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忘れ去られてひっそりと良くなったクールジャパン#055

こんにちは、佐伯です。
昨日は息子が、朝から頭から痛いと言い看病しながら一日を過ごしていました。
幸い大事には至りませんでした。
むしろ息子と久しぶりに映画をみたりアニメをみたりして過ごすことができました。

息子は最近ポケモンに興味を持つことが多くなり、ポケモン赤・緑世代の私にはとても嬉しい傾向です。
昨日も息子と一緒にポケモンの映画を観ました。

これが中々面白かったのです。
以前、日本のアニメや漫画をハリウッドで実写化すると爆死するという因縁がありましたが最近ではそんなことは無いようです。
Netflixでの実写版ワンピースもかなりのクオリティで人気を博しているとのことで以前とは何が違うのか気になるようになりましたので掘り下げてみたいと思います。


①クールジャパンについて

まず「クールジャパン」について調べてみました。
「クールジャパン」とは、日本のポップカルチャー、伝統芸術、ファッション、技術など、日本固有の文化や技術が持つ魅力を世界に広める政策や運動のことを指します。このコンセプトは、日本政府や民間企業によって推進されており、アニメ、マンガ、ゲーム、音楽、映画、食文化など、幅広い分野での日本の文化的影響力を国際的に強化することを目的としています。

クールジャパンの背景には、日本のポップカルチャーが1990年代から2000年代にかけて世界的に人気を博し、日本の伝統文化と合わせて、独特の魅力を国際社会に発信することで、文化的なソフトパワーを強化し、経済的な利益をもたらすという考えがあります。

例えば、アニメやマンガは海外での日本文化の代表的な象徴となり、多くのファンを獲得しています。また、日本のファッションやデザイン、伝統工芸品も世界的に注目され、日本の食文化、特に寿司やラーメンなどは国際的に広まり、日本の「クール」なイメージを強化しています。

クールジャパンは文化的な影響力を活用して、国際交流や観光促進、さらには経済成長にも貢献すると期待されている戦略です。

ざっくり要約すると日本のカルチャー、サブカルチャー、食、工芸などソフト関連もしくは工業化できないものを諸外国に輸出するコンテンツ産業です。

官民が協力して世界に対しアピールをしました。
特に有名なのは主にフランスで開催されるジャパンエキスポです。
こちらは1999年から現在に至るまで続いており、主にポップカルチャーやサブカルチャーを起点とした日本の文化・伝統を発信するイベントです。
フランスには熱烈な日本のアニメ、漫画のファンが多くいるため毎年非常に盛り上がるイベントとなっています。
実はこちらも当初は日本好きの若者3名でひっそりとガレージで開催したことが始まりです。
今では国や企業を巻き込む大イベントになりましたが初めはギークな若者の交流の場であったことを忘れてはいけません。

②衰退したクールジャパン

2000年初頭にはパッと人気が出ましたがすぐに衰退しました。
理由はK-POPの台頭です。
元々は中国や東南アジアで人気があったK-POPですがとあるコンテンツが生まれてからは爆発的に西側諸国でも流行しました。

そうです。
YouTubeです。
K-POPは巧みにYouTubeを活用し、世界中にPRをしました。
皆様も聞き覚えがあると思いますが2012年にSPYの「江南スタイル」が大ヒット。
世界中の人々がSPYのダンスに夢中になって自分で踊る動画をSNSに投稿しました。

また、Twitter(現在のX)でのメディア戦略は鮮やかなものであっという間にクールジャパンは萎んでしまったのです。

③クールじゃ無い方が面白くなった

このような理由で国も企業もクールジャパンに飽きてしまいました。
そして何事も無かったよう消費されたのです。

しかし、国や企業が去ったことで元の物好きが集まり出したのです!
これは私の想像ですが国や企業が舵取りをしたときは万人に受けるようなマスコミュニケーション的なアプローチだったのかと思います。
しかし、多様化の時代にみんなに受けるなんてのは幻想です。
かつての昭和のおじさんが考えそうなことですね。

日本のサブカルチャーは元来ギーク(オタク)と呼ばれる方々ひっそりと楽しむものでした。
もちろん、彼らも誰かと交流したいので同好の士を集めます。
そうやって小さなコミュニティが無数に出来ては消えてを繰り返すことで常に新鮮でディープなコンテンツを生み出してきたのが世界に受けたのでは無いでしょうか。

私は思うのですが、「クールジャパン」ではなく「ギークジャパン」の方が正確な表現だったのでは無いかと思います。
むしろそんなラベル付けも無粋なのかもしれません。
なぜなら、アニメや漫画やゲーム、日本文化、日本食、それぞれが各々の好きな日本のコンテンツを持っていて各々楽しんでいるからです。

そうして、ポケモン付きの同好の士が集まって「名探偵ピカチュウ」が生まれたのでは無いでしょうか。
私は映画をみて、ポケモンが実際にいたらこんな感じだろうなぁとワクワクしながら観ることが出来ました。
これは作り手がポケモンに対して深い愛情がないと出来ないことだと思います。

クールジャパンは失敗し、日本だけでコンテンツを抱えることはつまらなくなるとわかりました。
でも、世界中に日本のコンテンツを愛してくれる人が大勢いることもわかりました。
これからは彼らとワクワクするようなコンテンツを作ることが世の中に「面白い!」増やすことができる鍵では無いかと思います。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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