しかったが、2回目以降でだんだん理解。(内容の細かい感想は割愛)

暗転前と明転前の音と照明がめちゃくちゃ好きでした。超かっこいい。

アレが近づくと花が枯れるっていう設定に『もののけ姫』のシシガミが歩くと草花が枯れていく場面がぼんやり連想され、商店街の人達が必死でおもてなしするところは『千と千尋の神隠し』っぽいなぁと思ったり。
後半の嵐のように過ぎ去っていくスピード感がゾクゾクした。

衣装・職業がめちゃくちゃ合ってた。それも全員。この衣装を着るために生まれてきた?ってくらいのハマり役っぷり。
だからこそ乱痴気では、意外だけどこれも良いかも!と新たな発見があったのも楽しかった。
役名の言葉遊びの面白さが柿っぽいなぁと思いつつ、店名に本人のお名前が反映されてるのが愛を感じる。配役表ずっと眺めていられる。


  • 各キャラクターの感想(配役表順)
    代演・乱痴気キャストの感想あり
    (キャラ設定間違ってたらすみません)

・釜罠以蔵(永島敬三)
粋なお寿司屋さんの大将。商店街の会長。

安定でもありエキセントリック。
敬三さんが中央に立っている時のかっこよさと安心感よ、、、
淺場さんとの掛け合いが毎回楽しみだった。「そこのけそこのけ逢魔が時」はお気に入りの台詞。人生で一回は言ってみたい。
OPの華麗なターンと物凄い跳躍力で入ってくるところのジャンプの高さは必見。身のこなしが好きすぎる。

・詣閏(大村わたる)
いつも時計の針が揃っていない時計屋さん。
最初に観たのが中屋敷さんだったので、それに比べると大村さんの方は穏やかな印象で、「○分後」ってちょいちょい出てくるところは和んだ。「刻め〜」の声の伸びが好き。台詞が耳に残る。

代演:中屋敷法仁
怪しさMAXであんまり関わんない方が良さそうだなって思うタイプのキャラ。時計の針を揃えるときのカクカクした仕草がとても好きだった。

乱痴気:村松洸希
背の高さが存分に活かされていて、異質感が凄かった。黙って立ってるだけでも世界観出せるの強い。

・銅底智羅永(牧田哲也)
BARのマスターで商店街の幹部。

顔も声も良い。ダンディでとにかくかっこいい。20年後もあの役できそう。恩ちゃん(北村まりこさん)との場面の時は雰囲気が和らいで可愛さすら感じる。

乱痴気:とよだ恭兵
いつもちょっとおバカキャラを演じているイメージが強かったので、シュッとしててええやんって思った。(なぜか関西弁)
牧田さんは渋め、とよださんは爽やかなかっこよさ。

・今郷放哉(加藤ひろたか)
四十手前のカリスマ美容師。

ビジュアル発表の時点でもう優勝。勝ち確定。
見た目も雰囲気もノリもガチ美容師。台詞も動きもキレッキレで観ていて気持ちが良い。
気がついたら「今すぐおれとセレブレイト」の台詞を待っている私がいる。

乱痴気:田中廉
ひろたかさんほどのキャラの濃さはなく、違った印象。演じ方は誠実だけど、キャラクターはチャラい。長台詞の内容がよく頭に入ってくる。

・其討巾次郎(田中穂先)
古書店の主人。近所の人を巻き込んで文豪ごっこを楽しむ。

今回のキャラクターの中で一番刺さったビジュアル。ワクワクしないわけがない。あの衣装であれだけ動けるのすごい。
穂先さんの声は聴き取りやすくて安心感ある。
長台詞が始まるとだんだん加速していってギア入ってるのが分かる。
バチェロレッテのシーンですました顔して立ってるのが地味に面白かった。

代演:中屋敷法仁
27日昼公演限りとなった幻の代演。代演とは思えないくらい長台詞あんなにスラスラ言えるのほんとすごい。中屋敷さんが饒舌に喋ってると、わぁ柿っぽい!って思ってしまう不思議。

