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拝啓、未来が不安で仕方なかったあの日のわたしへ

拝啓

寒さが厳しさを増す、今日この頃。

初雪こそまだ降ってはいませんが、外で吐く息は白く、手足は感覚を失ったように冷たくなり、朝の空気がツン——と澄んでいるのを肌で感じるようになりました。

今からちょうど半年前、じめっとした熱がこもる帰宅ラッシュの電車に揺られ、あなたは一つの決意を固めていましたね。

新卒で入った会社をわずか3ヶ月で辞め、フリーライターの門戸を叩いたあの日。

潔く会社を去り、いろんな方から応援を受けながらも、未来を考え、「ちゃんと生きていけるだろうか」と不安に駆られて眠れない夜もありました。


でも、大丈夫。
私は今日も、ちゃんと生きています。


大好きな言葉に触れ、ときには原稿の納期に追われながらも、尊敬する人たちに鼓舞され充実した日々を送っています。

仕事を辞め、フリーランスの道を選び、無我夢中で走り抜けた180日間。

過去を振り返るにはちょうど良いタイミングなので、仕事を辞めたばかりの、あの日のあなたを励ますつもりで、今日は手紙を書きたいと思います。

この半年で請け負った仕事や、印象に残ったこと。何に挑戦し、どんな気づきを得て、あなたはどう変わったのか——。

この手紙を読み終え、満員電車から降りるあなたの顔が、希望で満ち溢れることを願って。

※ この記事は、「書く」を学び合うコミュニティ『sentence』のアドベントカレンダーに参加しています。

2018年、あなたがした仕事

この半年であなたが担当した仕事を、簡単にまとめてみました。

◾️原稿執筆
◾️メディア立ち上げ(コンセプトメイキング、コンテンツ準備)
◾️メディア運用(コンテンツ管理)
◾️コミュニティマネージャー

フリーライターとして独立したものの、原稿を書くこと以外の仕事も、いくつか担当しています。

具体的にどんなことをやったのか(やっているのか)を、上から順に説明をさせてください。

<原稿執筆>

6月〜12月にかけて執筆した記事本数は、60本。(カウントし間違えているかも……)単純に計算すると、3日に1本は原稿を書いていたことになります。

ジャンルは多岐に渡り、ゴリゴリのテックやビジネス、企業の採用コンテンツ、グルメ、ライフスタイル、スポーツ……。

デスク記事に限らず、取材(インタビュー)記事もたくさん書くようになりました。

すべての原稿に思い入れはあるものの、その一つひとつを挙げていくとキリがないので、今回は特に印象に残ったものを5つ紹介しますね。

①キャリアよりお金より、挑戦したいことがそこにあった ──大手金融機関を経てスタートアップの道を選ぶ葛藤と本音』/ Fast Grow

FastGrow』で執筆した、大手金融会社からスタートアップへ転職した2人のキャリアについてのインタビュー記事。

Q&A形式で初稿を提出したら、デスクチェックの段階で「ルポ形式のほうがリアリティが出る。書き直したほうがいい」と指摘をもらい、一から原稿をやり直しました。

最初はショックだったけれど、気合いを入れてルポ形式に書き換えると、自分でも分かるくらい何倍も良くなった。表現方法を変えるだけで、驚くほどにクオリティが上がることを教えてくれた記事でした。

②毎日に、ちょっとした優しさを──“お花の郵便屋さん”と始める「#花のある暮らし」 / UNLEASH

「なかがわさんに書いてほしいです」と、初めてクライアントから指名をもらい『UNLEASH』で書いた記事。

私の書く文章を好きだと思ってくれる人がいると実感し、あなたは嬉々と彼に報告していました。(記事中の写真は彼が撮ってくれたしね)

わたしらしさが、出ていた記事だと思います。

③観光地のよくある飲食店が、データ活用で最先端の経営へ!伊勢の老舗食堂「ゑびや」が日本中から「AI技術と効率化」で注目されている【前編】/ DooR

立ち上げから携わった『DooR』の、記念すべき最初のインタビュー記事です。

フリーランスになってから、自分でちゃんと取材したのはこれが初めてのこと。小売×テクノロジーの文脈は、正直そこまで詳しくなかったため、インタビュー当日も内心は冷や汗タラタラ。

