ファインダー越しの世界
最近シェアハウスを出ていった方から一眼レフのフィルムカメラをいただいた。その方から、撮ったら見せてねと言われていたけれど、スマートフォンやデジタルカメラもあるこのご時世に、重いし、フィルムというある種の手間がかかるものを使ってまで写真を撮ることに抵抗があったので、しばらくそのままにしていた。
でもある日、使い方を調べてなんとなく手に取ってみた。ロックを解除し、ファインダーを覗く。いつもの何気ない景色。シャッターボタンを押してみる。
「カシャッ!」
押すと、音と共に一瞬だけ目の前が暗くなる。フィルムは入れていないから撮れているわけではないのだが・・・
絞りを調節すれば、ファインダー越しに見る景色がぼやけたり、滲んだようにも見える。車のライトや信号もポッと灯ったかのように丸く見えたりする。
フィルムを買って、普段自分が歩いている道や見えている景色を撮ってみようと思った。何気なく過ごしている毎日にある生活をファインダーを通して切り取り、写真という形にするとどう見えるのか興味があるからだ。
そして、カメラをくれた方に見せてあげようと思う。その人も見ていたであろう景色。それをファインダー越しに切り取った先に何が見えるのか。今、こっそり楽しみにしている。
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