小林未歩

イラストレーター/デザイナー。東京→沖縄→福岡県上毛町(こうげまち)→沖縄と暮らしの場…

小林未歩

イラストレーター/デザイナー。東京→沖縄→福岡県上毛町(こうげまち)→沖縄と暮らしの場所を変えながら、今は福岡と沖縄の2拠点。 沖縄で生まれた共同売店に惚れ込んで始めた『愛と希望の共同売店プロジェクト』と、映画館のない地域で移動映画上映をする『こうげまち映画部』の活動をしてます。

マガジン

  • 思ったことのメモ

    思ったことの備忘録的なもの

  • 共同売店に関する考察

    「愛と希望の共同売店プロジェクト」のコバヤシが、共同売店について考えたことをメモ代わりに書いていきます。

最近の記事

おみやげってなんだろう

10日間ほどの北海道滞在が終わり、バスと電車に揺られて空港に向かった日曜日。今回の滞在は、江別市の大麻銀座商店街にあるゲストハウスで「共同売店がある暮らし」展をすることと、滞在先を中心とした暮らしを体感することが主なもので、結果ほとんど観光らしいことはしていないことに、改めて空港で気づいた。楽しみ方はまだまだあるけど、やり残したことがあるくらいが、きっとまた来たくなるからちょうどいいはず。なにより、普通では体験できないことをこの短期間でたくさん体験させてもらった。 空港内に

    • 共同売店に関する考察16〜セーフティネットとしての共同売店の姿

      とある共同売店。チリンチリン。自動ドアのベルが鳴る。 よろよろと呂律がうまく回っていないおじーがふらふらと来店。お弁当を買いに来たみたい。前に誰かから聞いたけどこのおじー、周辺の家をノックして回ったり勝手に家に入ってスリッパとか持ってきちゃう例のおじーかもしれない。 おじー来店直後くらいに巡回パトロールのお巡りさんもお店に。接し方を見る限り、おそらくこのおじーは決まった時間に来店していて、そのタイミングに合わせてお巡りさんが見守りに来ているのかも。お店をぐるりと回りながら何

      • ずっと変わらないものとほんのちょっと変わったもの

        ずっと使っている腕時計がある。 中学生のころ、閉店セールでたたき売りされていた腕時計で、親に買ってもらったやつだ。確か5000円もしなかった。 大人になってこれまでに何度か他の腕時計を買ったこともあるけれど、どうもしっくりこなくて必ずこれに戻る。 特段いい時計なわけでもない。でも、電池を入れ替えてかれこれ20年使っている。 これの電池を入れ替えるのに、いつも通っている時計屋がある。 この時計を使い始めてからずっとだ。 無愛想で強面の時計屋で、ほとんど喋らない。きっと近所

        • 共同売店に関する考察15〜「定点」であること〜

          共同売店やちいさなマチヤグヮーがどうすれば生き残れるのか、支えよう・また新しく始めようと思えるのか、いま考えています。 買い物弱者を支える、という点だけを考えれば、移動販売やネット通販はすごく助かるし必要。でもやっぱり人と人とが日常生活の一部として行き交い、そこで言葉を交わせる緩やかな時間や場所やそこで生まれる偶然(たまたま)があることに勝るものはないんじゃないかなと思うわけです。 「なんだか悪いねぇ」を解消したいとある地域のおばあちゃんは、移動販売にくる若い人と話すのが

        おみやげってなんだろう

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        • 思ったことのメモ
          2本
        • 共同売店に関する考察
          16本

        記事

          共同売店に関する考察14〜どうやって応援しよう?〜

          共同売店のことを伝えたい想いが形になった展示会「共同売店がある暮らし」展をしていたのは3月。そして4月になり、自粛生活が続き、その間色んな本を読んだりこれからのことを考えたりしています。 これまでを振り返れば、「愛と希望だ!」と情熱で冊子を作ってからそれをきっかけに展示会の話が決まり、展示会をきっかけにメディアへの露出も増え、なんと憧れのD&DEPARTMENTさんからお声がけいただいてコラボまでできるという…うれしい驚きの連続でした。そんな中、私たちのプロジェクトを応援し

