レビュー 1995/10/2 BOYS
言わずと知れた、彼らのメジャーデビューアルバム。1か月後にリリースされる「GIRLS」と対をなしている。はず。
ある人が、「『BOYS』と『GIRLS』で初期SOPHIAのベスト盤だ」と評していて、最初は、"Eternal Flame"も"Believe "も入ってないのにそれはないだろうとも思ったけど、よくよく考えると言い得て妙だな、と思う。
私がSOPHIAを真面目に聴くようになったのが98年ごろからだというのもあって、その時点ですでに、デビュー前後のSOPHIAには「初期SOPHIA」感を感じていたのは確か。どこにかっていうと、Bメロ前にAメロが2回繰り返される曲が多かったり、いかにもシンセサイザー!って感じのキーボードの音色だったり、ヴィジュアル系を抜けきらない松岡の歌い方だったり。まぁ、もう少しいうと、黒柳の長髪だったり(笑)。
というか。私が知った時の黒柳はすでに短髪だったから。「little circus」買って、ジャケット裏返した時にはひっくり返った。だって、知らなかったんだもん。
01 Kissing blue memories
初めて聴いたのは、「かかってこいや!」。この曲自体は、デビュー前の結構早い時期からあるらしい。確か、「SOPHIA」に入ってるんだっけか。
冒頭に、カセットをキュルキュルって巻き戻す音がする。ダークなロックで、こういうのを聴くと、彼らもヴィジュアル系だな、少なくともヴィジュアル系上がりだな、と思う(笑)。
これも有名な話だけど、「いつか教えてくれた名もない花 路上の上に咲き乱れ」って歌詞があって、松岡はバカなのか、と思った記憶あり。
そして、絶対に外せない、黒柳のベースソロ。
数年前までこれのライブバージョンを見たことがなくて、どんなふうに弾くのかも全然知らなかったし、音源とは違うフレーズを弾くこともあるのも知らなかった。
でも。見てみたら、期待に違わないかっこよさ。前に出るシーンが少ない分だけ、気合い入れてるのがよく分かる。これを、初期の初期からやってたんだよね…。
02 Secret Lover's Night
ここからの02~04の3曲は、聴いたのが格段に遅くて、2005年ごろ。近所のレンタル屋さんで、レンタル落ちの「BOYS」「GIRLS」「Kiss the Future」を救い上げたときに初めて聴いた。故に、聴いてる回数が少なくて、90年代の曲は全部頭に入っていると豪語したいところだけど、この3曲だけはかなり覚束ない。
キスブルからそのまま流れ込むけれど、ダークさは一切引きずらず、疾走感と爽やかさしかないシクラバである。
2023年12月31日に、松岡が紅白に出た時のポスト。
私的にはとてもツボだった。
03 Never say good-bye
Aメロとか、結構ベースが特徴的な動きをしてると思う。キーボードソロの裏のベースも主張が強いし。
この曲は、サビ前にAメロとBメロを繰り返す。この感じは、初期の数年に特徴的だと思っている。
そしてギターソロの前のピアノソロも、SOPHIAにしか成し得ない、特徴的な構成だ。
あ、そうか。この曲、時計の音がしてる。ここら辺が、彼らの時計モチーフにつながってくるのか。
04 last song
絵に描いたようなバラード。黒柳に言わせると、これが初めて弾いたバラードだとか。
ゆっくりと、きれいなピアノに松岡の声が乗り、サビに向かってだんだんと重なっていくサウンド。否が応でも気持ちが高まる。ラストの高音も、他では聴けない感じかも。
こういう曲を聴くと、キーボードがいる(ヴィジュアル系)バンドの強みを感じる。唯一無二。
05 Like forever
SOPHIAがデビューした95年の関西地方と言えば、1月に起きた阪神大震災っていうのが一つの大きなキーワード。関西出身者が多い彼らにとっては、すでに上京していたとはいえ、とても衝撃的な出来事だったと思う。愛知県在住で、当時小学生だった私も、早朝に感じた大きな揺れと、その後の惨状は、強く印象に残ってる。後に、新潟や東北で大地震が起こることになるけど、それ以降は、ライブでその地域に行くと演ってたとか。
そして。2022年の復活武道館ライブ。彼らの軌跡を振り返る中でも、外すことのできない曲として扱われた。
「誰もが(震災のことを)忘れてしまっても、この歌を歌うたびに思い出してもらえるように」という、当時の会報に載っていたという言葉。それをまさに体現していて、彼らの思いがそのまま形になった典型例だと思う。
上の記事にも書いたけど、この曲を私が初めて聴いたのは、「COME ON! FUNKY LIPS」。文化放送で、松岡がやってた番組。文化放送は在京AMラジオ局で、愛知県在住の私は、頑張って電波を拾って聞くんだけど、他の在京のTBSラジオとかに比べて、文化放送は格段に電波が悪くて、常にハングルが聞こえてくる。その合間を縫って聴いたのが、この"Like forever"。
このエピソードも、この曲をかけた後に、松岡が話してたこと。
「世界中で一人のような気がして」ってフレーズは、メロディーも相俟って、すごく好きなところ。
ちなみに。「15」のセルフカバーバージョンは、これは全部の曲に言えることではあるけど、特に初期の曲だから、アレンジはともかく、松岡の歌い方に非常に違和感を感じる。"Like forever"で言えば、非常にさらっと歌ってるんだけど、最初からそれならそんなもんかもと思うかもしれんけど、ある意味、あの癖のある歌い方が、松岡の魅力でもあるから。
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