非実体動的物理論(多元発生唯動論)


【目次】

序文 / 1 秩序 / 2 物理 / 3 人間 / 4 社会 / 5 経済 / 6 公理系 / 7 記述


【序文】

物理事象を、物体ではなく、動きをベースに考えた理論体系は稀である。本稿では、あらゆる事象を、いつでも変化しうる事態と捉え、実体を想定しない。その構想を展開し、経済や意識などの通常物理では扱えない事態まで、物理的な理論の道具立てで扱える事象とする。

編集の容易さから、記述の仕方は箇条書きとする。本稿は統一的な記述を目指しているが、隙間が多く、今後の展開の踏み台でしかない。

なお、生命の起源については別の論考にまとめた。


0 動きは事態として捉えうるが、それだけで捉えられない。


1 概念として捉えられる事象は、ある程度の時間、秩序が持続している事態に限る。

1.1 事態は複数の要因から成る関数で模写することができる。このときの複数の要因を変数とする。

1.1.1 事象とは、観察という事態に、秩序が持続している事態が変数として組み込まれた場合の、当の事態のことである。

1.1.2 観察という事態は、ある程度の知能を持つ有機体が、事態に対応するためにとる方法の一つである。

1.1.3 事象が捉えられるためには、観察という事態が秩序的に成立するまでの時間が要る。

1.1.3.1 事象を捉える際、物質の動きの変化率を捉える。

1.1.3.2 神経が事象を模写するとき、変化率を捉えた後に物質を捉えるが、理解する段階で、物質が動いたと捉える。

1.1.3.3 理解は、既存の言語システムのネットワークに、観察した事象を意味づけて組み込むことである。

1.1.3.4 事象を引き起こす物質そのものは、静的な概念で捉えられる。

1.1.4 概念は、言語システムの自己言及的作動によって生じる、言語システムの変数である。

1.1.4.1 概念は事象の観察に基づくものと、言葉の関係性から成るものがある。

1.1.4.2 概念どうしは、言語システムの変数であるために、意味合い上の区別がつくが、概念そのものの質は区別がつかない。

1.1.5 事象を表す概念は、言語能力を持つ有機体が、事態を言語システムの変数として取り込む際に、言葉のネットワークで意味づける仕方で模写した、当の事態のレプリカである。

1.1.5.1 言葉は言語システムの変数であり、動的に変動しうる関数ではなく、記憶に情報として模写された、擬似的な実体である。

1.1.5.2 言葉が静的であるゆえ、事態の動的さは間接的にしか表現できない。

1.1.5.3 事象を表現する際、動きそのものを表現することはできず、物質の概念がどのように変化したかを説明することになる。

1.1.5.4 動詞が事象を表現する。

1.1.5.5 実体は事象を表現するために、便宜上主語として想定される、擬似的な存在である。

1.1.6 思考は、概念やイメージを自己言及的に発展させるシステムである。

1.1.6.1 思考は事態を模写する必要性を持たず、空想的な発展をすることができる。

1.1.6.2 事態を模写する思考と、空想的な発展をした思考は、意味合い上の区別をつけない限り、質的な差を示さない。

1.1.6.3 思考が事態に即しているかどうかは、思考のみでは判定されず、事態の関数化、仮設検証等により、思考に変数を増やすことで、模写の精度を上げる。

1.1.6.4 思考における概念は、思考の変数が増えることで、感覚的な差が感じ取れるようになる。

1.1.7 イメージとは、事象を捉える際に、とりわけ重視される感覚質である。

1.1.8 知能のある程度高い個体は、思考システムの自己言及的作動(演繹)によって、秩序が持続している事態の中から、比較的重要な変数に注視し、事態の進展を予測する(事態に近似的な思考を創造する)。また、抽象度の高い概念を創発しやすい。

1.1.8.1 法則は、事態の進展の範囲を予測する概念である。

1.1.9 抽象度の高い概念とは、事態への反復的な気づきにより、神経システムに秩序が創発(帰納)し、その神経システムが言語システムの変数として組み込めるようになったときの、その感覚的なまとまりである。

1.1.9.1 抽象度が高い概念は、次元数(変数)が少ない。

1.1.10 感覚的な事態は、それを作動させる有機体(人間等)にのみカップリングするため、内的である。

1.1.10.1感覚的な事態は、神経システムと内分泌システムの相互作用によって生じた、まとまりを成した働きである。

1.1.11 物理的な事態は、関数として模写した際に空間座標を変数として持ち、外的に観察および測定できる。

1.1.11.1 物理的な次元数が少ない関数ほど、物理的な事態との連動が弱い。

1.1.12 内的な事態は、物理的な事態との相互作用を推測することによってしか、間接的に測定できない。

1.1.12.1 観測できない秩序を成した事態は、ルールに従う。

1.1.12.2 ルールは、秩序を成した事態を制限する、内的な事態である。


1.2 秩序が形成するのは、動的平衡や自己組織化等の自己言及性(システム)が創発しているか、エネルギー的な作用が掛かっているかのどちらかである。ただし、それ以外の秩序形成を行う事態が発見されることはあり得る。