          共同売店に関する考察14〜どうやって応援しよう?〜

          共同売店に関する考察13〜伊計島共同売店がある暮らし〜

          かつていた場所と、今いる場所 長期の沖縄滞在から戻り、福岡県上毛町(こうげまち)に移転した実家で年末年始を無事に過ごした正月明け。今は上毛町有田集落の、海が見える山小屋の中で考えをまとめています。 昨年は、沖縄県うるま市の「うるまシマダカラ芸術祭」の事務局スタッフとしてお手伝いさせていただき、かねてから興味のあったうるま市島嶼地域にがっつりと関わった半年弱でした。知れば知るほど愛着が湧いてくる不思議な場所、うるま市。観光開発が進む西側と異なり、東側はまだ沖縄の暮らしの風景が

          共同売店に関する考察13〜伊計島共同売店がある暮らし〜

          共同売店に関する考察12〜手土産のススメ〜

          誰かに会いにいく時、何か手土産を持っていく。旅行帰りであれば、行ってきた土地の珍しいものや特産品など、渡す相手が喜んでくれるものを考えて。 でも誰かに「ちょっと」会いにいく時とかに持っていくのは、スーパーで買ったスナック菓子や缶コーヒーやお茶だったり、やはり相手の好みを考える。 今日も島人に会うため車で運転しながら、道すがらの安売りスーパーでお菓子でも買って行こうかなどと考えていた。イオン、かねひで、サンエー、ドンキ…。そこでふと、そういえば共同売店のお菓子は安売りスーパ

          共同売店に関する考察12〜手土産のススメ〜

          【共同売店に関する考察11〜共同売店と個人商店のちがい〜】

          共同売店で買った缶コーヒーを飲みながら、お店の前で共同売店についての話をしていた今朝。今目の前にある、小さなお店を眺めながらぼんやりと考えていた。 共同売店と個人商店の決定的違いってなんだろう?見た目は同じ。置いてある商品も大して変わらない。地域ごとに共同売店の運営方法は異なるので、あくまでも私が見てきた範囲内の検討材料であることを踏まえて…。 <共同売店>は地域の人たちが出資して運営される、共同体の象徴。区の財政と直結している。公民館や自治会館と併設されていることも多く

          【共同売店に関する考察11〜共同売店と個人商店のちがい〜】

          【共同売店に関する考察⑩〜いろんな社会課題が解決?〜】

          身近に共同売店があれば… ・車を運転しなくていい→CO2排出量が減る ・特に高齢者が車を運転しなくていい→事故が減る …社会課題解決!ニュースを見ながら思いました。ほかにも解決できる社会課題たくさんあるはず。上のは一部です。 簡単なことではないけど、小さなコミュニティが自力で運営できる共同売店はいろんな可能性を秘めている。すごいぞ共同売店。 #共同売店

          【共同売店に関する考察⑩〜いろんな社会課題が解決?〜】

          【共同売店に関する考察⑨〜分けて考える〜】

          共同売店談義をあちこちでしてますが、時々、考え始めた最初に立ち返ったりします。昨日はそんな夜。 昨日ふと思ったのは、既存の共同売店を存続させる(儲ける)というテーマと、買い物弱者をサポートする(ニーズに応える)というテーマは関連してはいるけど実は別物なんじゃないかと。 沖縄にある共同売店はそれぞれ地域ごとに問題があって、その対応に頭を悩ませている。運営継続のためには売り上げが必要なのに、なかなか上がらない。むしろ赤字は膨らんでいく。 「売り上げを上げる」のは大事。

