高木あすか

漆芸作家。毎日更新する自己紹介ノートです。現在大学院博士課程に在籍。来年4月から制作風…

高木あすか

漆芸作家。毎日更新する自己紹介ノートです。現在大学院博士課程に在籍。来年4月から制作風景の生配信や、漆の漫画を描いてアップする予定です。4月までに100人フォロワー目指します!

最近の記事

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過去作品の紹介②お店での展示

一回紹介していた2015年の個展の作品なのですが、その展示の後にまた別の場所で演出を変えて展示させてもらっていたのを紹介します。 その展示場所は梅田にあるBAR NELLIEというカフェバーで、オーナーの方が内装の仕事をしていらして、ご自身でデザインしたお店というめちゃくちゃ雰囲気のある所でやらしてもらいました! 展示写真がこちらです。↓ 昼ヴァージョン 夜ヴァージョン お店はバーカウンターとロフトの中二階があるところで、天井も高く広いお店でした。 いやはや良い雰囲

    • 金継ぎ〜鯛牙棒②〜

      蒸した鯛から顎を綺麗に取り出しました! 乾燥させて糸ノコで歯の根元をごりごり地道に切ります。結構しっかりついてますので〜。 ある程度切り込みを入れられたらポキンと折れるのですが、断面を真っ直ぐにしないといけません。この後木の棒につけるので。カッターでぐいーっと断面を切ってある程度真っ直ぐにしときます。 割り箸とかの木の棒を鉛筆削りを削るように大きいカッターで細く削ります。鯛の歯の大きさに合わせて。 そして接着剤でくっつけます。私はエポキシ樹脂を使いました。こんなちょっ

      • 金継ぎ〜鯛牙棒①〜

        最近金継ぎの仕事がちょこちょこ入りまして、金の仕上げを鯛の歯でやる方法があるのですが、やってみたくて、鯛丸々一匹を買いました!(京都産って書いてあったけど370円と安かった。養殖かなあ?) 顎を綺麗に取り出すために蒸しか茹での選択。焼くと炭化してしまうらしい。 姿が綺麗に残りそうな蒸しで! 鯛に塩をまぶして10分おき、家にあったキャベツの千切りと人参と舞茸を土鍋に。お酒と醤油とちょっと水を入れて蒸します!(テキトー) (丸々一匹は埋葬感あるな…美味しくいただきます!)

        • 金継ぎ②との粉

          金継ぎの続きです。 麦漆で接着しましたが、今回はとの粉(簡単に言うと目の細かい土)と下地漆を混ぜた泥みたいなもので、隙間やカケを埋めていきます。 固化後、水研ぎをしてはみ出しているところなど、整えます。 漆はガラスには接着が悪く、水研ぎすると綺麗にとれます。 固化すると少し痩せるので、綺麗になるまでこれを何回かこれを行います。 麦漆だけで接着したのととの粉で埋めたやつを比べると変化が分かりやすいですね。 麦漆で接着すぐ↓ との粉で埋めた後↓ でも、最近は寒くて漆

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        過去作品の紹介②お店での展示

          金継ぎ①

          依頼で金継ぎです。最近ちょこちょこ頂くお仕事なのですが、もう使えなさそうなものが再生する過程はとても良い気持ちになります。 まずぱっくり割れたお茶椀をくっつけます。 こりゃきれいに割れてますね〜大きい方は一応マスキングテープでマスクしてから作業します。正直あんまり意味ない。柄物とかはちゃんとやった方がいいですけど。 割れ目に下地漆を染み込ませたあと、麦漆という小麦粉と下地漆を混ぜたものを接着剤としてつけます。 これ透明なガラス板でやってて、下のは透けて

          手足の延長としての人工知能

          前回でのワークショップでの姉の作品です。↓ なぜこのような言葉を書いたのかというと、このワークショップをする前に姉と話していた事が関係していて、どんな話だったかというと、 私が博士課程で研究するにあたって、少し未来のことについて考えながら話をしたい部分がありまして、最近よく話題に上がる人工知能の発達した社会の変化についてです。 人工知能が発達したとしても、人間の方が得意で、人工知能に不得手なことは何か?ということを考えていました。 そういった時に、高校生に色に

          手足の延長としての人工知能

          10000年経っても無くならない手紙

          去年の5月に自身初めてのワークショップを行いました。 「10000年経っても無くならない手紙」 というタイトルで、 和紙に漆を染み込ませた漆紙古文書という実際に史書として扱われてたものから発想を得て、10000年前から存在していた漆の話をしながら、漆紙に漆を使って字を書いて、現代を未来に残す。というワークショップです。 なぜ10000年かというと、現在では約9000年前の漆が発見されていて、縄文時代のタイムカプセルと言われるほど、その形を保持する事ができるとい

          10000年経っても無くならない手紙

          VRchat

          昨日言ってたVRchatの話ですが、 ヴァーチャルの世界で3Dのアバターを使ってコミュニケーションを取ることができるサービスです。 このVRchatをすごいやりたくて、アバターは自分で作ったものでもいいし、もう既にあるものでも参加できるとの事で、VRメガネなどのVR環境もいらないからやろうとしたら、なんとアップル対応しておらずできなかったという…。 何が知恵の実を食べたりんご🍎🐍だよ!!!!ってなりました笑VRchatの中にはワールドと呼ばれる色んなヴァーチャル世界が沢