1.2.1 自己言及的作動の創発は、エネルギー的な作用が掛かるか、系内の因子が偶然整列することで起こる。

1.2.2 自己言及的作動をし始めた事態は、内的な事態を創発し、その内的な事態と連動する。

1.2.3 秩序を成した事態を構成する変数は、秩序維持のために、その量を調整される制約がかかる。

1.2.3.1 変数の量が一定の範囲に収まらなくなったとき、事態の秩序は崩壊する。

1.2.4 エネルギーを掛けて秩序形成が起動するかは、物質の化合に、生産プロセスの連鎖が起こるかどうかに依存する。

1.2.5 エネルギーを掛けて内的な事態が創発せず、物質が整列し、エネルギーを掛けなくともそのまま整列を維持する場合、その物質のまとまりの相を固体という。

1.2.5.1 物質の乱雑な動きを、整列した境界のある物質に閉じこめたとき、その中から外へ働く圧を熱という。

1.2.5.2 乱雑な動きを仮想的に半分にしたとき、その左右に秩序的差がない場合、それをゲージ対称性と呼ぶ。

1.2.5.3 熱量がエネルギー推移によって下がり、磁気などの秩序的な性質が創発する場面を、自発的対称性の破れという。

1.2.6 エネルギーを掛けている間だけ秩序が形成している有機体を、生命とは言わない。

1.2.6.1 核融合はエネルギーの自己言及性が作動しているが、その事象単体は生命ではなく、働きである。

1.2.7 生命は、環境からエネルギーを取り込み、自律して秩序を維持する。

1.2.8 閉鎖系のシステムは、生命にカップリングするもののみが生きており、それ自体は働きである。


1.3 秩序が形成した事態は、その物質のまとまりとは不連続の性質が創発する。

1.3.1 不連続の性質が創発するのは、事態の秩序形成が、そもそも事態を構成する物質に内在する性質ではないためである。

1.3.1.1物質のまとまりは、秩序形成の必要条件であって、十分条件ではない。

1.3.1.2 秩序形成は、物質のまとまりがもたらした、新たな性質の働きである。

1.3.1.3 自己言及的作動は、システムの作動の産物を、システムの変数として組み込むことによって、入れ子状の階層次元を形成する。

1.3.1.4 関数f(x,t)は、自己言及的な作動を開始すると、f(x,t,f(x,t-1))となる。

1.3.2 秩序が形成した事態を関数として捉える場合、不連続な性質の出現は、新規変数の創発として表す。

1.3.2.1 自己言及的作動による新たな変数の出現は、よりミクロな事態の結果による。

1.3.2.2 ミクロな事態の結果は、よりマクロな系にとって新たな性質をもたらす。

1.3.2.3 マクロな系の新たな性質は、よりミクロな事態の結果だが、そのミクロな系でその性質は発露せず、マクロな系にのみ確認できる。

1.3.2.4 マクロな系の性質は、よりミクロな系の事態によっては説明できない。

1.3.3 特定の物質の隣接は、「鍵」のように、でこぼこの圧差(エネルギー差)を生み出し、それにより特定の性質を「情報」として持つ。

1.3.4 整列を構成する物質が多様であるほど、情報は複雑となり、その整列が起因となる結果(生成プロセス)が多様化する。

1.3.5 物質の整列が起因となる結果が連鎖し、結果の多様性が縮減していく過程を、秩序(組織化)という。

1.3.5.1 生成プロセスを引き起こす物質は、起因となる他の複雑な物質の中から、自身に反応するものだけを選択し、消費する。

1.3.6 複雑な物質から秩序だった生成プロセスが起動する場合、低エントロピー源である複雑な物質から、高エントロピーである無秩序な物質のまとまりにエネルギー推移が起こり、秩序が形成される。

1.3.7 秩序を形成した事態に創発した変数の中には、それ自体が関数として表せるほどの構造を持つものがある。

1.3.7.1 内的な事態は、秩序を形成した物理的な事態の変数として創発し、それ自体が関数で表せるほどの構造を持つ。

1.3.7.2 秩序の形成で結果の多様性が縮減したにもかかわらず、秩序を形成した事態に変数が創発することによって、内発的に複雑性が増す。

1.3.7.3 自己言及的作動の次元創発によって、システムは複雑化し、エントロピーが下がる(情報量が上がる)。

1.3.8 ある秩序を成す事態の中に創発した変数が、秩序を成す別のシステムを形成した場合、その二つのシステムは互いに変数を共有する状態となる。これをカップリングという。

