なかがわ あすか

フリーライター。1994年 滋賀県生まれ。人の頭にドラマを描くような文章を書きます。

“個性”の土台は、“真似”なのかもしれない

“個性”と“真似”は、対極的であるように思う。

誰かの真似をすれば、その時点で個性は死ぬ。個性あるところに真似なし、だ。

だが、ここ最近、個性の土台は“真似”なのかもしれないと、ぼんやり考えるようになった。

個性は突然生まれない。もちろん例外もあるだろうけど、世の中にある大半の“個性”は、誰かの“真似”から育まれる気がする。

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このテーマを考え始めたきっかけは、他でもない私自身が、フリ

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苦い思い出は、“甘さ”で上書きする——二畳半カフェ【2杯目】

趣味らしい趣味を、と夫から諭され始めた「二畳半カフェ」。

前回のnoteでは、なぜ趣味として「二畳半カフェ」を始めようと思ったのか、そもそも「二畳半カフェ」とは何なのか、などについて綴った。

“要は「お家で自分の飲みたいカフェドリンクを気ままに作りますよ」というだけの話だ。オシャレなカフェに憧れる一人のミーハー女子が、趣味の一貫として(カフェにありそうな)ドリンクを自宅で作る様子を記録的に

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“二畳半カフェ” はじめました

はじめに

「趣味」という言葉を前に、眉間にシワを寄せる。

自己紹介をするとき、初対面の人と話すとき、話題が見つからないとき、履歴書を書くとき——これまで幾度と目にしてきた、馴染みの深いワードだが、25歳になった今、改めて「趣味」を捉え直す必要に迫られていた。

事の発端は、2週間ほど前だっただろうか。

夫の実家が近い、とある城下町の商店街を訪れ、いかにもオシャレなカフェに足を踏み入れた。白と

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彼にプロポーズされた日

付き合って、ちょうど6年目を迎えた朝。

何が起こっているのか、理解をするのに時間がかかった。

目の前には、手を震わせながら手紙を読む彼がいて、その隣には大きな紙袋が置いてある。

そのシーンだけを切り取ってみれば自然かもしれないが、今目の前にいる彼は、1時間前に仕事にでかけたはずだった。

いつもは私服で出社するのに、その日だけは「クライアントと打ち合わせがあるから」と、ジャケットを羽織って。

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頑張るために、頑張らない

痛みで目が覚めた。

右手が頭の下敷きになっていたからか、指先は冷たく、掌がピリリと痺れている。頭が働かないまま、体の感覚で「寝すぎたかも」と思った。

片足だけ布団から出してみる。ひんやりとした空気に触れた部分が気持ちいい。

小さく息を吐いて、目を閉じて、今日やるべきことを一つ、またひとつと思い浮かべる。

リビングから聞こえる、秒針の音。

ああ。

心は焦るのに、体

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フリーランスになって、休み下手になった話

さっき買ったばかりなのに、と思う。

「たくさん入ってるから」という理由で帰り道に購入したラムネは、残り2粒にまで減っていた。

子どもの頃食べていた小瓶タイプではなく、袋タイプになっているそれは、少し大げさに感じるほどブドウ糖の配合率の高さを謳っている。

「ブドウ糖でスッキリ!」のコピーに若干の胡散臭さを感じつつ、それに惹かれてこの商品を買ったのも事実だった。

焦りと、不安と、少しの頭痛。

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