乱痴気:加藤ひろたか
衣装めちゃくちゃ似合ってるじゃん!と思わずにはいられなかった。やっぱり安定感ある。
袖の長い衣装とひらひらした手の動きが絶妙にマッチしてた。

・水戸明太(守谷勇人) 
電気屋。商店外の電気系統を全て管理。

地味に登場の多いキーパーソン。
有能でその働きぶりが緊張感のあるシーンをさらに盛り上げてくれる。
私は今回の最優秀助演男優賞を贈りたい。
守谷さん初見だったけど、もっと色んな役で見てみたくなった。

乱痴気:佐々木穂高
守谷さんよりコメディ要素多かった印象。
「トリスハイボール!」のくだりがなんか面白かった覚えがある。(うろ覚えですみません)

・苅田稲(とよだ恭兵) 
八百屋。後に中華料理屋の流音と結婚。

上腕二頭筋と胸筋仕上がってるなー!って思った。ひと目見たらどんな役か全部分かるくらいのわかりやすさ。ほぼ筋肉。
素直でハツラツとしたキャラで緊張感を解してくれる存在。

乱痴気:牧田哲也
どこに隠し持っていたんだと思うくらい恭兵さんに負けず劣らず見事な筋肉。マスターのあの渋さは何処、、、

・歯止梨極(村松洸希)
整骨院。破刃禍乱の弟。

とりあえず背が高い。でもこの役では他の人たちと上手く馴染んでて、身長による異質感とか威圧感的なものは感じなかった。夏さんとの身長差が可愛いかった。
元ハンドボール国体選手の設定があることを知ってからハンドボールを投げる動きを入れてるとアフトクで言ってたけどどこか分からなかった…

乱痴気:中嶋海央
お顔の可愛さが弟っぽさを良い感じで引き出してた。ちょっと年齢不詳感がある兄弟。

・坊田風利:中嶋海央
熊本ラーメンのお店。腕っぷし強め。

見た目からしてとにかく強そう。パワー系の強キャラ。圧倒的声量とよく通る声がラーメン屋さんっぽい。二郎とか中本とかそういう店員さんの雰囲気。大鍋でグツグツ煮込んだくっさいラーメンスープ作ってる姿が目に浮かぶ。

乱痴気:山中啓伍
こちらもラーメン屋さんの衣装がめちゃくちゃ似合う。素材とか味にこだわったラーメン作ってそう。「ニコニコ、ちぎり商店街」って満面の笑みでぶん殴ってたのが印象的。

・槍歩宇大(佐々木穂高)
おもちゃ屋さん。雀荘の常連客の一人。

出番の8割くらい幽霊出演じゃない?ってくらい幽霊の印象が強い。結婚からお葬式までのスピードがえぐいのと、「なんだ〜?」がロバートの山本さんっぽくて毎回笑ってしまう。台詞は少ないけど確実に笑いをとっていくからずるい。

乱痴気:中屋敷法仁
中屋敷さんが演じた他の2役(時計店、古書店)と比べて自由度高めなのか、活き活きしてて楽しそうだった。

・須木二品(田中廉)
ネパール料理店。喧嘩っ早い。

泣いているお花屋さんに話しかけに行けずにお肉屋さんとわちゃわちゃしてるのが可愛い。優言葉をかけてあげるのかと思ったら辛辣なのが面白い。スパイスを構えてる体勢がめっちゃ攻撃力高そう。

乱痴気:守谷勇人
体大きいから強さマシマシ。廉さんがスピード系の鋭角な攻撃だとしたら、守谷さんはダイナミックな攻撃スタイル。

・生出羊(山中啓伍)
肉屋。ネパール料理店の二品とよく一緒にいる。

台詞は少ないけど、後ろでやってるお芝居が細かいから想像が膨らむ。お花屋さんのことをインスタントカメラで盗撮してることに気がついてから目が離せなくなった。打ち上げのシーンでお花屋さんにお酒渡しながら触ろうとしたり、わざわざ乾杯しにいったり…(お花屋さんはあしらっている)
「俺みたいな血なまぐさい野郎が行けるかよ」と可愛いキャラだと思ってたのに、シンプルにストーカーで引いた。笑