1.3.8.1 秩序を成す事態の中に創発した別の事態は、親元のシステムから分裂することがある。これをデカップリングという。

1.3.8.2 親元のシステムから分裂したシステムが、親元のシステムを複写している場合、これを複製という。

1.3.8.3 分裂作用が親元のシステムを解体するときがある。これを自食という。

1.3.8.4 自食と複製が同時に行われるとき、分裂したシステムは、親元のシステムをリセットする。

1.3.9 事態の反復は、動きの個体化である。

1.3.10 あらゆる秩序は、境界の更新する可能性を残す。

1.3.10.1 境界を更新する余地がない平衡的な秩序ほど、それに対する予測の精度が高くなる。

1.3.10.2 変数の出現を想定しない理想系は、予測の精度がない。

1.3.10.3 秩序を形成した事態に、量の変動が小さい変数が多いほど、システムは動的平衡に近づく。

1.3.10.4 ボラティリティの高い変数が2個以上ある関数は、変化の予測が困難となる。


1.4 情報はそれ自体で個体化しない。

1.4.1 情報の存在は、ある物質が、他の物質に何かしらの反応を引き起こしうる場合、その両者の関係性によって規定される。

1.4.2 能力や機能、性質やポテンシャルが、物質に内在する質だとすれば、情報は物質のまとまりや、反応の連鎖の場面でようやく意味合いを持つ。

1.4.3 情報の保存は、情報の媒体となる物質組織の安定性に依る。

1.4.3.1 情報の伝達は、情報の媒体となる物質および粒子のまとまりが連鎖的に組み変わることで起きるため、情報は本質的に虚構である。

1.4.4 ゲノム、伝達情報、電子情報は、情報が保存される媒体が異なるため、存在の類似性がない。

1.4.5 情報の個体化は、情報に反応し組織化する物質のネットワークの中で、情報のまとまりとして別の組織に模写されるという、擬似的な自己組織化によってなされる虚構である。

1.4.6 模写は、整列および秩序を形成した事態に対応するように、新たな整列や秩序を形成することで、新たに生成した組織の情報を、他の物質とのネットワーク上において区別することで成立する。


1.5 物理法則は、宇宙の内的な秩序(ルール)を模写する。

1.5.1 法則の確率的な予測は、動きの本性を間接的に示す。

1.5.1.1 秩序が持続しているあらゆる事態は、進展の結果を統計的な範囲に収める。

1.5.1.2 統計的な範囲に収まるのは、事態が定数を含む物理量に関係しているからである。

1.5.1.3 物理世界に無限はない。

1.5.2 物理的定数は、動きの性質を示さず、相対的には静止している。

1.5.3 再現性の高い事象は、単純な法則に従う。

1.5.4 永劫の時間の経過において、無数に宇宙と内的な秩序の創発が起きたその中で、再現性が高い単純な事態が頻繁する宇宙は、安定性がある。

1.5.4.1 生命の出現が、生命にとって都合が良い奇跡的な環境が揃った状態で、奇跡的な確率で生じたならば、その生命が住まう宇宙も、奇跡的な均衡で成立していると類推できる。