          デジタルファブリケーション

          昨日言ってたデジタルファブリケーションの を使用した漆製品の論文についてのお話をちょっと。 土岐謙次著の「パーソナルファブリケーション時代における漆の造形について : 事例と実践からの考察」です。 これうちの学校から2013年に出てるんですけど、未だうちの学校そういうのはやってないんだな。とぼんやり思うのでした。まあまず漆の技法を知らないといけないので、CADまでは習得難しいですよね。 土岐さんとお話ししたたことあるんですが、海外はもっと進んでるそうです。ファブ〜。数年

          デジタルファブリケーション

          漆は縄文時代から!

          今回は今日届いた本の紹介します〜! 漆やってる人は一回は読んだ方がいいと言われる四柳嘉章著の「漆の文化史」と そして今回私も初めて読むことになる宮腰哲雄著「漆学」です。こっちはまだ読んでない笑 四柳嘉章さんは歴史学博士の方で、「漆の文化史」は本当にそのまま文化史です。漆がどういう風に扱われてたか、ただの食器としてだけじゃなくスピリチュアルな扱いをされてたこととかも書かれてます。これ何故か大学の図書館になくて(漆工棟にはある)、多分言ったら買ってくれると思うんですけど、持

          漆は縄文時代から!

          漆の乾き方の作品

          漆の乾き方の解説をしたのでその関連で2017年に制作した作品を紹介します。 京都新鋭選抜展で毎日新聞社賞をいただいた作品です。 これは漆の分子が綺麗に並んで固化する様子を表現した作品です。少し見えにくいですが、ウルシオールの分子構造の亀の甲の形を一つのピースで作ってあり、それを並べています。隙間が大きいところがあって、それが徐々に密着して一つの形になってる部分があると思います。 表面の仕上げも、下地漆、黒中、呂色と漆の仕上げる順番でグラデーションにしてあります。写真では

          漆の乾き方の作品

          漆の乾き方③

          漆の乾き方②の続き ということで、同じ分子を持ってるやつらは仲良くなりやすいらしいです。 水分は酸素の運び屋なんですって!ラッカーゼに渡してからウルシオールを酸化してるそうです。 (全く別の分子を持ってるものは弾くそう。プラスチックとか水を弾きますよね?漆も固化したら弾くけど、つけっぱなしは良くないので、それに関係あるのかな…) そして「その後残った水素たちはどうなったんだろう?」とか、「水混ぜて固化はできないのか」とか(予想では水が多過ぎると酸化が間に合わなくてベシ

          漆の乾き方③

          漆の乾き方②

          前回の話で酸素で手をつなぐって書いといて、 え?水分の出番どこ?なんで湿気が必要なの?ってなり、調べたら「空気中の水分の中の酸素を使う」とかが出てきて、「なんでわざわざ空気中の水分の中の酸素を…???」という感じで、調べたりツイッターで聞いたりして仕組みを4コマ漫画にしました〜! という感じで、 言葉で説明すると、 ウルシオールの分子同士を酸素でつながせ、それらが綺麗に並んで動かなくなることで固化する。 それを促進してるのがウルシオールの中にあるラッカーゼで、ラッカ

          漆の乾き方②

          漆の乾き方①

          今回は漆の特殊な乾き方について紹介します。 知ってる人もいると思いますが、漆は28度〜30度の温度と65%〜80%の湿気で乾きます。 え?乾くのに湿気?てなりますよね? 実は漆は普通の絵の具のように水分が揮発して乾くのではなく、化学反応を起こして乾くんです。 水分がその化学反応を手伝う役割を担っています。 ので、表面上乾いていても、中の組織は完全に固化した分子になっておらず、バラバラになっている組織と酸素がゆっくり手を繋いでゆき、完全に固化になります。これに約半年かかりま

          漆の乾き方①

          自然に向けたアート

          夏の思い出をちょっと。 7月か8月ごろに京都東山のアート支援をしているHAPSが主催した講義に行った時に、こぼれ話で、ドイツで湖のためのコンサートというのがあるらしく、人間のためだけでなく、自然に向けてのアートがあると聞きました。 それ見てみたい!となって調べたのですが、出て来ず、多分ドイツ語で検索しないと分からないかもなという感じでした。 ということで、分からんなら自分でやってみようと思い立ちました! 夏にお盆で祖父母の家がある島根県出雲市にいつも帰っているのですが

          自然に向けたアート

          過去作品の紹介

          最初の方は自分を知ってもらわないとなので、作品の紹介してから色んな話もしようかなと思います〜! 2015年の個展で、 この作品はざっくり言うと、色んな土地や人の関わりによって自分が出来ているという事を表現したものです。 全体の形のモチーフは山になっていて、落ちる影の形は、地図上で見る私の住んでる町の形になっています。 そして使用している糸は綿花なのですが、その綿花は自分が関わりのある土地で根ざして採れたものが含まれていています。 それらをひとつの形に編み上げ、漆で包

          過去作品の紹介