見出し画像

記録 2024/3/10 Premium Symphonic Night

昨年2023年10月9日の獅子に翼Ⅴで発表されて以来、楽しみにしていた今日の公演。
私はテレビ視聴組なのであるが、いろいろあって、リアタイはできず。そして、やっと見れる状態になってテレビを付けたのが19時30分。余裕でまだやっているだろうと思ったら、なんと、雪の中を汽車が走っている。つまり、ライブは終了している。そして、黒柳のnoteも更新されている。なんてこと。

ということで、全部終わった時刻からの追っかけ視聴となりました。


本編

ほとんど定刻に、オーケストラの人が入場してくる。
オーボエからのチューニング、そして、ストリングス隊は、コンマスの方からのチューニング。もう、これだけで気分が上がってくる。

オープニングの"愛の讃歌"は、意外にも音源。生かと期待したけど、歌がなくなるからだな。
そして、ドラムとピアノとオケの間にはアクリル板。これって、オケの側が音の影響を受けすぎるからなのかな。そして、グランドピアノなので、下手にピアノで、上手にドラムセットという配置。

マエストロが登壇。ヒマワリを一輪胸に差し、手にはヒマワリを一本持って現れる。そして、オケのご挨拶。コンマス、そしてチェロと握手。


00. overture

なに、この重低音。ティンパニ。チャイム。オーボエとファゴット。そしてホルンもか。
こないだのと違うアレンジの"夢"だ。すごい。既に鳥肌。だいぶ和音の感じが違う。
続いてチェロ。あ、曲が変わった気がする。あれ、これって、"ビューティフル"…? すご。完全に泣けるやつやん。
また曲が変わったけど分かんない。オーボエがメロディーで、チェロのピチカート。この跳ねたのなんだ。…あ。"Believe"だ。
この曲だけで、既に音源にしてほしいくらい。

袖に、ジルくんと都さんが見えた。みんな、衣装を黒で揃えてる。そして、4人が揃ってお辞儀。


微かなバイオリンが聴こえる。グロッケンが聴こえ、チャイムとブラスが重なる。うーん。コードじゃ何の曲だか分からない。
松岡、客席の後ろから、ヒマワリを掲げて出てくる。客席はびっくり。

01.青空の破片

そうか。"青空の破片"からか。こんなの、オケが似合うに決まってるじゃん。黒柳の言うとおりだ。
松岡は、真っ白なカットソーと真っ白なジャケット。
あれ、黒柳が上手にいる。ベースはサンダーバード。黒い服は着てるけど、とてもジャケットには見えない。ジルくんは革ジャン。
あ、私の好きな"Hymne à l'amour"の方のベースアレンジだ。
松岡、今日は声量があるように思える。

最初は客席と同じフロアで歌っていたので、ステージに上がる松岡。上手側からなので、黒柳の肩に手をかけている。もう、既に感動的だ。


聞こえてくるのは、都さんのピアノ。聴いたことがないメロディーだけど、聴き入ってしまう。
あ、このコード進行、エタフレかも…。

02.Eternal Flame

あ、やっぱりそうだ。いつものイントロ。そして、都さんが使ってるピアノは、スタンウェイ。
イントロのギターソロをオーボエが木管がなぞってるように聴こえる。そのジルくんは、赤いギター。こないだ獅子翼Ⅱを見てて気づいたけど、この赤いギターも、ジルくんがずっと使ってるやつなのかな。
黒柳がアップになって、また髪が赤いのが見える。

間奏もいいね。ピアノソロを、クラリネットかな、がなぞってる。
あ、ギターソロ、私の好きなインディーズバージョンのギターソロだ。
そして、黒柳は後ろ見ながら弾いてる。オケとか指揮を見ているのだろうか。松岡進化で、リハーサルでコントラバスが後ろにいたって言ってた時点で、黒柳が上手だって気付かないといかんかった。失態。