1.5.5 円の半径が外周への最短距離を示すように、物理的な事態の最短の実現が、物理法則である。



2 物理的な世界に公理はない。

2.1 物理的な世界の事態は、無数の事態の関係性から成る。

2.1.1 観測は、事態への干渉を必要とする物理的な事態である。

2.1.2 干渉なき観測は、観念上しか想定できない。

2.1.3 秩序が形成している事態への干渉は、システムの変数量調節機構によって、測定誤差に収まる。

2.1.4 最小の物理的単位の存在は、計測方法に依存する。

2.1.4.1 最小の物理的単位は、相互作用の限界である。

2.1.5 観測できない事態には、発生に確率が関与する。


2.2 物質は事態の進行上生じた、派生的な性質である。

2.2.1 物質はそのもので何らかの質を持つ。

2.2.2 物質が整列したまとまりも、次元の異なる物質である。

2.2.3 物質が整列したまとまりは、それを構成する物質の量と種類と温度によって、異なる性質を持つ。

2.2.4 物質が整列したまとまりにエネルギーを掛けると、変形したり、変質したりする。

2.2.5 物質は他の物質との関係性によって、質が規定できる。

2.2.5.1 物質はそれゆえ、本質的に、情報的かつ機能的に把握される。

2.2.5.2 最小の情報、最小の機能は、最小の粒子と概念上でのみ区別される。

2.2.6 物質は慣性的に動き続ける。

2.2.7 物質の移動の軌道は、確率的な波動である。

2.2.7.1 物質の移動の軌道は不確定である。

2.2.7.2 粒子の位置の確定と、移動量の確定は両立しない。これを不確実性定理と呼ぶ。

2.2.8 物質に方向のあるエネルギーを掛けると、秩序的に移動する。


2.3 物理的な世界は、物質そのものではない。

2.3.1 物理空間は、計算上必要とされる座標空間である。

2.3.2 真空は、物質がない空間である。

2.3.3 物質のない空間は、その中に物質を観測できないという仕方で、間接的に示される。もしくは、物質が入り込まないような手続きで作られる。

2.3.4 物質および事態が張り出された空間を、位相空間という。

2.3.5 位相空間は必ずしも物理座標を必要としない。

2.3.6 大気のない宇宙空間は、観測できない何らかの位相空間である可能性を残す。


2.4 時間は物質の変化によって不可逆的に進行する。

2.4.1 時間の単位は、反復周期が一定の物理事象によって規定される。

2.4.2 生体の時間は、生体を構成する物質の変化によって尺度を変える。

2.4.3 感覚的な時間は、生体的な時間と、そのときの体調によって尺度を変える。


2.5 力は、慣性的なエネルギーである。

2.5.1 隣接する物質への力の伝わり方は、波動である。

2.5.1.1 力の伝わり方は、物質の移動の仕方と、物質の密度や性質が関係している。

2.5.1.2 物質のまとまりを構成する物質は、密度が高すぎれば波動しにくくなり、物質のまとまり全体の移動は直進に近づく。

2.5.6.3 場の量子論では、変化の波を、架空の粒子として区別する。

2.5.6.4 超弦理論では、一次元弦の振動の違いを、各粒子の違いとして捉える。

2.5.6.5 エネルギー体理論では、空間をエネルギー体として前提し、その膨張と収縮を波と捉える。

2.5.6.6 量子以下の世界観では、波の移動速度を定数としているようである。

2.5.6.7 物理学は便宜上、不変の定数を必要とする。

2.5.2 物質には、外圧による動かしにくさの度合いである質量が規定されている。

2.5.2.1 外圧による動かしにくさを、場の状態がもたらしていると考えたとき、ヒッグス粒子が想定される。

2.5.2.2 ゲージ対称性の破れによって、質量的差異がない状態から、質量的差異がある状態へと宇宙が秩序化した段階で、各粒子はヒッグス粒子との相互作用によって質量が付与されると考える。