まだまだ拙い取材だったけれど、わたしにしては、頑張れていたんじゃないかな。

④株式会社inquireの採用インタビュー

「inquireメンバーのインタビューをやってみない?」

そう声をかけられ、半ば不安な気持ちのまま、引き受けたお仕事。

今年は5人をインタビューして、どうすれば相手の人柄が伝わるような記事にできるかと、必死に考え続けました。

リードを工夫し、その人に合った表現を取捨選択し、なるべく固い雰囲気を避ける。

大変ではあったけれど、確実にあなたの力になった仕事でしたよ。

⑤寝室がエンタメ空間に早変わり! 新たな睡眠体験ができるホテルが銀座にオープン / フミナーズ

憧れていたライターさんが、初めて依頼してくださった仕事。

プレスリリースをもとに記事化するもので、文字ボリュームも多くなかったのに、手に汗をかきながらキーボードを叩いていました。

記事が公開されたときは、本当に嬉しくって、何度も記事を読み直しては、一人で感慨深くなって。

やるじゃんって、自分をちょっとだけ褒めることができた記事だったな。

どう?

だんだん、将来が楽しみになってきた?

次は執筆以外の仕事について、あなたがどんなことをしているのか教えますね。

<メディアの立ち上げ>

小売×テクノロジーの文脈でメディアを立ち上げる案件に、あなたはコンセプトメイキングから携わることになります。

何を伝えるメディアか?
どんなコンテンツを発信していくのか?
メディアのコンセプトは?
メディアの名前は?

などなど、考えるべきことはたくさんありました。それまで知見のなかったテクノロジー領域ということもあり、正直かなり苦戦します……。

立ち上げまでの期間も短く、ハプニングもありどうなるかと心配でたまらなかったけれど、メディアはちゃんとリリースできました。

名前は、『DooR(ドア)』

これ、あなたのアイデアなんですよ。

<メディア運用>

メディアの運用も、2つ担当しています。

さっき話した『DooR』と、名古屋のとあるプロバスケクラブの公式メディアです。

編集会議でネタを決め、インタビュー候補先の洗い出し、編集者やライターのアサイン、取材・執筆、公開までのスケジュール管理など、そこそこ大変です。

ただ、この仕事を通じて学んだことの多さは、数えきれないくらいあります。

メディアの運用がいかに大変であるか、そのコンテンツが誰のためのものなのか、記事を読む人にどうなってほしいのか——。

この2つに携わらなければ、私はただひたすらに、“コンテンツを作って終わり”のライターになっていたと思います。

勝負は、コンテンツを作ってから。

そう気づけた、仕事です。

<コミュニティマネージャー>

inquireが運営するライティングコミュニティ「sentence」には、コミュニティマネージャーとして関わることになります。

入って最初の数ヶ月は、「コミュニティ」というものに慣れずタジタジで、周りにたくさん迷惑をかけてしまいます。

実際、今もまだ「コミュニティマネージャー」としては足りない部分があり、反省をする日々です。

でも、あなたは「sentence」に関わるようになってから、「書く楽しさ」を再確認するようになります。

sentenceの会員さんは、人によって興味のあるトピックや、文章の表現方法、テンポなどが大きく異なります。

けれど、「書く」を真剣に考えていること、好きであること、その可能性を信じていることだけは共通している。

sentenceにいると、ライターである自分を好きになれます。

だから、迷わずに突き進んでください。

すてきな人たちと、たくさん出会うことができますから。

私はどう変われたのか?

思えば、前職にいた頃は、とにかく泣いてばかりいましたね。

そんな自分にも嫌気がさして、何も悪くない彼に当たり、また自己嫌悪に陥り、最悪の精神状態で朝を迎えることが何度もありました。

オシャレをする気力もなくなり、マスクで顔を覆いながら満員電車に乗り込み、社会から断絶されたい思いで一杯いっぱいでした。

悩みに悩み抜いて、勇気を振り絞って上司を呼び出したあの日。

震えながらも、相手の目を見て「ライターになりたいので、会社を辞めます」と言い切ったあなたを、私は心の底から誇りに思います。

半年間で変わったことはたくさんあるけれど、一番はよく笑うようになったことかな。本もたくさん読むようになったし、オシャレにも気を使えるようになりました。

切磋琢磨し合える仲間や、尊敬する人たちに囲まれて、私は今日も文章を書いています。

もうそろそろ、電車は最寄駅に着くころでしょうか?この手紙が、あなたの不安を少しでも取り除けたなら嬉しいです。

また気が向いたら、筆を取り、あなたに手紙を書くことにします。

体にだけは気をつけて、今日は温かいお風呂にでも浸かって、早めに寝てください。


大丈夫。

未来は、なるようになるから。


                                敬具

2018年12月吉日 


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なかがわ あすか

フリーライター。1994年 滋賀県生まれ。人の頭にドラマを描くような文章を書きます。

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