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tea time

旅人は革のトランクに 銀のスプーンと紅茶 それから白いティーポットを

元あった場所へ戻すように並べた。 パチンと音をたてて 蓋をとじると

馬に乗って ふり返りもせず 行ってしまった。


彼は銀の食器をまるで博士の手慣れた実験のように扱い紅茶を淹れてくれた。予想していた味よりもずっと普段の味がして、あれ?と思いながら飲む。心を包むような時間の流れにハッとして生きていることを実感する。

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