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基本性格特性セット

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ビッグ・ファイブ・パーソナリティやダーク・トライアドなど,多くの研究のキーとなる性格特性を説明した記事を集めました。人間の性格特性の基本次元を知ることができます。記事は随時追加さ… もっと読む
他の記事に出てくる用語を押さえるための,基礎知識セットです。人間の性格特性の基本次元を知ることがで… もっと詳しく
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#知能

知能と人生の成功との関連はどれくらいあるのか

知能という概念の価値は,「人生の多くの結果を予測できること」にあります。いや,もっと広い話についていえば,そもそも私たちの生活のなかのいろいろなことを予測できる心理学的な概念は,「価値のある概念」と考えられて,多くの心理学者が研究の対象とするのです。 それが「知能以外」となれば,「非認知能力」と呼ばれたりもします。 成功を予測人生の成功といえば,何があるでしょうか。たとえば,学歴はどうでしょう。日本で「学歴」というと「どの大学に進学するか」を指して言うことがあるのですが,

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性格の「Big One」

人間の性格(パーソナリティ)特性が,知能のようにひとつにまとまるのではないか,という議論は100年以上前からあります。 1915年,Webbは知能とパーソナリティの因子を探す試みの中で,一般因子(g)と同じような一般的なパーソナリティ因子を見つけました。そして,この因子は意志や意志から生じた行動の一貫性を表すと考えて「w」と名づけました。「will」の頭文字です。 21世紀それから約100年くらい経って,21世紀に入った頃に,パーソナリティの統合因子(General Fa

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知能全体で男女の差はないけれど

男女で知能に差があるのか,という問題は根強く研究されるテーマの一つのようです。実に100年以上,男女の違いが研究されていると言われています。 知能だけでなく心理学的な変数の多くの場合,男女で平均値の差を検討したとしてもそれほど大きな「差」が見られるわけではありません。平均値の差を標準偏差を基準に示した値を効果量といいます。 身長の効果量はだいたい「2」くらいの値になるのですが,心理学的な変数の多くの場合,男女の差は「2」どころか1を割り込んでくることも多く,「0.2」とい

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非認知能力は認知能力よりも本当に重要なのか

20世紀初頭にフランスで知能検査が開発されてから,知能検査の結果を使った研究は世界中で行われてきました。なかには多くのサンプルを対象とした長期縦断的な研究も行われており,知能検査の結果がよい人はよくない人に比べて,さまざまな面で社会的に恩恵を受けることが示されてきています。 たとえば学業成績,学歴,収入,健康,そして寿命などです。このように,実際に社会のなかで「望ましい」結果をもたらすような心理学的特性は,「役に立つ」そして「向上させるべき」特性として研究だけでなか卯社会的

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知能のピークは何歳なのか

知能と「頭の良さ」は,同じではないのですが,何かの課題を与えたときの処理スピードや処理の量の個人差を反映しています。 いわゆる「頭の良い人」のイメージについての研究は,以前にも書いたことがあります。こちらをどうぞ。 年を取ると年齢を重ねると,こうした認知的な能力というのは衰えていくのではないかと思いますよね。私もこれから衰えていくのかな?と思ったりします。 でも,何の能力が衰えていくのでしょうか。全体的に落ちていくのか,それともまだまだ伸びる能力というのはあるのでしょう

知能はどれくいらい学校の成績を予測するのか

何かと何かがどれくらいの関連の大きさなのかを知っておくことは,ときには役に立ちます。「これとこれは関連している」と言ったとしても,その大きさによって,「関連」の意味がまったく違ってくるからです。 たとえば,身長と体重の間にはプラスの相関関係があります。身長が高い人ほど体重は重くなる傾向があり,身長が低い人ほど体重は軽くなる傾向があるからです。当たり前ですよね。 でも,その関係は「必ず」ではありません。身長170cmの人のなかにも,体重が50kg台の人もいれば90kg台の人