2.5.3 物質が静止する場合、物質のまとまりとして結合を維持している。

2.5.4 物質は定常波の軌跡を取って、他の物質との関係を維持する。これを物質波という。

2.5.5 定常波が離散値を取るため、物質の静止エネルギーは定数となる。

2.5.6 量子的な世界観では、物質とエネルギーと力は概念上でのみ区別される。

2.5.6.1 エネルギー量が離散値を取ることで区別される単位を、粒子と呼ぶ。

2.5.6.2 粒子のエネルギーは、他の粒子との関係性が変わる範囲(場)に入らない限り、推移しない。

2.5.6.3 反物質は、構成する粒子の波動の違いによって、電荷などの性質が通常の物質とは逆の性質を持つ。わかりやすく換言すれば、反性質物質である。

2.5.7 物質には、他の物質との丁度良い距離感がある。

2.5.7.1 最も丁度いい距離感が結合定数となる。

2.5.8 他の物質との丁度良い距離感から離れたとき、物質は他の物質を引き寄せる。

2.5.8.1 光子が粒子である以上、波動の軌道は重力に引き寄せられる。

2.5.9 他の物質との丁度良い距離感から近づいたとき、物質は他の物質を反発する。

2.5.9.1 物質相互の反発の仕方の違いが、伝わる波の性質を分ける。

2.5.10 物質の整列、秩序形成、反発などにより、宇宙内のエネルギー分布にはムラが生じる。



3 人間を規定する内包はない

3.1 人間は複数のシステムから構成される。

3.1.1 人間の規定は、外延によってのみもたらされる。

3.1.2 人間の外延を細分化していったとき、人間相互の類似性は消失する。

3.1.3 人間の共通性は、社会の形成を前提とする。


3.2 人間の動作は、身体の制限と知能の余剰をかけあわせた分だけ、アフォーダンスに対する恣意性を有している。

3.2.1 人間の動作は、内発的な要因によっても引き起こされる。

3.2.2 反射的行動は、恣意性がない。

3.2.2.1 反射的行動は、物理的な反応の連鎖によって起こる。

3.2.3 状況の秩序化など、特殊な条件下においてのみ出現する反射的行動がある。

3.2.3.1 感情の励起状態においては、動機が極端に振れ、行動のパターンが単調となる。

3.2.3.2 気分障害において、動作は緩慢になり、恣意性が減少する。

3.2.4 行動の多様性は、思考の多様性に関係する。

3.2.5 自由は生命活動と関連性が希薄で、内包が定まらない。

3.2.5.1 行動の多様性は自由意思に支えられているのではなく、秩序形成の複雑性に支えられている。

3.2.5.2 自由は社会の文脈上で語られることが多く、生理的な行動の文脈で語られる自由とは意味合いが異なる。


3.3 感情と欲望は、物理的には分泌システムに相当する。

3.3.1 感情は、思考回路の創発の触媒を担う。

3.3.1.1 感情は、思考のスピードの調節と、回路切り替え機能を担う。

3.3.2 感情の分泌は、思考回路形成との相互依存で量が決まる。

3.3.3 欲望は生命秩序維持に関係する。

3.3.3.1 欲望はエネルギーの散逸が起こる限り反復し、際限がない。

3.3.3.2 欲望はエネルギー供給を求めるため、欠乏感を伴い、何かを欲するという感覚をもたらす。

3.3.3.3 何かを欲する感覚を、商品やサービスに結びつけた場合、それを物欲と呼ぶ。

3.3.4 感情と思考回路の多様性は、共同幻想によって縮減する。

3.3.5 感情の安定した発露には、再認の思考回路を必要とする。

3.3.5.1 不満は、視野が自己と他者の比較に注視し、自己が他者より不当であると、局所的な状況を局限化することで起こり、行動を駆動する。

3.3.5.2 侮辱や羞恥は、倫理観の成立を前提とする。

3.3.5.3 笑いは、仲間意識を形成するためのコミュニケーションである。

3.3.5.4 喜びや充実感は、集団に資する行為を通じて、自身の行動を意味づけることに成功した場合起こる。

3.3.5.5 悲しみや喪失感は、愛着ある対象との繋がりがなくなったり、壊れてなくしてしまったりしたとき、その欠落の意味付けを行うかのように、記憶の反復を引き起こす。

3.3.5.6 好奇心や探求心は、意識の志向性を進展に秩序付ける。

3.3.5.7 希望は、未来時間に起こるだろう出来事に、喜びや充実感が期待されることである。

3.3.5.8 幸福は継続的な再認に耐えうる喜びや充実感である。

3.3.5.9 満足感は、結果が幸福な期待と一致するか、上回ることで起こる。

3.3.5.10 陶酔や恍惚は、満足感の持続である。

3.3.5.11 飽きや退屈は、生活水準が満たされた状態で、何ら感情的な行動の組織化が起こらない状態である。

3.3.6 感情は、声と表情を介して、社会に伝搬する。

3.3.7 負の感情ですら、それが作動しているとき、そのものの維持が欲求されている。

3.3.8 感情の発露は、統計的に予測可能である。

3.3.9 感情の秩序は、経験の多様性に依って組み変わる。

3.3.9.1 感情の発露に調節機構が生じていない場合、その個体はパーソナリティ障害や発達障害が疑われる。

3.3.9.2 倫理観と感情がカップリングしない個体は、反社会的な行動を頻繁に取る。


3.4 意識は、明晰な状態で、人間を構成するシステムを働かせる場である。

3.4.1 意識の判明さには度合いがある。

3.4.1.1 立ち眩みは意識が朦朧とする。

3.4.1.2 意識には、意識の存在の度合いを調整する仕組みがない。

3.4.1.3 場として意識された意識は、自己意識である。

3.4.1.4 場として意識された意識を、記憶と連携させて意味づけたものが自我である。

3.4.2 意識は行為の多様性をもたらす。

3.4.2.1 無意識的行動は、意識の行為選択能と調節機構が働かない領域を指す。

3.4.2.2 意識は行為の連鎖に媒介し、行為の接続に恣意性をもたせる。

3.4.2.3 意識が行為の連鎖に介在するには、行為の反復のさなかで、カップリングするように意識のネットワークが形成されなければならない。

3.4.2.4 意識が行為の連鎖に介在するため、行為の接続に時間的な遅延が起きる。

3.4.2.5 自由意思は、意識の媒介機能に、通念上の意味合いを持たせたものである。

3.4.3 意識の志向性は、知覚による組織化の結果である。

3.4.3.1 注意の働きは、視界とは境界を異とする。

3.4.4 注意の働きへ意識が自己言及的に介在することで、注意連鎖の恣意性が生じ、注意の分散が獲得される。

3.4.5 見えない壁の向こう側のアナロジーで、意識の延長線上を超えた先に、何か存在を感じ取るとき、絶対超越が創発する。

3.4.5.1 絶対超越の信仰に、憧憬や畏怖が組み込まれることで、実体感が増す。

3.4.5.2 見知った何かを絶対超越の位置に相当させるとき、崇拝や無力感が出現する。

3.4.5.3 自身の感情や思考や知覚を絶対超越に相当させたとき、解離症や統合失調症に近づく。

3.4.5.4 絶対超越を精神の安定を得るために活用するとき、それが小文字の他者(分身)である。

3.4.6 瞑想は、注意の自己言及性を用いて、神経システムと分泌システムの働きをニュートラル状態へと移行する行為である。

3.4.7 死は意識が消失することである。



4 社会は、人間を構成するシステムにカップリングし、その変数の量を調節する機構である。

4.1 社会は、同程度の人間性を持つ二人のコミュニケーションが最小単位となる。

4.1.1 社会は同程度の人間性が成す、不特定多数の関係性によって出現する。

4.1.1.1 情報、伝達、理解をコミュニケーションの要素だとすると、アフォーダンスがコミュニケーションの一種になるため、双方向のコミュニケーションの持続が必要となる。

