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東京→沖縄への移住という選択【1】

東京生まれ・東京育ち。
愛すべき街吉祥寺を遊び場として育った私が、
沖縄へ移住してもうすぐ2年が経とうとしている。
沖縄に来てからは、人生初の引越しということもあり非常に忙しく、
記録しておきたかったことも全然できていなかった。

なので、少しずつではあるけれど、
自分にとっての移住ということについてまとめてみる。

暮らし方への疑問がきっかけ

多くの人が働き方・暮らし方を考えるきっかけとなった、
2011年の東日本大震災。
あらゆる交通網が途絶え、私は3.11のあの日、吹きすさぶ冷たい風の中、
大混乱の渋谷バスターミナルのど真ん中にいた。
上空は報道のヘリコプターが飛び交い、凍えながら空を見上げた私は、東京という場所はなんて脆いのだろうと思った。

便利だし、最先端のものがそろっている。
大手の企業が立ち並び、お給料も他の地方都市よりいい。
娯楽やオシャレなもの・ことには事欠かない。

それでもやはり、非常事態になった時、脆い。
そう感じた。

東京はものに溢れている。人に溢れている。
あらゆるものが、溢れている。

前から感じていた物質主義への嫌悪感
それでもセールの時期になれば物欲がかき立てられる自分への違和感。
本当に必要なものに自分の資力や体力や気力を使っているだろうか。

余分なものをそぎ落として、
本当に大切なものを大切にする暮らしをしてみたい。

毎日のように満員電車に揺られ、せかせかと歩き回り、
夜遅くまでパソコンに向かって仕事をする日々が
なんだか異様なことのように思えた。

3ヶ月だけのお試し居住

どこか別の所で暮らしたい、と思い始めていた矢先、
まさに物件の金額をネットで検索していた、ある晩。

沖縄の友人から電話があった。

「自分のアパートを三ヶ月ほどあけるから、そのアパートに来ないか」

あまりにもタイムリーな内容だったので、
彼女がどこかで私の様子を見てたんじゃないかと思うくらいビックリした。

これ幸い、とほぼ二つ返事で沖縄に飛び、
三ヶ月限定の仮暮らし。期間は9月〜11月まで。
夏休みも終わったこの時期、沖縄は一番いい季節だ。

とはいえ遊びにいく訳ではない。生活しにいくのだ。

出発前にはいろいろと仕事の下準備も済ませ、
東京の仕事を沖縄ですることもできた。
沖縄では営業もしたので沖縄の仕事も少しさせてもらえた。

地元の安い店は友達に聞く。
腕のいい歯医者はどこだとか、
車のメンテナンスならあそこがいいとか。

「これなら、ここで暮らせるな」

この土地が自分に合っていると実感できて、
友達も沢山できて、気持ちもすっかり染み込んできた頃、
三ヶ月の仮暮らしが終わった。
あっという間だった。

お試し居住の終わり

自分らしくのびのびと暮らすことができたこの期間がなければ、
きっと私は今沖縄にいないだろう。

東京で生活していた時のあの違和感は、
この土地にいる間はすっかり消え去っていた。

東京へ戻る日の朝。
空港へ友人たちが見送りにきてくれていた。
朝早いからいいよ、と言っていたのに。

娘のようにかわいがってくれたお母さんたちまで。

その土地を離れたくないと感じるのは、
やはり、人の力だ。

つづく

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