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【にじさんじイメージソングアルバム / 制作のお話 5】M5.センチメンタルジャーニー(えるイメージソング)

前回の続き、アルバム楽曲紹介の5曲目です。今回はえるえるのイメージソングについて。

タイトルについて

タイトルの元となったのは L.スターン という小説家の書いた旅行記「センチメンタル・ジャーニー」です。

スターン【Laurence Sterne】
(1713~1768) イギリスの小説家。物語の筋を無視し人間心理の動きを自由な構成で描く。代表作「トリストラム━シャンディ」「センチメンタル━ジャーニー」など。 - 大辞林 第三版 より

イニシャルがLなだけでなく、特徴がえるえるそのものじゃないですか…!

旅行記の内容も自然や街の景観には触れず、旅先で出会った人たちとのやり取りについて書かれたもので、センチメンタルという言葉が広く使われるようになったきっかけと言われています。

元々、歌詞を「"元"孤高」というキーワードに焦点を当てて書きたいと考えていて、そこにセンチメンタルという単語がしっくり来たのと、えるえるもエルフの国から上京してきた旅人というところで、色んなイメージが綺麗に重なってそのままタイトルになりました。

歌詞について

「孤高のエルフ」から「"元"孤高のエルフ」に名乗りが変わった、というところに焦点を絞りました。
あとはお馴染みの「える知ってるよ」をどうすれば感動的に組み込めるか。

まず異世界から来た超長寿のエルフって、スタート地点から常識と違いすぎて現代の東京で生きていくのが難しすぎない?と思いまして。
そこから仲間が増えていく過程はそれだけで物語になるんじゃないかと思って、タイトルも絡ませながらイメージを膨らませました。

実際はそんなハードなものではなく、よく話にも出てくる「教養を身につけるための学校」のおかげか、孤高→元孤高へ変わったのはかなり早いタイミングでしたけども。よかった。

えるえるのTwitterのアカウント名に「World」が使われていることも、歌詞を書く上でヒントになりました。
「旅」というキーワードとの相性も良くて上手く取り入れられました。

1サビ最後の「もう独りじゃないこと 知ってるから」が本質的なところではあるんですが、最後の最後まで仕掛けがあるので是非フルで聞いていただきたいです。

アレンジについて

えるえるらしく5分で18回転調したり、やたらとビブラスラップを多用したりしても良かったんですけど、今回は歌詞とアルバムの雰囲気に合わせて超大真面目です。
そういう面白い方に特化した曲もまた別で作りたい。

音色的にはアコギ、ピアノ、オルガンまで含めたバンド編成に、ストリングス、金管、木管、パーカッション、シンセ、SEと、他の曲と比べてダントツで多いトラック数になっています。

複雑に変化する感情と、他の曲と並べたときにどこか異質な感じを表現したいなと思ってそうしました。民族的とはまた違った異国感というか。

この曲だけキックをエレドラにしているのもその一環です。ドラムパターン自体も変則的で、生で叩けって言われたら絶対に嫌がられるやつですね…再現できないことはしていませんが、サビ以外は大体やりたい放題。

中盤の間奏では初めギターソロを入れていたんですが、その直前の歌詞を活かすには不安げな余韻が必要だと思って最終的に抜きました。
代わりに通常鳴らしているストリングスの編成とは別でソロのチェロとバイオリンを足して、控えめなメロディで繋いでいます。

去年(2018年)一番笑った瞬間

楽曲については以上です。
曲はちょっと暗い過去を描く感じにもなったんですが、えるえるはめっちゃ面白いんですよっていうことで最後に僕が特に印象に残っている動画(配信)紹介。

去年一番笑った瞬間は明確に覚えていて、第二回かえるコラボです。夜中に引越し準備をしながらアーカイブを聞いていて、めっちゃ元気出ました。

アンパンマンとキモオタはほんと伝説ですね…今聞いても笑っちゃう。音声のみでラジオ感覚で聞けるので是非移動中にでもどうぞ。
かえるコラボは第三回のポケモン川柳とか、第六回のボーちゃんの真似をしながらビブラスラップとかもほんとすき。

他にも野球部の部活紹介(函館くん)とか、ミサトさんの真似をしながらプーさんのホームランダービーとか、面白い場面を無限に思い出せます。2018年通して一番笑わせてくれたのはえるえるかもしれない。

クレジット

作詞・作曲・編曲:Atelier LadyBird(吉村彰一、川崎泰弘)
Vocal:じゅりお。(@juri_k0406)
Electric Guitar:吉村彰一(@shouichidrums)
Bass:前谷優幸(@kobayasisuto)
Piano,Organ,Programming:川崎泰弘(@don0924)

次回、M6. 涙の足跡(樋口楓イメージソング)

今回はここまで!
次回はでろーんのイメージソング「涙の足跡」について書いていきます。
よろしければ、また覗いていただけると嬉しいです。

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