03.ヒマワリ

拍手が鳴りやまない中、いつものドラムカウント。…からのジルくん。
松岡は、珍しくジルくんの肩を抱いて歌う。そして、さらに下手の袖へ。代わりにジルくんはセンターに向かう。
Bメロ、やさしい木管の音がヒマワリたちと5人を包み込む。
その後、お決まりの黒柳との仲良しショット。黒柳の肩に手をかけ、黒柳も笑顔を返す。やっと全身が映った黒柳、髪が赤い以外、上から下まで全身真っ黒だね。やっぱりそっちの方が似合うかも。
サビになっても、客席は全員着席。縦横無尽に駆け回るオーボエが、サビの隙間を埋めていく。
キーボードソロ、オーボエがそのメロディーを担い、その分、都さんのピアノはそれにハモる形で、跳ねた音を奏でる。その間に、ジルくんは定位置の上手側へ行き、黒柳と並んでプレイ。
後ろを振り返り気味に演奏する黒柳は、もしかしたら、マエストロでもオケでもなく、トモくんを見ているのかもしれない。
アウトロのオケだけになるところ、ストリングスがよく聴こえて良い。

原曲に忠実で、でも華やかさが加わった"ヒマワリ"でした。

【MC オケ紹介】

オーケストラの紹介。マエストロの紹介。
「この後バンドゾーンに入るので、しばしご休憩を」と松岡が促し、オケが退席。
その間、松岡は、「みんなドレス着てきてるね。ありったけの宝石をちりばめてね」と、適当な戯言を言って笑いを誘う。
そしてやおら、「それでね、向井くん」。え、誰?と思う間もなく、「覚えてる? 遥かなる宝島で弾いていた向井くん。室屋カルテットの一員で、Symphonicの団員」との紹介。「マイクないからしゃべらなくていいから」なんて、引き留めた張本人の松岡が言うな。
…と思ったら都さん、「貫禄よくなった?」。「ちょっと太りました」と律儀に答えている。そして、さすがに捌けようかと思うと、「ねぇねぇ、向井くん。カレー好き?」(笑)。そして、おすすめの店を列挙。松岡に「今せないかん、その話?」 と言われ、遮られ、ようやく向井くんは引き上げる。あと2人が続いたらどうしようかと思ったけど、さすがにそれはなくて一安心。

「宝島に来た人?」と松岡。それだけじゃなく、スターライト・ヨコハマにも、向井くんは出ていたみたい。「何年ぶり?」と都さんに振るも、「こういうことは黒ちゃんに聞いてみよう」。その割に、「わたくし、記憶喪失で。9年あったので」と言い訳の黒柳。「振られると思ってなかったやろ」との松岡に、「油断してた」と黒柳らしからぬ返し。そして、「今日の衣装、何やねん。名古屋ビジュアル系時代の衣装かと思ったわ」。黒柳も、思わず吹き出して、「懐かしい感じもするよね。そんな匂いが漂う感じもする、今日この頃でございます。みなさん、いかがお過ごしでしょうか」だって。そんな黒柳のベースは、いつの間にかワーロックになっている。初お披露目だね。
黒柳が「今日さ、こっち側立ってるじゃん」とつぶやく。すると、都さんが「俺もや」。都さんがグランドピアノを弾く関係で、結局全員が逆のポジションを取っているこのステージ。違和感あるけど、たまにはそれもありか。

と思ったら、突然松岡が「ひゃあっ!!」と大きな声。ステージ上にミツバチが迷い込んでいたよう。獅子翼の時のセミのように(私はこれが何かよく分からない)、「デジャブや」とはトモくん。「俺が前世ミツバチやったから」とか言いながら、蜂が客席に飛んでいくのを見送る松岡。トモくんは、自分の方に飛んでくる蜂に、意外に大声でビビっていた。

