見出し画像

縁側住人4人目「意思の人」 ~ momoいろさん 前編~

このインタビュー記事は、
学校の先生と文筆家二足のわらじに挑戦中の
“アスノコトノハ”が、
Voicyパーソナリティー 小川奈緒さんの元に集う
魅力的な皆さん(縁側の皆さん)の一ファン
として、書いています。
 
縁側の皆さんの魅力が少しでも伝わり、
お互いのファンになれたら、
誰かの新たな一歩を応援できたら
そんな願いを込めてお届けします。
 
記事を読んでの感想、リクエストなど
ぜひどしどしお寄せください。
私も取材して欲しい。
あの人のことが知りたいという
リクエストにお答えしながら、
縁側の活動がもっと魅力的になればと
願っています。
 
     アスノコトノハ
 
 

Momoいろではない。赤だ。
胸の奥に燃える意思の力、赤。
ともすると、
高温なので誰かを傷つけてしまいそう。
だからこそ、淡い優しさでくるむ。
だから、momoいろ。

日々の生活

普段の彼女は、とてもかわいらしくて温厚な方。
家族の健康を気遣った様子のインスタの投稿や
Noteでは生活お役立ち情報で
ほんわかした投稿が並ぶ。
が、その隙間に彼女の芯の強さや
気持ちの良い真面目さが垣間見える。
過去の甘酸っぱい思い出と共に、
複雑な母親への思いや、
人として大事にしていること
熱い思いが見え隠れする。

ご家族の健康に心配な面があることもあって、
自らも体調に気をつけた
日々を送るmomoいろさん。
基礎体温と血圧測定、白湯を飲む。
アロママッサージは日々の日課。
婦人科系の再検査に当たってからは、
特に健康への意識が高くなった。
帰宅が遅くなる大学生のお子さん達の
お世話をしながら、耳活が進む。
悩んだときには産婦人科医の
高尾美穂先生のスタンドエフエム
「高尾美穂からのリアルボイス」
の過去回を聴いて、心を動かされる。
美穂先生のお話は心に優しく響いてくる。

子ども時代

小さい子だった。低学年は活発な子。
高学年では悩むこともあり、
勉強に真面目に取り組んだ。
「毎日20分なんでもいいから
勉強をしよう」という宿題。
担任の先生のコメントが嬉しくて、
一人最後までやり続けた。
やると決めたらやる。
自分で決めたことに対して頑固なのは、
子どもの頃からだ。

仕事での学んだこと

大学を出て、医療系・商社の総務部に勤めた。
学生気分が抜けなかったことで、
嫌がらせも受けたが、
自分の事務のスキルを上げることに
集中したことで認められた。
“社会”を学ばせてもらった。

ある日、大きな事件が会社内で起こる。
その責任を上司が部下のせいにして
責任逃れをした。
彼女にはどうしても許せない一言があった。
信頼がガタ落ちした上司の元で働くことが
どうしても嫌になり、
紹介された外資系ホテルに転職した。

転職先は社長室の秘書。
業務は充実し、適職だと感じた。
社長の思考から行動すべてを把握し、
先取りして色々なものを準備する。
それがピタッとハマった時に
やりがいを感じていた。

きっかけは望む形ではなかったにしろ、
転職が自分の適性にはまった。
しかしそれは真面目に仕事に取り組み、
人と誠実に付き合うことが出来る人柄を
周りの人が見ていてくれたからなのだろう。
人が見ていようがいまいが、
自分のやるべきことに注力する。
それが彼女の持ち味だ。

今は、建築業の事務の仕事。
PCで簡単な図面は引くなど、
新しいことにも挑戦している。
小さな会社だからこそ、
役に立っていると感じることが多く
社員さんとの雑談も楽しい。
自分のやりたいことを優先しながらも、
ファイナンシャルプランナー2級の
資格取得を目指す。

きっかけは、次女さんが受験生になったこと。
「自分が楽しみながら学ぶ姿を見せていない」
と思い、興味のあったお金の勉強(FP)を
やっていこうと決めた。
大人になってからの学びは、
誰もがそうだが頭に入らず、手こずる。
でも、
「時間は掛かっても必ず取得します!」と宣言。
やはり、自分で決めたら貫く人だ。

音楽との出会い

吹奏楽は彼女の青春そのものだ。
たくさんのことを吹奏楽で学んだ人生。
長女が産まれるまで
アルトサックスを吹いていた。
度胸はあり、ソロの曲でも堂々と吹ける。
自分を表現できる音楽。
言葉無くとも、物語る音は雄弁だ。

中学校での練習は厳しく、
表現が上手くいかず
譜面台を蹴飛ばされたこともある。
それでもみんなでコツコツと音を作り上げた。
本番の舞台で笑顔の先生の指揮を見ながら
演奏することは最高に気持ちが良かった。
一番の喜びは、コンクールの結果発表の瞬間。
一緒に頑張った仲間と手を取り合い
涙を流して喜んだ思い出は、今でも忘れられない。

ただただ楽しく楽器が吹けたのは高校時代。
伸び伸びと音を出すことを、純粋に楽しんだ。
コンクールの結果は出なくても、
仲間と吹くことそのものが喜びだった。

音楽を通して出会ったかけがえのない仲間達。
サークルの運営で思い通りにならない、
自分の思う音楽が全く表現できないなど
不機嫌になると黙り込む彼女に、
みんなは寄り添ってくれた。
そんな仲間と一緒に頑張った経験こそが、
人を思いやり、音楽を愛し、
音を育む時間になっていった。

仲間の死も経験した。
交通事故、病気。義理の弟もその一人。
許せないこともあったが、面白く憎めない存在。
亡くなって10数年。
彼の表情、奏でる音は今でも思い出せる。

私はこれまで体育会系でずっと過ごしてきた。
若い頃はそれなりに
流行の音楽を聞いた記憶はあるが、
どちらかというと言葉に引っ張られがちで
「音を楽しむ」という経験がほとんど無い。
無音の方が心地よかったりする。

高校の途中まで吹奏楽を含む文化部の活動を
どこか「運動部に比べればぬるい」と
正直思っていた。
そんな私が吹奏楽の音に
涙した記憶がよみがえった。

高3の文化祭で吹奏楽部の演奏を間近で聴いた。
おもしろキャラのクラスメートのがんちゃんが
クラリネットを吹いていた。
どちらかというといつも
ヘラヘラしているがんちゃんの真剣な表情。
初めての音が頬に触れる感覚が分かった。
「音って触れるんだ。」

その時がんちゃんの頬に
ひとしずく光るものが見えた。
心臓がキュッとなった。
引退の演奏だから、泣いているのかな?
でもそれは、汗だった。
恥ずかしながら演奏で
それほどパワーを使うとは知らなかった。
そういえば吹奏楽の音色は
私が部活に来る前から帰るときまで響いていた。
吹奏楽部の友達は
いつもランニングや筋トレのメニューがある
と言っていた。
運動部と同じ、いやそれ以上の練習量と気迫。
吹奏楽をなめていた。
私が部活に青春を捧げたように、
彼女も音楽にエネルギーをぶつけていたんだ。
何も知らない自分が恥ずかしくなった。
感動を伝えると「なんか照れる。」と
いつものがんちゃんだった。



次週に続きます。
次週はmomoさんの苦しい胸の内に迫ります。
ご期待ください。

いつも読んでいただきありがとうございます。
感想もお待ちしております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?