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金沢、小京都やめるってよ#070

皆様、こんにちは。
お正月休みは如何お過ごしでしょうか?

私は本日、息子と新幹線に乗る約束をしましたので新幹線に乗り金沢市まで日帰旅行をしてきました。
息子が生まれてから初の金沢です。
3年ぶりでとても楽しかったです。

金沢駅東口から望む鼓門

3年とはとても長い月日でして、ましてやコロナ禍もございましたので街の変貌は驚くべきものでした。
時間があれば東茶屋街や香林坊にも行きたかったですが、今回は駅前だけ探検してきました。


①小京都ってご存知ですか?

世の中とは面白いもので、皆様の街にも「〇〇銀座」など、どう見ても東京の銀座とは似ても似つかない寂れた商店街がないでしょうか?
元々は銀座とは地名を指すものでは無く、江戸時代に銀貨幣の鋳造所のことを指していました。
今で言うところの造幣局ですね。
しかし、2度の大火で燃えてしまい現在の近代的な建物が立ち並ぶ高級感あふれる街に生まれ変わりました。

つまり地方にある「〇〇銀座」とは戦後に本家銀座の格好良さにあやかって付けられた名前であり、特にかつて銀貨幣の鋳造所があった訳では無いんですね。

話は脱線しましたが、世の中には小京都と呼ばれる地方都市が多数あります。
しかも全国京都会議という全国組織を立ち上げ、現在も38の市町村が加盟している程の熱の入れっぷりです。では、小京都と呼ばれることで何かメリットがあるのでしょうか?

それが無いんですよ。
むしろ何だか恥ずかしく無いですか?
名刺の肩書き「北陸の小京都〇〇市役所」なんて書いてあると、特に外国の方などは「京都の一部なの?」って勘違いされるかもしれません。

恐らく昔の方々が「〇〇銀座」と同様に都会のビッグネームにぶら下がりたいという思いで自らそう名乗ったのでしょう。
長い物には巻かれろの精神ですね。

しかし、時代は令和。
組織より個の力が優位性を持つ時代です。
個で力を発揮しようとしても小京都というネームが足枷になり思い切った舵取りができなくなります。
これは個人だけでなく地方においても同様のことかと思います。

②金沢、小京都辞めます。

実は地元の金沢市民も知らない方が多いですが、金沢市は2008年に全国京都会議を脱退し、自ら小京都のブランドを捨てました。
脱退理由は、

「方向性の違い」

だそうです。ロックバンドみたくパンクですね。

しかし、当時は大騒ぎになったと思いますが10年以上経過すると正解だった思われます。
そもそも、歴史的な背景を考察すると京都は公家を中心とした貴族社会ですが金沢は開祖前田利家が中心とした武家社会なので水と油ほど違います。
方向性の違いも出るのも頷けます。

脱退に先んじて2004年には当時としては珍しい近代美術を専門に扱う21世紀美術館が開館しました。
また、金沢に行ったことがある人はお分かりになると思いますがバスで一本のところにすぐ石川県立美術館がありとても芸術、工芸に力を入れています。

このように自ら小京都の看板を下ろすことで、今までなら出来なかった政策が打てるようになり、金沢の街は地域別で見るとグラデーションはありますが全体では繁栄した街となりました。

③コロナ後の金沢駅周辺にあった変化について

わかりやすいところでは、金沢の玄関口である東口の前に立地していた都ホテルが既に無くなって再開発がされていました。
また、お客様の層が随分変わりました。

以前は若者(10代後半〜20代)が中心でしたが、今日行ってみるとファミリーが物凄く多かったです。
また、来日している外国人旅行者は以前は中国人・韓国人が多かったのですが、彼らは少なくなっており代わりに白人の方が多く見受けられました。

なぜだろうと思い様子を見ていると多くの方が同じ買い物袋を持っていました。
それは「ポケモンセンター」です!

駅に併設してある商業施設内にあるポケモンセンター

改めて気づきました。
ポケモンの持つコンテンツとしてのパワーについて。
物凄い集客力です。
年齢・性別も国籍も超えて皆ポケモンを愛し集まっていました。
これもクールジャパンが下火になった影響なのでしょうか。
好きな人が勝手に集まり楽しむ雰囲気がそこにはありました。

そして、金沢は職人の街でもあります。
有名なところでは金箔ですが加賀友禅(着物)そして私の住む高岡市も旧加賀藩なので螺鈿造(貝殻の裏の光った部分を使用した漆作品)もとても有名です。

そして小京都から抜けた金沢は自由に物が作れます。
なんと、ポケモンとコラボした伝統工芸品が展示してありました。
とても美しい作品でした。

ピカチュウのサイズに合わせた加賀友禅
ブラッキーとミロカロスが描かれた美しい螺鈿細工

これ自体がたくさんの方々に爆発的に売れるとは思いません。
しかし、ポケモンを知っている人に対し日本にはこんな職人技術があるんだよ、と宣伝できることが何よりも期待できる効果だと思います。

古き良き技術に新しいスパイスを足し、多くの方が咀嚼し感動できるようにリメイクしてありました。
小京都には収まらない金沢の底力を感じました。

やはり旅行はいいですね。
新しい気づきがたくさんあります。
また、日帰りでも旅行に行きたいと思いました。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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