乱痴気:大村わたる
守谷さんとの掛け合いが面白かった。ポンコツビビりな感じが強調されててコメディ要素が増してた。

・叶架夜:原田理央
英語塾の先生。古書店の其討に一目惚れして商店街の仲間になる。

まず、圧倒的スタイル良さに目を奪われた。あの衣装世界一似合ってる。脚長すぎてパリコレじゃん。黙ってたらすごい美人なのに、自分からぐちゃぐちゃに崩していくパンチのある演技が好き。片想いの恋に狂う女性の役がとても似合う。「あたしピエロじゃん」の台詞は悲しいけど不憫すぎてつい笑ってしまう。(叶わない恋であるほど良い)

乱痴気:齋藤明里
ワイヤレスイヤホンで通話してるシーンがあって今どきだなぁと思った。独占欲強そう、嫉妬深そうな感じが敵に回したくない女性だと思った。 

・八千谷伊那(長尾友里香)
海鮮居酒屋を兄と切り盛りしている。

チャキチャキしてる感じが似合う。「相対性理論覆します」が好きすぎる。解説者ポジで台詞聴き取りやすくて助かる。

乱痴気:今井由希
看板娘として商店街の人たちに愛されてるんだろうなという可愛らしさ。なんとなくドジっ子キャラだったらいいなという願望。

・破刃禍乱(福井夏)
古式マッサージ店。ゴッドハンドを持つ。歯止梨極の姉。(名字が違うのは既婚だかららしい)

余裕たっぷり自信に満ちた笑みで間違いなく強いだろうなっていうのがひしひしと伝わる。
ギラギラした空気を纏っていて魔女っぽさを感じた。
アフトクでの福井夏さんは天真爛漫って感じでそのギャップがとても可愛かったです。
弟と一緒に「おやまぁ」って通りすぎるあの時間がいつも謎。笑

乱痴気:北村まりこ
シンプルにマッサージ上手そう。色々と圧が凄い。ダーク感はあんまり感じなかったかも。
ポケモンでいうと、夏さんはゴーストタイプだけど、まりこさんはエスパータイプって感じ。

・加門那雨(淺場万矢)
ブティック。釜罠以蔵の恋人(?)

個人的にめちゃくちゃ好きなキャラ。出てくるたびに何するんだろうってワクワクする。
淺場さんにあの衣装を選んだ方、ありがとうございます。天才です。
おばちゃんキャラが異常に似合う。笑
一癖ある感じがたまらなく好き。敬三さんとの掛け合い大好きでした。

乱痴気:原田理央
あの衣装も見事に着こなしていらっしゃいました。英語塾の先生とは違うはじけ方してて、動きも声もダイナミックでこちらも大クセキャラでした。笑

死薔薇蓮花(今井由希)
花屋。お花が枯れることに対して大きな悲しみを持つ。

今井さん自身はほわほわした雰囲気のある方という印象があるので、お花屋さんぴったりだなと思った。不思議キャラっぽい感じがすごくしっくりきた。

乱痴気:淺場万矢
今井さんとはアプローチが全然違ってた。少女のような可愛い声かと思ったら、ドスの効いた声も出てそのギャップが面白かった。声とキャラの使い分けが凄い。

・雷同恩美(北村まりこ)
雀荘。OLを辞めて雀荘を開くが、檻多清香に店を譲る。

パンチ強いし、喋ればクセだらけで北村さんの演技が大好き。今後もアクの強い役をいっぱい見たい。頼れる姉貴だけど、可愛さもあって、北村さんも雷同恩美というキャラクターもどちらもたまらなく好き。立ち姿、後ろ姿のシルエットが美しかった。

