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カッテージチーズVSリコッタチーズ、赤ちゃんに与えるべきなのはどっち?!(0歳児ごはん)

補完食で大切にしていることのひとつ。
それは、「少ない量でいかに栄養をとるか」です。

WHOのガイドラインによると、
赤ちゃんの胃の容量は約200mlのため、
お粥やスープなど、水分の多いメニューでは栄養を摂るのに効率が悪いと言われています。

ということは、牛乳の栄養素が濃縮されたチーズはきっと赤ちゃんにも良いはず!
と思い、作ってみました。
家庭でも簡単に本物に近いものが作れる、カッテージチーズとリコッタチーズ。

(以下、チーズの製法と栄養素について長ーい話になるので、レシピを見たい方はすっ飛ばしてください。)

今回作ったのは、カッテージチーズとリコッタチーズ。
この2つは混同されがちですが、全く違うものです。
正しくは以下の通り。(初めて知った)

◆カッテージチーズ:
脱脂乳(生乳から乳脂肪分を取り除いたもの)と乳酸菌を発酵させることでカゼイン(たんぱく質)を固めて作るチーズ。

◆リコッタチーズ:
乳清を煮詰めることでホエイ(たんぱく質)を固めて作るチーズ。

どちらもたんぱく質を固めて作るものですが、原材料と製法が異なるのですね。

よくよく考えると、

カッテージチーズを作ると液体になって余るのが乳清で、
その余った乳清を煮詰めるとリコッタチーズになる!

んですね。理論的には。

もともとはリコッタチーズのリコッタとは、「再び(ri)煮た(cotta)」という意味で、チーズを作るときにできた副産物(乳清)を再利用して作ったものだし。

だがしかし!
なんと、本場のリコッタチーズでも乳清だけではなく、生乳も加えるそうです。(これも初めて知ってショックを受けた)

実際に生乳を加えている動画はこちら

というわけで、私も堂々と入れましたよ、牛乳!笑

さて、もうひとつ、栄養素の話を。

今回は、牛乳→カッテージチーズ→余った乳清(+牛乳)でリコッタチーズ、の段取りで作りましたが、この3つの栄養素の変遷を見てみます。

まず、たんぱく質の視点から見るとこうなります。

◆牛乳には約3%のたんぱく質(主にカゼインとホエイ)が含まれている。

◆カッテージチーズはカゼインが凝固したもの。たんぱく質含有率は約13%。ホエイは液体になって排出される。

◆リコッタチーズはホエイが凝固したもの。たんぱく質含有率は約8%。

参考:世界チーズ商会株式会社「チーズと健康

同じたんぱく質でも、カッテージチーズとリコッタチーズでは種類が違うことが分かりました!

カゼインとホエイの主な違いは、消化吸収スピード。
カゼインはゆっくりで、ホエイは速いそうです。

そしてなんと、
牛乳に含まれるたんぱく質はカゼインが主体、母乳に含まれるたんぱく質はホエイが主体だそうです。

ということは、たんぱく質の含有率はカッテージチーズの方が高いものの、リコッタチーズのほうが赤ちゃんの胃に負担をかけずにたんぱく質が摂れるんですね。

というか、離乳食に自家製カッテージチーズを作る人はよくいるみたいですが、残念なことにホエイをきれいさっぱり取り除いてしまったものを与えることになってしまいます。。もったいない!
それならまだプレーンヨーグルトをそのまま与えたほうが良さそうです。

さて、他の主要な栄養素を比較してみます。

カッテージチーズ
(100gあたり)
エネルギー 105kcal
脂肪 4.5g
炭水化物 1.9g
たんぱく質 13.3g
カルシウム 55mg
リコッタチーズ
(100gあたり)
エネルギー 146kcal
脂肪 11.0g
炭水化物 3.8g
たんぱく質 8.0g
カルシウム 420mg

出典:世界チーズ商会株式会社「チーズと健康

リコッタチーズの乳清には乳糖を含むので、炭水化物はカッテージチーズより多く含んでいます。

また、赤ちゃんに積極的に摂らせたいカルシウム。これはリコッタチーズがカッテージチーズの約7.6倍!

まとめると、
赤ちゃんにはリコッタチーズのほうが胃に優しくカルシウムも多く摂れる!
ということになります。

ただし、このデータのリコッタチーズは乳清と生乳の比率が分からないため、私のレシピでも同じことが言えるとは限りません。(重要)

さて!
とっても長くなってしまいましたが、、
無事2つのチーズの正体と違いが分かったところで、家庭で作る用にアレンジしたレシピです。

よく知られているレシピなので、とくに物珍しくはないです。

◆カッテージチーズ

材料
(80g分くらい)
牛乳 500ml
レモン汁 大さじ2

作り方
1. 鍋に牛乳を注ぎ、火にかけ、70度まで温める。
(74度を越えると焦げ臭がしてしまうそう。)

2. 1にレモン汁を入れて混ぜ、火を止めて10分放置。

レモン汁を入れたらすぐに分離がはじまります。
液体部分が透明になるまで待ちましょう。

3. ボウルの上に布を覆ったザルを置き、2を注ぐ。

好みの固さまで水分を切って、できあがり!

◆リコッタチーズ

材料
(60gくらい)
乳清 320ml(カッテージチーズを作ったときにできた分だけ)
牛乳 320ml(乳清と同量)

作り方
1. 鍋に乳清を注ぎ、沸騰直前(90度くらい)まで温めたら、牛乳を少しずつ加える。

2. 焦げないようにかき混ぜながら、弱火で煮詰める。(30分くらい)
90度以上ないとトロトロしませんでした。

3. トロトロしてきたら火を止め、ボウルの上に布を覆ったザルを置き、2を注ぐ。

好みの固さまで水分を切って、できあがり!

※注意事項
10ヶ月の娘(今のところアレルギーなし)に与えています。
初めて与える食材は、日中に少量からはじめてくださいね。

ちなみに、リコッタチーズで残った液体+同量の牛乳を再び煮詰めて「(仮)リリコッタチーズ」を作ろうと試しましたが、ホエイが少ないせいか、凝固しませんでした。笑

ただ、牛乳のカゼインは残っていると思うので、栄養ゼロではないですね。

大人はカッテージ、赤ちゃんにはリコッタ、最後に余った液体は大人が飲む!が良さそうですね。
いや、カッテージも液体も、赤ちゃんに与えていけないものではありませんが。

そう言えば読んでお分かりだと思いますが、水分量に対してとれるチーズの量は、リコッタチーズのほうがかなり少ないです。

リコッタチーズ、貴重です。

この日の昼食は、リコッタチーズのパンケーキ!
正確には、生地にはリコッタチーズで余った液体を入れ、リコッタチーズをトッピングしました。

りんご入りリコッタチーズのパンケーキ
具だくさん野菜スープ

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