というわけで、次の曲は急遽タイトル変更。そして、「立ってもええよ」。

04.蜘蛛と蝙蝠みつばち

あ、やっぱり。でも、私は「蜂と蝙蝠」かと思ったんだけどね。
初めて聴くワーロック、音が柔らかく聴こえるような。それは、エフェクターのせいなのかアンプのせいなのか、はたまた私の視聴環境のせいなのか分かんないけど。音が粒立ってるように思える。
何だか不思議なキーボードソロ。というか、音源ではここって明確なソロはないよね。
トモくんが仕込んでいた30周年のドラムヘッド、見えたけど、見えてない。というか、冷静に考えると今回もツーバスだね。もう板についたかな。

05.KURU KURU

「跳んで!運動不足解消!!」と煽る松岡。ビジョンは「blue on blue」の映像だ。
いつものことだけれど、都さん、自在に遊んでるね。そして、KORGじゃない機材があるように見える。なるほど。バンドゾーンはキーボード使うのか。
2回目のAメロで下手に移動する黒。うん。ワーロック、好きな音かも。

「行けるか? 行けんのか、SOPHIAns? 暴れろ!!」と叫ぶ松岡。そして…、

06.brother & sister

細かく刻むトモくんの上に、黒柳の太いイントロが重なる。そして、その黒柳がカメラに捉えられた時、その後ろには松岡がぴったりくっついていて、会場からも歓声が上がる。そんな黒柳、今回は右側の髪だけをピンで上げている。
う~ん。サビ、コーラスの同期の音が大きすぎる…。会場は大丈夫だったんならいいけど、ちょっと気になるな。
黒栁が、最近になく腰を落として弾いてる。ここまでしてるのは久しぶりに見たけど、やっぱりかっこいいね。そしてラスト、めっちゃキメてる。

【MC 30周年】

松岡。「俺達は、結成してたった1年でデビューできて、今年で結成30周年。みんなよくついてきてくれた。ありがとう。95年にデビューしたころは、何も分かってないくせに、偉そうな態度とってごめんなさい」。
その時、タイミングよく屈みこんだ黒柳を見て、「謝ったんかと思ったやん。いちばん謝れ」と松岡(笑)。黒柳は、そのままアンプの後ろへ行ってしまう。
「30年やって来れたのは、迎合せずに、ムカつくモノにはムカつくと言い、時には爪はじきにされたりも経験したけど、SOPHIAとして、ステージに立つことだけは絶対負けてはならないと信念を持ってやってきたから。そうすると、(コイツら)ウザいなと思う人もたくさんいる中で、この人たちじゃなきゃあかんと思ってくれる人がいてくれて、一歩一歩、何とか綱を渡るようにして進んできた。で、俺たちの勝手で休止したけれど、無事に復活できて、これからは支えてくれる人のために生きていければいいと思えた。メンバーに確認したわけじゃないけど。そういうSOPHIAでありたいなと」。拍手が自然に沸く。同じことを何度も違う言葉で語ってくれて、獅子翼Ⅴで言ってた時よりは、松岡の思いが理解できるような気がしてきた。
「過去を懐かしんで振り返るのではなく、あのころの気持ちをもう一回思い出そうということを、30周年の始まりに思っている。
今回、フルオーケストラとのコラボは初めて。自分たちで作った曲でさえも、心がきゅってなる。音楽だけで、琴線に触れる。涙が出る。音楽の力をまざまざと感じてる、それを届けたかった。音楽の力でネガティブをポジティブに変えれるんや。そういうことを感じて帰ってもらいたい」。
そうだね。今回、オーケストラとのコラボって聞いて、もちろん嬉しくもあったけど、ちょっと不遜なんじゃないかとも思った。ただ、こういうことをやらせてもらえるようになって、きちんとそれに応えられて、私たちもそれを聴いて、心を震わせている。音楽の力。それは、あなたたちが教えてくれたことだ。