4.1.1.2 眼球運動は、言語より先に創発するコミュニケーションであり、双方の注視によって、情報、伝達、理解が同時に成立する。

4.1.2 社会が出現すると、それに属しない人間を外的とみなす。

4.1.2.1 システム内のある変数の度合いが、何がシステムに内的か外的かを振り分ける際のコードの役割を担う。

4.1.2.2 その社会に内的かどうかを隔てるコードは、好感度である。

4.1.2.3 好感度を論理的なコードとしてA/非Aとすると、善と悪になる。

4.1.2.4 社会に後から参入した人間は、社会に同化するか、異物として免疫作用に排除される。

4.1.2.5 異物は稀に、免疫作用に打ち勝ち、社会を組み変えることがある。

4.1.3 社会がカップリングする人間の数には限界がある。

4.1.4 社会にカップリングする人間の許容量を超えた場合、社会は分化する。

4.1.4.1 ある案に対して、人類が満場一致することは物理的にあり得ない。

4.1.4.2 パラドックスは、論理的なプロセスと物理的なプロセスの次元の相違を取り違えることから生じるものが多い。

4.1.4.3 数学的に、3つ以上の選択肢がある投票は、評価基準により選好順位が替わると証明されている。これを不可能性定理と呼ぶ。

4.1.5 分化したのち、秩序を形成せず、組織が崩壊することがある。

4.1.6 分化ではなく、対立による分裂作用が自己を崩壊させる自食に至ることがある。

4.1.7 自食はシステムのリセットを担い、体制を刷新する。


4.2 社会は、共同幻想(通念)を人間に抱かせることで、人の行動に秩序を形成する。

4.2.1 共同幻想自体は情報として存在する虚構であり、人々の思考のネットワークに組織化した考えが、コミュニケーションを通じて擬似的な実体を成しているように捉えられる。

4.2.2 共同幻想は人の感情にカップリングし、動きを組織化する。

4.2.2.1 集団意識が感情を整列し、そのまとまりがエネルギー的に区別できるものなら、社会は粒子的である。

4.2.3 人の感情の動きは、歴史的な時間周期で反復する。

4.2.4 共同幻想は、それを抱く人間の生活様式にもカップリングしているため、現状の生活様式を維持しようとし、変化に対応した将来の予測を持ちえない。

4.2.5 共同幻想は情報なので発展せず、それに従う大衆に創発は期待しにくい。

4.2.6 共同幻想そのものは、歴史から何も学ばない。


4.3 社会システムの変数の創発は、物理量に制限されている。

4.3.1 経済や政治などが、コミュニケーションを前提に創発したにせよ、社会から派生した異なる性質を示すシステムは、社会と連動するだけで、別の仕組みで維持されている。

