子どもがいると幸せですか?
子どもがいると,面倒なことが多いですよね。
生まれたばかりの頃は本当に,ちょっとしたことで本当に死んでしまいそうなくらい小さく弱そうですし,熱でも出れば大騒ぎ。少しでも普通じゃないと思うようなことがあればまた大騒ぎ。食べるものも着るものも,いつ寝かせるのがいいのか,エアコンを使うべきなのか,母乳かミルクか,入浴はどうすればいいのか,紙おむつはいいのかなどなど,もう考えることや手に入れたい情報が多すぎて困ってしまいます。だからといって自分の親に聞いたりしても「こうしておけばいいの」と言われて「昔と今とでは違う!」と余計に憤ってしまったり。
うちの場合は子どもが3人いますので,もう3人目になれば「はいはい,こうですよね」と手馴れたものでした。いや,それでも想定外の出来事はあれこれと起きますけどね......。
だいたい,子どもの許容範囲も狭くないので,そんなに変なことをしなければ大きな問題にはならないものだと思うのです。
子どもが生まれること
子どもが生まれることは,親にとっては大事件です。何が大きな問題なのかというと,生活している環境が激変することです。
子どもはペットではないので,それまでの夫婦の生活スタイルを維持したまま受け入れることはとてもできないような存在です。
まるで海外旅行
それまでは気軽にお出かけできていたのに,子どもができたあとは買い物も宇宙旅行にでも行くのかというような労力がかかってきます。
おむつにミルクと外出用の服を準備して,普段の生活リズムから最適な時間帯を割り出します。ミルクに排泄,子どもの機嫌をチェックして,タイミングを見計らい,「今だ!」と玄関に抱えていってベビーカーに乗せると泣き出したりするわけです。「どうして泣くの?」と顔を近づけると臭いでおむつを替えないといけないことがわかるわけです。もう一度抱きかかえて玄関から家の中に連れて行って,やり直しです。おむつを替えてもう一度服を着させて抱っこするのです。すると今度はゲーッと戻しちゃったりするわけです。
そんなこんなで,だんだんと外出もおっくうになっていってしまったり。
父母の精神的健康
こんなことを考えてくると,両親の精神状態が良くない状態になってしまうのでは?という疑問を抱くのも無理はありません。
この記事にも書きましたが,やはり環境の激変は,ストレスフルであることは間違いないと思うのです。
では実際にどうなるのでしょうか。
両親のウェルビーイング
この問題に取り組んだ研究が,この論文(Parenthood Is Associated With Greater Well-Being for Fathers Than Mothers)です。この研究では,親であることとウェルビーイング(よい状態:主観的幸福感,幸福感,抑うつ傾向の全体),心理的な欲求満足度(自律性,有能感,結合性),そしてストレスとの関連を,とくに性別に焦点を当てて検討しています。さらに,研究1では子どもがいないカップル,研究2では子どもがいるカップルに焦点を当てました。
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