          【共同売店に関する考察⑨〜分けて考える〜】

          【共同売店に関する考察⑧〜新聞掲載〜】

          2018年9月18日のfacebook 9/15(土)の西日本新聞に、7月から始めた「おためし共同売店」の記事が掲載されました。写真のトリミングでおかみさん感が増してます。 9月のおためし共同売店は、いつも来てくれるおばあちゃんたちが町の敬老の集いに参加することもあり、延期でした。お試しだし、主役のおばあちゃんたちがいなければ成立しないので仕方ないですね。 月イチだとどうしても「店」感が減っちゃう。単なるイベントではなく「拠り所」的扱いに持っていきたいなぁと思うこの頃で

          【共同売店に関する考察⑧〜新聞掲載〜】

          【共同売店に関する考察⑦〜声かけの実験〜】

          2018年8月8日のfacebook 私たちは「アイス食べたいなぁ」と思えばコンビニに行けるし、ホームセンターやスーパー、薬局など好きな時に好きな場所へ行って買い物ができる。でも、おばあちゃんたちはそれができない。 そこで、家の近所のおばあちゃんにいつも挨拶がてら「何かいるものないー?」と聞く。キッチンハイター、洗濯洗剤、よしず(日が当たって暑いからなんとかならんかねぇの流れ)などが最近の注文。何かのついでに買って、帰りに寄って届けることができる…けど、そこを敢えて「お店

          【共同売店に関する考察⑦〜声かけの実験〜】

          【共同売店に関する考察⑥〜おためし共同売店〜】

          2018年8月4日のfacebook 共同売店のことが頭から離れない日々が続き、試しにどんな感じかやってみたい気持ちを抑えきれず、先月の第3土曜日、同じ有田集落に住む友人と二人で共同売店の実験をしてみました。まずは概要からご紹介。 人里離れた上毛町(こうげまち)の谷の奥・有田集落に住んでいるのは16世帯。ほとんどの人は車で自由に買い物に行けるけど、そうもいかない高齢者も多いです。週に3日コミュニティバスが来ていて、おばあちゃんたちはそれに乗って下界まで一旦降り、近くのイオ

          【共同売店に関する考察⑥〜おためし共同売店〜】

          【共同売店に関する考察⑤〜郷土愛を知る〜】

          2018年6月22日のfacebook 最近はどの本や雑誌を読んでいても、共同売店のことと結びつけて考えてしまう病にかかりました。 いつもは仕事しながらyoutubeでBGMを流したりしてるんだけど、ふと思いついて共同売店を検索したら、「ウチナー紀聞『共同店〜100年目のスタート』」という動画を見つけてしまったのでご紹介。4つの動画に分かれています。 歴史から仕組み、課題から現状までが簡潔にまとめられてます。奥の共同店が船を所有してたとか、奨学金を出してたとか、知らなかっ

          【共同売店に関する考察⑤〜郷土愛を知る〜】

          【共同売店に関する考察④〜その役割について〜】

          2018年6月16日のfacebook 沖縄で会った人たちとの話を、何度も何度も反芻しています。 経営を続けることはどこも難しいけど、なくなってしまっては困る→なぜか?単に「売店」としての役割だけではなく、福祉的な意味合いの方が強いから。 「一人暮らしだとか、子供には言いづらいようなことがある人も、共同売店にくると言えたり、頼めたりする」と伊是名の友人は言っていました。 おじぃおばぁの健康状態を知る見回り的役割を果たしたり、ちょっとした人生相談所のような役割があったり。買い

          【共同売店に関する考察④〜その役割について〜】

          【共同売店に関する考察③〜やんばる共同売店めぐり〜】

          2018年6月13日のfacebook 福岡・上毛町に帰ってきました。共同売店の考察は続いております。書きたいこといっぱいあるけど、まずは忘れないようそれぞれの店の特徴をメモ程度に。 共同売店めぐりにあたって相談させていただいた小林さんに案内して頂きつつ、名桜大学の学生たちと一緒にやんばるで訪問した共同売店は3つ。その後個人的に1つ。 ① 安田共同店 品揃えバッチリ。奥には建築資材などもある。売店横の部屋は広いユンタク場所で、エクササイズマシン?的なものもある。全体とし

          【共同売店に関する考察③〜やんばる共同売店めぐり〜】