4.3.2 作品は、芸術の文脈で解釈されたとき芸術作品となる。

4.3.2.1 芸術の文脈は、現状、芸術的な情報、伝達、理解のコミュニケーションによって成立している。

4.3.2.2 芸術は、経済や生理システムとは別の文脈を生み出し、思考や感覚を組み変えることがある。

4.3.2.3 作品が芸術の文脈で評価されることは、その作品がどのシステムの変数になるかに関係しない。作品は情報、伝達、理解を前提しない。

4.3.2.4 芸術の文脈は、作品を解釈することで、自ずとその境界を組み変える。

4.3.2.5 芸術は、その境界を組み変えることを価値とする。

4.3.3 学問は、秩序が維持している事態に連動し、細分化していく。

4.3.3.1 細分化したシステムは、他のシステムと変数を共有しない限り、相互に関係がなく、専門化する。

4.3.3.2 専門化した学問を統合するように発生した学問は、それ自体が専門化している。



5 経済は現状、貨幣量を他のシステムの変数とする。

5.1 経済の最小単位は、支払い情報の推移(決済)である。

5.1.1 貨幣は経済活動上の情報として存在する。

5.1.2 法定通貨の価値は、流通量、国家の安定性と市場の成長性、銀行の金利、両替対応通貨の多様性、決済手段の多さなどに関係しながら変動する。

5.1.2.1 法定通貨の価値に結びつくあらゆる要因を、一括りに「信用」と呼ぶことが多い。

5.1.3 貨幣の交換機能と安定性が高いほど、多くの人間は貨幣で物事の価値を図る貨幣感覚を身につける。

5.1.4 経済活動は、税金や手数料により散逸する。

5.1.5 支払いの正当性は、価値でなく、消費者の満足感に依る。


5.2 価値は複数の要因から成り、相対的である。

5.2.1 価値はポテンシャルの高いところから低いところへ推移する。

5.2.1.1 価値を物理的な担保によって維持する場合、その多くの場合の担保は商品によってなされる。

5.2.1.2 購買履歴は商品の価値を下げる。

5.2.1.3 価値は共同幻想により、指数関数的に上昇及び下降する。

5.2.1.4 共同幻想の種類に応じて、供給量が価値を増減させる。

5.2.1.5 特定の人物の購買履歴は、商品の価値を上げる。

5.2.2 価格は、希少性と虚需要と経営戦略とネガティブ要因により変動し、支払いによって確定する。

5.2.2.1 買い占めは、市場内の商品の供給量を減らし、価格を吊り上げることを可能にする。

5.2.2.2 商品を買い占めた消費者は、資本家として、商品の価格を引き上げる役割を獲得する。

5.2.2.3 希少性には、供給量を意味する市場希少性と、物質的に生成困難な物理的希少性がある。

5.2.3 需要を上回る供給過多が起きる場合、サービス提供者は収益性を維持するため、プロモーション活動により虚構の需要(共同幻想の一種)を拵える。

5.2.4 サービス提供者は利潤を得るため、供給量と価格を変動させる。

5.2.5 サービス提供者は、価値と価格と経済活動間の不透明な非対応性を格差へと拡大し、価値を創造する。


5.3 経済成長は、格差を経済活動に活用した結果起こる。

5.3.1 資本主義における資本は、貨幣を自己言及的に増殖する。

5.3.1.1 資本主義経済は、価値の変動と資本の自己言及性を利用して成長する。

5.3.1.2 労働力は資本の維持に消費される。

5.3.2 資本主義において、経済活動が神経システム、貨幣の推移が分泌システムに相当する。

5.3.2.1 資本主義経済は、法システムを骨格とする。

5.3.2.2 貨幣分布のムラが格差を生む。

5.3.3 銀行は信用創造により、通貨流通量を増加させる。

5.3.3.1 銀行はインフレーション、デフレーションを加速的にフィードバックする。

5.3.3.2 借り手の信用は、期待される将来の収益性や労働力と、資産の担保による返済能力で保証されるが、銀行は国債の買い手と信用創造の担い手として存在を保障されることによって、信用を得ている面が大きい。

5.3.4 通貨流通量の増加は、通貨の価値を下げ、物価を上昇させることが見込まれるが、借金返済に必要な労働の価値を上げるとは限らない。

5.3.4.1 労働の貨幣交換レートは、行う経済活動の価格と経営戦略に依る。

5.3.5 資本家は一つの資本増殖の方法として、借りた額を上回る価格で資産を貸し付け、その差額を利潤として得る。

5.3.5.1 不労所得は価値創造を活用しており、通貨流通量を増やさず、労働価値を下げる。

5.3.5.2 サービス提供者と消費者には、情報の非対称性がある。

5.3.5.3 幸福があれば、不満がある。


5.4 経済の予測は、経済活動を行うエージェント変数を細かく設定するほど、精度が上がる。

5.4.1 エージェントは、支払いの性向や社会通念によって区分される。

5.4.2 経済活動を行うエージェントの大区分は、消費者、個人事業者、企業、政府、非営利組織、投資家、反社会行為者となる。

5.4.2.1 消費者の区分は、合理的消費者、浪費的消費者、アーリーアダプター、ラガード、旅行客等に分けられる。

5.4.2.2 個人事業者の区分は、自営業、インフルエンサー等に分けられる。

5.4.2.3 企業の区分は、規制産業、工業、サービス業、先端技術産業、外資系企業等に分けられる。

5.4.2.4 政府は、内閣、自治体、野党、与党、外国政府等に分けられる。

5.4.2.5 非営利組織は、国際機関、学校法人、宗教団体等に分けられる。

5.4.2.6 投資家は、長期投資家、中期投資家、デイトレーダー等に分けられる。

5.4.2.7 反社会行為者には、犯罪者、暴力団、テロリスト、国家的犯行等に分けられる。

5.4.3 エージェントは、他のエージェントとの関係性によって、性向を組み変える。

5.4.4 エージェントは、特定の業界においてのみイノベーターで、別の領域でラガードということもあり得るし、規制を掛けることもあり得る。

5.4.5 エージェントは生滅する。


5.5 長期停滞は、需要を上回る供給過多により、生産効率と投資需要低下が引き起こされ、経済成長率が上がらない状態にある。

5.5.1 通貨の価値が下がらない場合、物を所有することの価値が上がらない。

5.5.1.1 大規模投資を必要としないIT産業は、経済を停滞させる要因の一つである。

5.5.1.2 サービス業が、価値を安定して維持する産物を生み出す可能性は低い。

5.5.1.3 物価の上昇は、通貨流通量との非均衡を過度に推し進めることなく徐々に起きることが望ましいが、

5.5.2 通貨の安定性は、そのものが一つの価値である。

5.5.3 安定化した資産は運用されず、貯蓄される。

5.5.4 貨幣は文化財のように、時間経過によって価値を上げない。

5.5.4.1 時間経過によって価値を上げるものに、文化財が含まれる。

5.5.4.2 文化財は経済成長とほとんど関係せず、観光業や国家の安定性に関わる。

5.5.5 通貨のボラティリティ低下は、価値変動を通貨基準で測定する貨幣感覚を身につけさせ、貨幣保有主義的な共同幻想を組織化する。

5.5.6 世界中の通貨が交換可能になったとき、市場は先進国を中心に生活水準を頭打ちにし、やがて価値に差異がなくなる。すなわちエントロピー最大になり、経済成長は停止する。