「次は、SOPHIAの始まりの曲を。大事にしてきた曲だけれど、いつの間にか当たり前になっていた。でも、もう一度見直してみた。この曲があったから、信じ続けたから、SOPHIAは走り続けてこれたんやと」。
どうなんだろうね。その、当たり前を疑ったのが、かの壮絶な「ALIVE」ツアーだったんだろうと思うのだけれど。あれが、デビュー4年目の話。うわ。そうやって文字にすると、余計にあの時のチャレンジの凄さを感じる。

「一緒に歌ってください」という、松岡の紹介から。

07.Believe

黒柳、またネイルしてるな。かまってにゃん、アンプのところにもいるよ。だっこにゃんかもしれんけど。
ギターソロ、いつも通り真剣な眼差しで弾くジルくん。これって、ジルくん作曲だよね。今、彼の胸に去来するものは何だろうか。
「擦り切れた夢をずっと抱き締めてた」で、ネックレスを握りしめる松岡。復活武道館の時の六芒星のやつだろうか。インスタ見る限り、そんな感じだね。
ラスト、都さんの音が違う。かっこいいね。



ステージは暗転。メンバーを呼ぶ声が、暗闇の中で響く。
その暗闇の中、オーケストラメンバーが戻ってきていたよう。

ごちゃごちゃと不穏なオケの音。チューニングではなさそうだ。敢えて、ごちゃごちゃとしてる感じ。…なんだこれ。

08.Replay

聞き覚えのある金属音。そうか。あの音はトライアングルだったか。そして、ピチカート。低音ストリングスもピチカートだな。
歌詞が、左側と右側のスクリーンに交互に映し出される。
そして、1段目が終わったところで、突然のティンパニ。
あ。この曲は、逆にバンドがいないんだ…。

うん。この曲は、目を閉じて聴きたい。…と思ったら、あれ、、不協和音だ…。どうしてわざと。
4段目、本来ならベースが弾いてるようなところを、チェロで弾いてるように聞こえる。
あぁ。この曲、バンドはいないけど、都さんはいた。

松岡は、一瞬静かになるあそこで、屈みこんで歌う。
あぁ、まだ不協和音が続くんだ。マエストロは、都さんは、これで何を表現したかったんだろう。じっくり、考えたい。
松岡が「Replay…」を繰り返すアウトロは、ずっとオーボエが鳴ってる。オーボエの人、キーパーソンだね。
終盤、ここはハーモニーが重なった。と思ったら、また最初の混沌に戻った。う~ん。そして、本当の最後は、ちゃんとした和音で一つに。

ずっと、鳥肌は立ちっぱなし。
この歌詞に込められた思い、重ねてきた年月、そんなものがこのアレンジで表現されたんだろうけど。オケが強すぎて、松岡の言葉が全然入ってこない。強く、強く歌っているにもかかわらず。

09.Place~

ピチカートとグロッケンの、かわいいイントロ。原曲のストリングスとは、同じ楽器でも表現が違う。
AメロBメロは、ピアノと、チェロの向井くん。
そして、小さな花を植える松岡。
サビはバイオリン。そしてチェロが重なる。ほぼ、この4人の音だけが響く。その後のギターソロも、オーボエが担う。
サビの直前でティンパニのロールがあるけど、サビの頭でドーンと盛り上げるでもなく、やわらかくやさしく打ち込んでいる。
サビの辺り、心を振り絞って歌う松岡。これ、めちゃくちゃいい。当時より、声が太くなって幅が出てる。
繰り返すサビの中、ホルンが入って、雄大になる。
最初よりは低音が聴こえるアウトロ。そして、ブラスだ。

この曲も、メンバーは都さんと松岡だけ。確かに、ドラムやベースがあったら、このアレンジにはうるさかったかもしれない。
もっと壮大にアレンジしてくるのかと思ってたけど、サビでも盛り上げすぎることなく、そっとそっと、語りかけるように歌われた。これが、今のSOPHIAが表現する"Place~"なのか。

10.one summer day

バンドが戻ってきた。黒はモッキンバードに持ち替えている。私の予想は当たったね。
この曲のイントロって、もともとストリングス入ってるよね。
Aメロ、黒柳は綺麗なルート弾き。そして2番のAメロも、ちゃんとオクターブフレーズ弾いてて嬉しい。
それにしても、サビがヤバい…。"Place~"よりもグッと来るかもしれん。

ところで。この時点で、HIT STREETで最終週に紹介した曲は全部やってる。そうすると、"in the future"やるってこと…?

