見出し画像

神様の声を聞きにいく

私は毎月一回、氏神様へお参りに行く。
130 段の階段を一気に上り、
澄んだ空気と光の中でお参りし、おみくじを引く。

毎月お参りするようになったのは、
長女が不登校になった 2 年前からだ。

世間から離れ、
海の底に沈んでいくような辛い日々だった。
よかれと思ってのアドバイスは、
有り難いはずなのに苦しかった。
一緒に海を見にいってみたらとか、
好きなだけ放っておけばいいとか。

笑顔でありがとうと言いながら、
「何をやっても変わらないんだよ。
あんたにはわかんないよ。」
とやさぐれた。
だんだん人に会うのが苦痛になった。

藁をも掴む思いでお参りを始めた。
「早く元気になりますように」とお願いし、
おみくじに書いてある言葉を神妙に読む。

「長い長いトンネルの中です。」とか
「しんしんと降る雪の中に
   一行の光が差します。」とか。
いちいち喜び、落胆する。

こんなことに意味はあるのか。
それでも、暑くても寒くても毎月参った。

何を信じたら楽になるのか、分からなかった。
誰にも分かってもらえないと思っていた。
でも神様になら、
私の苦労が分かってもらえる気がしていた。
分かってもらえると思うだけで心は軽くなった。

神様の声を信じてみよう。
そう決めて、続けた。


誰にも分かってもらえない時もある。
励ましがかえって辛い時もある。
素直に心を開けない自分もいる。
でも本当は、
誰かに分かって欲しかった。

私が一番辛かったのは、
長女が学校に行かない事実よりも
気持ちを共有し、
励まし慰め合える人が
いなかったことだと思う。

誰もいなかったから、
神様にいつも聞いてもらった。
神様の言葉に励まされ、慰められた。

おみくじに書かれた今後の道標に
勇気をもらって、今ここにいる。

誰にも分かってもらえないときは、
神様に分かってもらえたらそれでいい。
そう思えるようになった。

少しずつ笑顔が増えた長女は、
進路が決まった。
「また相談しに来ればいいよ。」
神様の声が聞こえた気がした




今回の記事は 長女星★プロジェクトの番外編です。
800字の壁を上る私に応援よろしくお願いします。
いつも読んでいただきありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?