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私たちは食べたもので出来ているvol.12#134

皆様、こんにちは。
佐伯です。

毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。

私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。

さて、今回は皆様にお塩に違いがあることをお伝えしたいと思います。

「海水で作る塩と岩塩でしょ?知ってるよ」

と申されると思いますが、いえいえ実はとても奥深いのです。
今回ご紹介する塩の違いとは簡単にご説明すると精製方法の違いです。
この精製方法の違いで塩の成分がずいぶん違ってきます。
そして、もちろん味も違ってきます。

面白いですよね。
理科で塩とは最も単純な原子と習ったのですが、実は私たちが口にしている塩にはいろいろな成分が含まれているのです。
もちろん、限りなく精製した塩もあります。
これらの違いについてご説明できればと思います。


①天然塩と精製塩の基本的な違い

皆様、天然塩精製塩という言葉を聞いたことがありますか?
天然塩は以前NHKの朝ドラで石川県珠洲市を舞台にもなりました、揚げ浜塩のように太陽の力を利用して採取された塩などが代表的なものです。

一方で、精製塩とは私たちが普段口にしている真っ白な塩のことです。
これは自然の力は一切利用せず、工業的なプロセスのみで限りなく純粋な塩に仕上げているものです。
これらの違いについて詳しくご説明します。

まず天然塩は、海水や塩湖、岩塩を原料として、自然の方法で採取されます。
太陽の光と風を利用して海水から水分を蒸発させたり、岩塩の鉱床から直接掘り出したりすることで、最小限の加工を経て私たちの手に届きます。
この過程で、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルが残り、それが天然塩特有の風味となります。

天然塩の製造方法は、その地域の自然環境に大きく依存します。たとえば、太陽塩化法では、珠洲市のように塩田に海水を導き、太陽の光と風でゆっくりと水分を蒸発させて塩を結晶化させます。

次に精製塩は、海水や岩塩からナトリウムクロリドを抽出する工業的なプロセスを経て作られます。
この過程で不純物を取り除き、純度を高めますが、その結果、ミネラルもほとんど除去されてしまいます。
精製された塩は、ほぼ100%ナトリウムクロリドで構成されており、風味に深みがないとされています。

メリットとしては、精製塩は化学的処理や高温での加工が行われることで、色や味の一貫性を確保することができます。

②塩の旨味とは?

塩の旨味は、単にナトリウムクロリドによるものだけではありません。
天然塩に含まれるミネラルが、料理に豊かな風味をもたらすのです。
このミネラルの組み合わせが、料理に独特の深みを加えることができます。

一方で、精製塩はその味が一定で、良く言えばクリーンな味わいが特徴ですが、ミネラルによる風味はほとんど感じられません。

③最後に

天然塩と精製塩、それぞれに特徴があり、料理に与える影響も異なります。自分の料理スタイルや好み、そして求める風味に合わせて、適切な塩を選ぶことが大切です。
天然塩は料理に豊かな風味とミネラルを加えることができますが、精製塩は一貫した味わいを提供します。
どちらを選ぶかは、皆様の料理に何を求めるかによって異なります。
塩一つをとっても、その選択が料理の質を大きく左右することを忘れないでください。

それでは皆様、ご機嫌よう。

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