5.5.6.1 非協力的な戦略により、ある均衡値を超える利益を得られない。この均衡値をナッシュ均衡という。

5.5.6.2 経済の熱的死が平等である。


5.6 労働価値が高まることを評価する基準も相対的であり、労働価値が絶対的に決まらないことで、労働は価値を生み出す。

5.6.1 銀行の信用創造は、中央銀行の国債発行機能と組み合わせることで、融資と貸付に流通量増加機能を持たせるが、返済に必要な総労働力も僅かながら上昇する。

5.6.1.1 循環的に価値が変動するものは、時間差によって生じた格差を均すように働くことで、コストパフォーマンスを得ており、常に非均衡を必要とする。

5.6.1.2 預金の何割かを貸付に回す信用創造により、通貨流通量は貸付分増え、通貨価値が下がることで相対的に物価が上がるのだが、給与は通貨で支払われるため、給与が上がらない限り相対的に労働価値も低下する。これが倹約のパラドックスである。

5.6.1.3 一方、国債を銀行が買った場合、それで予算を得た行政は、民間に財政支出することで、労働需要と通貨流通量と借金を増やす。

5.6.1.4 企業および個人事業者は、公共事業を請け負うか、借金をして新規事業を立ち上げることで、労働需要と通貨流通量と借金を増やす。

5.6.2 労働力の低下は、経済成長の停滞感によって、生殖需要が減ることの結果である。

5.6.3 資本主義は現状、労働力低下を引き止める内的な機構を持たない。

5.6.4 虚需要による欲望の駆動は、物理量に制限されるため、限界がある。

5.6.5 経営戦略に求められるのは、貨幣によらない価値の保存である。

5.6.5.1 サービスの定性的価値、サブスクリプションの定性的価値、ブランドの定性的価値が、経済内に情報としての多様性を生み出せば、その差異が推移を生む。

5.6.5.2 ブランドは保有者の価値を上げるのではなく、購買を促進するものであり、ブランドの創造行為が要請されている。

5.6.5.3 サービスの情報格差を、アフィリエイターやインフルエンサーが活用する。

5.6.5.4 サブスクリプションで得た期待営業利益を、信用創造のように投資に回すと、通貨流通量が増える。


5.7 経済の仕組みは可変性を残す。

5.7.1 社会主義は、価格による労働の格差がないため、労働量の格差のムラが通貨で調整されない。

5.7.2 過度なインフレーションは、資本主義の崩壊を引き起こし、社会主義の台頭を許すが、今度は権力が労働力を調整し、体制が反感を負うことで崩壊する。

5.7.3 過度なデフレーションは、失業率を高めて、治安を悪化させる。

5.7.4 経済成長の停滞は、ある程度の生活水準を満たしたならばさほど問題として感じられず、ある程度の満足は格差と権力への反発心を均し、 新たな格差と権力への攻撃を求めて国外をまなざす。

5.7.5 資本主義が崩れる手前で、社会は絶望感に包まれる。



6 法と数学などの公理系は、コミュニケーションではなく情報である。

6.1 法と数学は、変化の離散値が大きい。

6.1.1 法は物理量によって変化しうるが、その物理量相互の関係性が希薄である。

6.1.2 法と数学の無時間性は、時間を変数として関数に取り入れた場合、システムに与える影響があまりに小さいため起きる。


6.2 法と数学は自己言及的に境界を広げるゆえに、不完全である。

6.2.1 コードに従い、無矛盾の命題を定義したとしても、それが自己言及した場合に、理論に矛盾をきたす命題を産出することができる。この事態を不完全性定理と呼ぶ。


6.3 法は行政によって実行される。

6.3.1 行政は法ではなく、社会の行為である。

6.3.2 行政は国家という人工的な境界を設定する。

6.3.2.1 国家領土の合意は、内政的には定まらない。

6.3.2.2 国益は行政の維持機構による指標である。

6.3.3 行政は経済を調節する。

6.3.4 行政は法に基づきながら、法に制限されない行為の恣意性を活用して、共同幻想を幾つか創発する。

6.3.5 行政は法的に権力を持つゆえ、その権力は法治の領域に限る。

6.3.6 法は人権に言及することで、行政の執行力を持つ。

6.3.7 国際機関は、国の文化を変数として取り込むとボラティリティが大きくなるため、各国の人権と生命に根ざした、最低限の執行力を持つことになる。

6.3.7.1 国際機関の実行力は、各国の武力の集積となるが、その関数は各国の利益が変数となっているため、実際のところは実行されない力が秩序化している。


6.4 数学は物理事象の写像として用いられる。




7 ここでの記述の仕方で表すには適していない事態が多々ある。

7.1 自然の事象を記述しきるには、現状の道具立てが足りていない。

7.1.1 記述が網なら、より小さい事態や動きはすり抜ける。


7.2 事態が秩序の発展に組み込まれるかどうかは、組み込まれた後にしか決まらない。


7.3 秩序の発展に組み込まれない事態も、事態には違いない。

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