【MC メンバー紹介】

on Keyboard というか、on Piano! 都啓一。
「どう?」と松岡に訊かれて、「年末に1万人の第九やるときに使うピアノ。使わせてもらえるのは珍しいらしい」と都さん。「本物?」と聞く松岡の意図は、宝島の時のが張りぼてだったから。それ、見てて分かりましたよ。いつもよりかしこまってるように見えるのは、「背筋が伸びるし、ちょっと感動してるのもある」との都さん。そうか。都さんでもそういう感覚になるんだね。
今回、曲のアレンジは、マエストロが曲を繊維まで分解して、もう一度組み立て直したもの。都さん曰く、「デモが来た時、例えばオーバーチュア、SOPHIAの曲が散りばめられてるけれど、あれを聴いてぐっときて、リハでも鳥肌だった」。松岡も、オーバーチュアは涙なしに聴けないそう。
都さんは、「こうやってやらせてもらえるのは光栄だし、もっとやりたい。SOPHIAでまさかこういうことが出来るなんて。これから、もっと成長して行けると思うし、今日は大事なポイントになる気がしてる。それをたくさんの人と共有できるのがありがたい」。都さんの言葉って、いつもきちんと心に届く。音楽、大好きなんだなって。

次。トモくん。いつもと違うところは、「松ちゃんとアイコンタクトして曲が始まったり終わったりするけど…」とトモくんが話し出すも、松岡は「俺は見てへんけどな。顔、濃いねんもん」。んなバカな。
吹奏楽出身のトモくん、指揮者に合わせるのは慣れてると思ってたけど、久しぶりにやると意外に難しいとか。それが新鮮だ、というのが、トモくんの感想でした。

次。松岡が、「う~ん、残すの不安だから、ジル。」と指名した(笑)、on guitar!ジル
「ハートがしびれっぱなし」と言うジルくんに、「出たぁ~。4つくらいの単語のうちの1つ」と呆れ顔の松岡。
「友達が増えた、必殺技が増えたって感じ。このメンバーでやると、必殺技のオンパレード」と繰り返すジルくんに、松岡ですら、「キラーワードやな」と返すのがやっと。
そして。「全然関係ないねんけど」と切り出すジルくん、何事かと思ったら、「牛丼屋で、『並みょり盛りを、大盛りで』って頼んでる人がいたらしくて。並盛を大盛りってどういうことやろう?っていう、そのテンションでやってます」と、今日もジル語炸裂です。
「30年やってると諦めがつくねん」と言う松岡に、「迷惑ばっかりかけてごめんね。みんな、応援よろしく」と締める、お茶目なジルくんでした。

ラスト。on Bass!黒
開口一番、「ジルの後にしゃべるのほんとイヤなんだけど」。実感がこもりすぎている。
「すいません。俺、必殺技とか一つも持っていないんで。普通のおじさんなんで」と言う黒柳に、「普通のおじさんやないやろ。どっからどう見ても」と的確にツッコミを入れる松岡。しかし、黒柳は「比較対象が豊田くんだから」と言い訳。
それでも、「あなた、普通のおじさんじゃありません。それだけははっきり言っておきます。普通のおじさんは、そんなスカートみたいなの履かないですよ、50超えて」。いいねぇ、松岡さん。

