ヘッダー用_年賀状

case01:印象に残るイノシシ型の年賀状

このnoteでは、atelier grayでお手伝いしたプロダクトについて、少しだけ掘り下げて紹介していきます。

株式会社加藤文明社(弊社)の年賀状を制作いたしました。

仕様
・用紙:エスプリV 220kg
・サイズ:約250×120mm
・印刷:枚葉オフセット 5色(メタリックシルバー+CMYK)
・抜き加工:ロータリーダイカッター

打ち合わせ

8月ごろからスタートした年賀状制作。今までにないものを作り、お客様に驚きと喜びを与えたいという目的を明確にします。そこで、今年はロータリーダイカッターを用いた型抜き加工と、TOYOインキ様の高輝度シルバーインキ「TOYO KING メタリックシルバー」を用いたモノを作ることに。
今回は枚葉オフセット印刷と型抜きの後加工を行うことになりました。

「TOYO KING メタリックシルバー」とは、強いメタリック感を持ったシルバーインキで、箔押し加工では表現出来なかった網点によるグラデーションや画像、細線、細かい文字も表現することが出来ます。

デザインは、全体をイノシシのカタチに抜き、年賀状らしい和柄をシルバーの階調で表現。派手さとクラシックさが共存しています。

さらに、イノシシの中にはウリ坊のシルエットを入れ、お客様の手で型抜きできる仕様に。これは後日、atelier grayのノベルティと交換できるという仕掛けを考えてのことでした。

色校正

本機校正を行い、枚葉オフセット印刷で高輝度シルバーインキの階調表現とCMYKが乗ったときの見え方などを確認。メタリックシルバーのベタの上にイエローが乗ると、擬似的に金色のような輝きを持った見え方をする特徴も掴んでいきます。
色校正の際に4つの違うパターンのデザインデータを面付けしました。シルバーで階調を表現したり、シルバーベタの上にスミで階調を表現したり、いくつかの製版アプローチで同じデザインを再現してみます。それぞれの完成度を見てから最終データを仕上げたおかげで本印刷はスムーズに進みました。

印刷・加工

ロータリーダイカッターという機械を用いてイノシシのカタチに抜いていきます。ピナクルダイという抜き型を作成し、機械にセット。イノシシと同時にウリ坊も型抜きしていくのですが、こちらはニックと呼ばれる小さな繋がり部分を残して型抜きすることで、抜け落ちることなく繋がったまま出てきます。郵送や取り外しのことも考え、どの程度の強度でウリ坊をつなげておくのか、メーカー様とも相談しながら進めていきました。
メーカー様としても珍しい事案だったため、たくさんの方に来ていただき皆様と一緒になって作り上げました。

クリエイターの声

デザイナー:シルバーの高級感がとてもよく出ていた。型抜き加工は初めてだったので心配していたが、とてもきれいに仕上がったので良かった。
アートディレクター:シルバーとプロセスインキの製版設計をプリンティングディレクターと一緒になって考えてもらえたことで理想通りの印刷が出来た。


高輝度シルバーインキのメタリックな輝きを持った印刷と、イノシシのカタチに型抜き加工をしたことで、今までにない珍しい年賀状ができたのではないでしょうか。

atelier grayで、みなさんもこだわりの印刷物を作りませんか。

AD:佐塚祥宏
D:丹羽野由美
PD:近島哲男、平井彰
協力
TOYOインキ様
HORIZON様
塚谷刃物製作所様

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