乱痴気:長尾友里香
よく通る声、すらっとした腕で目を引かれる。居酒屋店員とは正反対の印象。麻雀強そう。
アフトクで同期の夏さんから女友達にして貰えたのが嬉しかったって言ってたのが微笑ましかった。

・野瓜美登(齋藤明里)
コンカフェのオーナー。見た目は可愛いけど性格はキツめ。

なんとなく明里さんといえばぶりっ子キャラのイメージがあったけど、それが具現化したようなビジュアルでドンピシャ。100%コンカフェ嬢。
怖さ8割、可愛さ2割くらいで見た目に反して今回は毒多めなキャラクター。まさかの年齢にビックリ笑

乱痴気:沖育美
甘めの服を着てる印象がなかったので、あの衣装は意外だったけどお顔が良いので似合ってた。(あの衣装は顔の良い人しか着れないやつ)
明里さんは実力行使の武闘派な印象だけど、育美さん頭脳戦仕掛けてきそう。

檻多清香(永田紗茅)
父を殺した犯人探しと復讐のために商店街に和カフェ出店を目論む女子大生。

可愛らしいけど逞しくてしたたかで、長台詞の連続でも色んな要素を瞬時に切り替えられるのが凄い。すごく子供っぽく見える瞬間もあれば、大人に見える時もある。
美容師との絡みの冷ややかな態度がリアリティあって思わず笑ってしまう。
「どやぁ!」って登場するところが可愛すぎて毎回あの瞬間を心待ちにしてる。

乱痴気:福井夏
まさしく「獣のようなギラギラ感」
ヒール要素が強い印象。破壊神上陸。
ひっちゃかめっちゃかにしてくれそうな期待が高まる。破刃禍乱のときは「年上のお姉さん」という印象だったけど、女子大生役ぴったり。

・緩瀬流音(沖育美)
中華料理店の一人娘。中華鍋を振れなくなった父親を支えながら店を切り盛りする。

まず衣装がめちゃくちゃ似合ってた。
どれだけ人数が多くてもすぐ分かる特徴のある高音ボイス。抵抗することを止め、状況を受け入れるようになってからのアンドロイドみたいな無機質さが怖い。日を追う事に台詞回しが早くなって、一呼吸で物凄い文字数喋ってて、もはやアスリートの領域。ルージュをひくところのマイムが細かい。

乱痴気:永田紗茅
沖さんに比べると幼さが残っていて、感情も見えやすいという印象。怖さとのギャップが良い。長台詞は圧巻。 


※一通り言いたいことをつらつらと書き記してみました。偏見等あるかと思いますが、個人の感想です。

オープニングの一糸乱れぬ団体芸(?)が凄い。
少しでも遅れてしまえば、噛んでしまえば、
全てがダメになってしまう緊張感の中で
見事に演じられていくのが爽快。
観てる分にはいいけど、
プレッシャーが半端なさそうなので
もし自分が俳優なら絶対にやりたくない。

千秋楽のアフターイベントが楽しかった。
ゆるっとお話してるのを聞くだけかと思ってたら、本編のシーンを上手く使っててこんな見せ方あるんだ!って驚いたし、すごい楽しかった。発想力と皆さんの適応力が凄い。
文化祭の打ち上げを覗き見してるような楽しげな雰囲気で、皆さんの仲の良さがよく伝わってきてほっこりした。
大人になってもああいう関係性があるって素敵だなと心から思う。

休演などのトラブルもあった中、公演を続行してくださったことに感謝。
SMGOの精神を忘れず、舞台に立ち続ける姿勢がかっこいい。
個人的MVPは中屋敷さん。
代役で7公演出演はほぼダブルキャスト状態だし、その中で3役もやってるの凄すぎる。
この短期間でこのクオリティ!?って思うほど見事な演技。演技している姿、もっと見たくなった。

中屋敷さんによる作演と、素晴らしい俳優の皆さんが21人も揃っているとてつもなく贅沢な作品。劇場で目撃することができてよかった。

これからの柿喰う客も楽しみ。  
今後もどうか末永く応援させてください。


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