しかし、ジルくんのせいでどうにも空気が悪い(笑)。そこに「どうですか。」とオケを指し示す救世主松岡。黒柳も「それを待ってました」と応じる。「ベースパートの方々がいらっしゃる演奏とアレンジのレベルの高さにしびれっぱなしです。同じ低音楽器なんですが、音の作り方、構築の仕方が全然違って、勉強になりました」と黒柳、これは、きっと本当にそうなんだろうね。
そして、コントラバスと言えば、"HARD WORKER"で弾いてる真似(笑)をしていた印象が強い。「弦なかったやろ?」という松岡に、「あったよ。ウッドベーススラップ一応やってたから」と黒柳。「あれ、北海道の番組に出るのに空輸したら折れてて、急遽接着剤と釘でくっつけた」と、衝撃の発言もありつつ。でも、リサイクルショップで2000円で買ったって、そんなんある?

松岡
「結成30周年、デビュー30周年が始まっていく。今は、滑走路に一歩踏み込んだ感じ。最初が大事じゃないですか。だから、これほどの大きなチャレンジをさせてもらっている。今夜は、SOPHIA史に、人生に、深く刻み込まれる夜になる。
 この先、まだ詳しいことは言えないけれど、来月頭に大発表します。リリースがあったりとか、ハアーがあったりとか。今確実に言えるのは、フハーやります。そして、新しいハフハフをヒヒーフします」。
っていうか、もう言ってるやん。しかも、「バンバン、ドゥーン、ドンドン、ってやります」って、ジル化してるし。しかも、既にトイズに方々に謝ってるし(笑)。でも、期待は大きい。


「復活後リリースした曲が1曲ありますが、それを目印にして、2024年が、ここから進んでいく」と松岡。
「俺達の新たな旅路のフラッグとなるこの曲を、みなさんと一緒に歌いたいと思います」。

11.―あなたが毎日直面している世界の憂鬱―

あ、チャイムだ。それもいいね。
それにしても、意外に弦が似合う。ストリングスが疾走感を出してる。
そして、コードが少し違う気がする。この曲、何だか聴き入っちゃった。

12.in the future

イントロ、音源はピアノだったと思うけど、オーボエ。この、オーボエの夜明け感って何だろうね。
それにしても、この曲をライブバージョンで聴くのは初めてだ。
ピアノがとてもきれい。あぁ、これは、バンドとは全然表現が違うね。想像より10倍いい。絶対、好きな曲になる。ジルくんが大好きって連発するのも分かる。
これ、全然聴きこんでなくて、歌詞が頭に入ってないんだけど。ちゃんと見直して、歌えるようになりたい。いつもの松岡らしい歌詞みたいだから。

13.街

そのまま突っ込む"街"。客席が一斉に立ち上がる瞬間が見える。
イントロ、「光が差すまで…」の裏を支える、そしてキーボードソロに相当するところのストリングスがすごい。
2回目のAメロは、客席にマイクを預けてるから、逆にオケがよく聴こえていい。松岡は下に降りちゃってるし。
そして、しばし持ち場を離れていた黒柳もコーラスに戻る。今日のアイメイクもいい感じだ。今日も、トモくんもコーラス。もう、コーラスするのはデフォルトかな。
ピアノソロ、ギターソロの裏で鳴っているストリングス、素晴らしい。これ以上盛り上がるなんてできるのかって感じだけど、できるみたい。
最後のサビの繰り返し、ボルテージ、最高潮。「SOPHIAと言えば…」のこの曲をやってくれるの、本当に最高じゃない。他のアレンジを入れる余地のないような曲にも思えるけど、要所要所でアクセントを加えてくれる素敵なアレンジ。

