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演劇好きがEndless SHOCK/Eternalを初めて観た感想

演劇ファン歴十数年、そしてKinKi Kidsの新規オタである私が2023年4月に初めてEndless SHOCK・Eternalを観てきました。

初見の感想なので、至らぬ点があるかと思いますがご了承くださいませ。
Endless SHOCKってどうなの?と思っている方にもぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
※ネタバレ注意です!

  • まず、Endless SHOCKとは?

KinKi Kidsの堂本光一さんが主演・脚本・演出・音楽を務めるミュージカル作品シリーズ。
2022年6月に通算主演回数が1900回を記録。日本一の動員数を誇るとんでもないミュージカル作品。これだけ公演数を重ねていても、いまだに日本一チケットが取れない作品でもある。

  • 『Endless SHOCK』と『Endless SHOCK Eternal』の違いとは?

『Endless SHOCK』がいわゆる”本編”と呼ばれ、その3年後の世界を描いたスピンオフ作品が『Endless SHOCK Eternal』である。

2023年は『Endless SHOCK』(本編)と『Endless SHOCK Eternal』(スピンオフ)の2作品同時上演を行っている。

  • あらすじ

舞台はニューヨーク。
ミュージカルの頂点を目指す俳優のコウイチと、コウイチに恋心を抱いているリカ。
そして、リカに片思いしていて、コウイチの才能に嫉妬しているライバルのショウリ。(今回はショウリ/ヒロミツのWキャスト)

コウイチとショウリはすれ違いが重なり衝突する。
怒りに燃えるショウリは、ショーで使う小道具の刀を本物の刀にすり替え、殺陣の中で実際にコウイチを刺してしまう。そして、コウイチは亡くなってしまう。
悲しみにくれるかつての仲間たちだったが、亡くなったはずのコウイチが劇場に現れる。
コウイチは仲間とともに最後のショーを行う…

  • 初見の感想

<観る順番について>

私が観たのはチケットの都合上、エターナル▶︎本編の順番でした。
いきなりスピンオフだったので着いて行けるか?と思いましたが、心配無用!
むしろエターナルの方が全体的に明るい雰囲気なので、ミュージカル作品を初めて観る方やハッピーエンドが好きという方はこちらの方が観やすいかもしれません。
そして、かの有名なフライングや階段落ちはエターナルでも楽しめるので安心してください。

エターナルの冒頭で本篇のおさらい動画が映し出されるのですが、全編英語なので事前に本篇のあらすじを見ておくことをおすすめします。笑


<一幕の感想>
とにかくショーが楽しい!
ミュージカルといえば、物語の途中で気持ちを乗せて歌い出すというのがよくある形。
しかし、SHOCKはショー仕立てなので、
「ミュージカル特有の急に歌い出すところが苦手」という方でも受け入れやすいのではないかなと思います。
ショーパートは電飾や大勢のダンサーさんなどとても華やか。
こんなに歌いながら踊れるのはさすがアイドル!と思いました。凄すぎ。
ミュージカルとはいえ、がっつりダンスや歌が楽しめるので、アイドルファンとしても大満足。(しかも衣装が良い)

ジャパネスクの和の雰囲気などは、
「外国の方がイメージする日本」というような
独特の世界観を感じました。
本当にNYのブロードウェイで上演しても外国の方にウケそうな雰囲気。

見せ場が多いのも魅力です。
驚いたのは車が浮くシーン🚘
夜空の中でコウイチとリカが乗る車が浮遊します。アラジンの魔法の絨毯のようなイリュージョンにも近い驚きがあり、ワクワクしました。

そして、『SHOCK』でいちばん有名な場面とも言える階段落ち。
物凄い人数での大迫力の殺陣芝居を終えた後、
舞台上に現れる巨大な赤い階段。とてつもない高さから転げ落ちるコウイチの姿に息が詰まりました。

<物語について>
リカとコウイチの関係性って、
どういうことなんだろうなって思っていました。
リカのコウイチに対する好意はすごく分かりやすいし、座長の姿に惹かれる気持ちも分かる。
だけど、リカに対するコウイチの恋心はあまり感じない。結局リカに対するコウイチの気持ちは見えないまま。
今回のSHOCKに関して言えば、コウイチ役の堂本光一さんは44歳、リカ役の中村麗乃さんは21歳なので、この年齢差を結び付けるとしたら少し理解できる気がしました。
リカは小さな頃からコウイチに憧れていて、大人になって恋心に変わっていった、
反対にコウイチは、リカを子どもの頃から知っているのである意味親のような気持ちでリカを見ている。リカのことは好きで特別に感じてはいるけれど、恋心とは違う。
今回の配役だからこその考えなので、他の方が演じられた回も見てみたくなりました。

コウイチとショウリの衝突は見ていて、
つらくなるものがありました。
お互いの正義があるからぶつかってしまう、
そして、ショウリの情熱と嫉妬が怒りに変わって間違った方向に進んでしまう。
コウイチは身を持ってショウリを受け止め、
自らを犠牲にしてしまう、何とも悲しい結末にやるせない気持ちになりました。
コウイチは罪を背負って亡くなったイエス・キリストのようでした。

<二幕の感想>
二幕はコウイチが事故に遭った後の話。
コウイチを失ったカンパニーはシェイクスピアを上演。そこに罪の意識に苛まれるショウリの心情がクロスフェード。
リチャード三世、ヘンリー六世、リア王、マクベス、ハムレット(多分)などの名台詞のオンパレードで、シェイクスピア作品を知っている方ならニヤリとするシーンではないでしょうか?
暗いシーンではあるけれど、ファンタジーの強めで見応えがあります。
光一さんのシェイクスピア芝居が見たいとかねがねより思っていた私は思わぬところで夢が叶い、とても嬉しかったです。

亡くなったはずのコウイチが現れるという
びっくりな展開ですが、
コウイチとの対話を通して新たな世界を歩んでいく美しい終わり方になっていました。
コウイチも仲間もショウリを咎めることなく、誰も悪くない、誰も傷付けたくない、
光一さんのそんな想いが感じられるような優しい世界でした。

クライマックスは再びショーに。
迫力ある和太鼓の演奏。ダンス。
ワイヤーなし、リボンフライング。
そして、ラダーフライング。
光一さんの独壇場と言っても過言ではありません。
軽やかに客席の真上を飛んでいく姿はとても美しく、命を燃やすような全力のパフォーマンスに魅了されました。

  • あとがき

一つ言わせてください。
SHOCKチケット取れなさすぎ!!
これだけ公演回数が多ければ、チケットは普通に取れるだろうと鷹をくくっていましたが恐ろしいほどの落選。
KinKiのファンクラブ枠やカード枠を使って複数公演で申し込みましたが惨敗でした。
今回は偶然にも優しいフォロワー様のおかげで観に行くことが叶いましたが、人気の高さを身を持って痛感しました…
実際観に行ったらとても楽しくて、これは毎年通ってしまうのも納得でした。
コロナ禍で演劇自体の動員数が減っている中、帝劇でここまで激戦となるのは本当にすごい。間違いなく日本一のミュージカルです。

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