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ギネス世界記録更新なるか!?世界初、VTuberを宇宙に飛ばして生配信! – その②

本記事は2020年6月25日に投稿された記事です

こんにちは。プロデューサーのグンジです。
前回までのSPACE CHALLENGEは。

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「U.F.O.の日(6/24)に、VTuber輝夜月さんを宇宙に飛ばして、それを見ながらみんなで日清焼そばU.F.O.を食べよう」というアイデアから企画がスタート。
スペースバルーンで打ち上げるために、スタッフィングに走るグンジ。
試行錯誤を繰り返し、モンゴル現地テストを行うも、一度も成功せずに帰国。
山積みになった課題を国内テストでクリアにしていき、再度モンゴルへ!
チャレンジ当日まで秒読み!
成功なるか!?
いざ本番!Viva Mongol!
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ラストチャンス!本番前現地テスト

本番までの予定はこんな感じです。


6月21日 移動日
6月22日 本番前テスト
6月23日 予備日
6月24日 本番

今回はゲルに宿泊します。
ゲルとは、主にモンゴルの遊牧民が使用している移動式住居のことですが、今回の宿泊先は、トイレやシャワーが完備した宿泊施設としてのゲルとなっています。前回は普通のホテル泊だったので、楽しみのひとつではありました。

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本番前テストでは、打ち上げ自体は成功。
通信もできているように見えたのですが、映像が飛ばないトラブルが発生しました。先月のテスト時、上空でスマホの電源が落ちてしまった時に地上からは何もできなかった事を踏まえ、地上からコマンドを送ることでスマホを再起動させる機能を実装していたのですが、今回は放球時点でその機能に問題が生じたと考えられます。

今までスタンドアロンで機能していたスマホが、スティックPCと繋がり、地上からの命令を受けられるようになった反面、配線の複雑化というリスクを生むことになります。今回のトラブルは、放球時に風船とモジュールとを繋げるケーブルにテンションが掛かり、それに接触していた機器が問題を起こしたものだと思われるものでした。機器の配置換えと耐衝撃テストを行った上で、翌日に再度テストを行うことに。

翌日、本番前日テストです。
放球時に強風でモジュールが地面に接触した衝撃で、映像が飛ばないトラブルが発生。
但し、PCは生きていたので、地上から再起動のコマンドを飛ばします。
その後、再起動はするもののスマホの映像は回復せず、再度再起動。
しかし、再起動を3回繰り返した辺りから地上からの通信状態が安定しなくなります。バルーンが地上から離れすぎたのも理由として考えられたので、バルーンを追いかけるように車で付いていきましたが、落下時まで通信は回復しませんでした。

まず、放球時に地面に接触した件については、機体に放球用の取っ手を設置することで対策することに。そして、アプリの仕様については、地上から再起動を実施できる現在の仕様を強化するか、撮影用のスマホを独立させるかの決断に迫られます。先月のテスト以降はPC側で制御する仕様で検証を進めてきたので、このタイミングでスマホをスタンドアロン化するのはリスクがありました。しかし、万が一PCにトラブルが生じても、スマホが生きていればギネス世界記録のチャンスは残る、というリスク分散の観点と、低温対策の成果に一縷の望みをかけて、スタンドアロン化を決定しました。

現地では4回テスト打ち上げを行い、すべてが失敗に。
トラブルの原因を調査し、それに対処しても検証時間が不十分。
本番前日の夜は、泊まっているゲルの水が止まり、シャワーも浴びれず、歯も磨けない。
ああ、口の中が気持ち悪い。
そんな不安だらけの状態で本番に臨みます。

ギネス世界記録の条件って?

現状のギネス世界記録である“高度18.42km”を上回る高度でスマホを使って撮影する。
今回挑戦するギネス世界記録認定の条件は、簡単にまとめるとこの2点。

①現状のギネス世界記録である“高度18.42km”を上回る高度でスマホを使って撮影する。
②最低でも30秒間のビデオライブストリーミングを行う。

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特に、地上上空間で数十km離れている状況で数十秒間途切れることなく配信させる、という②は難易度が高く、いままで一度も成功していません。そんな状況で本番へ挑みます。

いざ本番!!!

本番へ向けての対策が決定した後は、現地で出来得るすべてを行いました。
作業が終了したのは前日の深夜2時。ロビー集合は朝6時です。
明日に備えて早く寝ようと思い、バスルームへ行くと、シャワーが出ない。ウソだろと思いつつ、せめて口の中だけでもスッキリさせようと歯磨きを試みるも、水も出ず。
部屋に備え付けのスタッフ呼び出し用のチャイムも、深夜であるせいか返事は来ず。
そうこうしているうちに寝落ちしてしまいました。
気づけば朝です。全身キモチ悪いです。
本番当日に現地の洗礼を受けて、いざ出陣です。

本番の放球場所として選ばれた地へ到着すると、通信も良好で風も穏やかでした。
ギネス世界記録の公式認定員や専門家も合流し、機器のチェックなどが行われます。
一時風が強くなりましたがそれもすぐに穏やかになり、最高の状態で放球を迎えます。

いざ放球。
びっくりするほど何も問題なく成功。
放球地点から映像の通信も確認できました。
十数分後、高度6000m程のところで映像配信が成功。
テストを含めても、これが初めての配信成功でした。

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その後は順調に高度を上げ、ギネス世界記録認定の条件である18.42kmを超え30秒間の配信に成功。審査に時間が掛かると言われていた正式認定も直ぐに出て、車中でYouTubeを見ていた我々は大盛り上がりでした。
他のスタッフと合流すると、握手とハグ、感謝と感激が巻き起こる感動の現場になりました。

バルーンは最終的に高度30km程度まで上昇し、30秒間のライブストリーミングにも成功。
そして後日、高度30.26kmで正式にギネス世界記録に認定されました。

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ダイジェストとしてまとめられた映像がこちらです。

どうですか?
すごくないですか?
まさかの成功ですよ?
まさかの世界記録更新ですよ?
しかも、かなりの差をつけて!!
あんなに失敗しまくったのに、本番ではこんなにあっさり成功するするなんてええええ!

…取り乱しました。
ダラダラと長く書いてしまいましたが、このレポートで伝えたかったことは、「我々はギネス世界記録保持者(のサポーター)です」ということです。
ギネス世界記録でお困りの際は、是非お声がけください。
お待ちしております。