【MC】

松岡。
「5人でやってきたSOPHIAを見てきて、このコラボレーションに、違和感というか、不安を持っていた人もいるかもしれない。子どもの頃、聴いた音楽に心震わせて、それは歌詞とかジャンルじゃなくて、楽器を鳴らしてる人達のパワーに心震わされて、よしじゃあ俺達も、何か伝えられるんじゃないか、そう思ったガキだった。そんな音楽の感動を、この方たちがもう一度教えてくれたような気がする。去年、SDDで1曲だけ一緒にやって、音楽の原点のみたいなものに、すごく心震わされた。そして、マエストロが「来年一緒にやってくれる」と申し出てくれた。この先ももちろんやっていきたいけれど、この、一夜限りの贅沢なライブ、簡単にできるようなことじゃないから」。
そうか。もし、本当にそうやってマエストロがオファーしてくれたんだとするんであれば、それはものすごく光栄なことだ。クラシックをやる人たちに、SOPHIAが評価してもらえたとするのであれば、私は本当に嬉しい。だから、この公演は、宝物だ。


「ここに行きつくきっかけになった曲」という紹介で、この曲。

14.夢

やっぱり、音圧がすごい。西山さんが、1曲、これを選んだ理由が分かる気がする。4拍子で刻むこの曲は、アタックが強くて、存分にオーケストラの迫力が伝わる。
う~ん。裏メロを取るオーボエが、去年とは違う気がする。
あれ。いつの間にか、黒柳がホルンの後ろに回り込んでいる。ライトが追いかけるので、一人でスポットを浴びているようにも見えて素敵だ。でも、出番に間に合うのか少し心配になる。…と思ったら、下手側から降りてきた黒柳。
そして、今回は、久しぶりに普通に歌う。何か今までになくかっこいい「下向くね」だった。何だろうな。いうなれば、歌が上手くなったって感じか。555のコーラスの時に練習したのかしら。

【MC 最後のわがまま】

最後に、バンドと、オーケストラと、マエストロの紹介。拍手。

松岡。「30年の歴史を清められた気がする。音楽家として対極にあるような存在だけど、せっかく遠く離れた点と点がつながったから、本当はこれで終わりだけれど、わがままを言って、もう1曲だけ、フルアレンジをしていただきました。この曲に影響を受けて、ボーカリストになろうと心に誓った曲です。ベートーベンなんですが」。
え。本気で言ってる、それ(笑)? と思う間もなく、場内から失笑。
松岡は、なぜか小声で「先に笑うなよ」と制しつつ、「いや、本当かも分からへんやん。それでは、ベートーベンの、交響曲第9番」。
ん? それって、"黒いブーツ"じゃなくて…?

曲が始まる。本当に第九だ。
コントラバスとチェロだけで、あの主題が演奏される。
続いて、ビオラとファゴットが重なる。「歓喜の歌」と言われるだけあって、楽しげなメロディーを奏でるファゴット。
そして、最後にバイオリン。
…と思ったら、ちゃんと"黒いブーツ"につなげるんじゃん。さすが、都さん。

15.黒いブーツ~oh my friend~

しかも、歌に入ったらバンドだけ。でも、都さんのピアノはいつも通りジャジー。歌の裏で、オーボエが歌ってくれてて嬉しい。この曲、シンプルだからこそ、アレンジの幅が広がる曲なのかもしれない。
サビ。え、松岡、このアレンジで踊る? ちょっとびっくり。

そして、件の間奏。本当に第九のメロディーで行くんだ…。
この曲をリリースした時、都さん、この主題を取り入れたことについて何て言ってたっけ…。25年を経て、こんなことになるなんて思ってもいなかっただろうけど。
第九の主題の下で、どんなベースを弾いているか、ちょっと聴き取り切れない。

それでも、Bメロでちゃんと元に戻ってきた。黒柳は、ベースもサンダーバードに戻ってる。そして、いつになく清々しい顔をしている。

あぁ。最後、アウトロも第九で終わるんだ。と思ったら、うわ、転調した。
もう、すごい。最後にいいもの見せてもらった。わがまま言ってくれて、ありがとう。


【MC 最後の挨拶】

西山さんの紹介。
ヒマワリを持って、下に降りてきて下さる。
この人のおかげで、輝く星を見つけることが出来ました。
そして、松岡と握手し、ハグ。ヒマワリを渡して、グータッチ。そして、ジルくんともハグをすると、なぜか客席から笑い(笑)。分かるけど。


オケが捌けて、5人の挨拶。

黒柳。いつものように手を振る。
「すごい楽しかったから、今日はそれだけで十分でございます。トモと服かぶってんだよね。何真似しとんねん。ありがとうございました」。
正直で、素直な黒柳の感想が効けて、こちらも嬉しい。

トモくんからマイクを奪って、ジルくん。マイクを手にするや否や、「ライブ終わって何思うのかなって思ったら、生ビール飲みたい!」。なんだそれ。ジルくんらしい。「特別な瞬間と気持ちをみんなと共有できて、俺、心から光栄です。バンド、できて、最高!!」。いいね、かっこいい、ジルくん。

トモくん。「今年50になるんですよ」と切り出すと、松岡がのけぞる。「SOPHIAって、俺にいろんな経験させてくれるなって思う」と言えば、手を出して金をせびる松岡。その手の上にトモくんが拳を載せると、松岡は振り払う(笑)。
「30年前に、家まで来て、誘ってくれて、でも松ちゃんの一存では入れられないからオーディションやろうってなって、スタジオで居残りでジルとセッションしてOKなら入れるって。そのジルくんのOKが出たから、俺はSOPHIAのメンバーになれたんですよ。でも、MCで複雑な気持ちになったんですよ。この人に決められたんかい、俺の人生、って」。 …(笑)。トモくん、あなたがSOPHIAで、本当によかった。ジルくん、ありがとう(笑)。

都さん。「夢のよう。僕は、ちっちゃい頃、ピアノを親から習わされて、すごい嫌いやった。その頃サッカーもやってたし、女の子がやるようなことだったから。まさかそんな自分が、こんな素晴らしいバンドで、オーケストラで、こんな広い会場でやらせてもらえてありがたいと思ってます」。
あぁ、都さん、声が詰まってるね。そうか。それだけの思い入れが、都さんはこの公演にあるんだ。曰く、ご両親が見に来ているということ。そうか。それは、万感の思いだね。

松岡。「いいアニバーサリーのスタートができた。ここから、2025年まで、よろしくお願いします!」。

そして、5人で手をつないでごあいさつ。

あれ、松岡、蜂探してるの? まだいたんだ。
ジルくん、革ジャンを脱いでボーダーのTシャツ姿。その革ジャン、裏地は赤なんだ。かっこいい。
都トモは5分の2でのあいさつ。そして、ジルくんとトモくんはハグ。あら。そうこうしてる間に、もう黒柳はいないじゃん。もう。最後、4人。しかいない。意外に、そういう時はジルくんじゃないのよね。



後記

このライブ、やっぱり特別だった。
オーケストラとしては小さめの編成で、管楽器はオーボエとファゴット、そしてホルン4本というミニマムな形だったけれど、フルートやトランペットなしであれだけの表現ができるって、逆に素晴らしさを感じた。

正直、始まる前の私的不安は、松岡がオケに負けずに歌えるのかということ。でも、今回の松岡はこれまでと違った。いつもより、声が太くて、広がりがあった。それは、もしかしたらこの曲数だからできることなのかもしれない。

セットリストは、何より、"Place~"をやってくれたのが最高。ずっと、待ち望んでたから。思ってたのとは違う感じだったけれど、この曲の新しい一面が見られた。

そして、私的山場は、何と言っても"Replay"。あの不協和音は何を意味するのか。何度も何度も聴いて、私なりの考察を、改めて書きたいと思う。

もう一つ。第九からの"黒いブーツ"。都さんの底力を、まざまざと見せつけられた感じ。
最後のMCの都さんの涙。あれが、彼の人生を賭けた音楽活動の全てを物語っていたと思う。




私の冗長なだけのレポよりも、こちらをご覧いただいた方がよいと思われます。


サポートくださった方には、スキのお礼画像の種明かしをします。 そうでなくても、スキをたくさんしてくださると、きっとどんな秘密が隠されているか分かります。