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寝不足は投票率を下げる

参議院選挙の期間が始まりました。梅雨でじめじめした時期ですし,地域にもよりますがエアコンがないと夜も寝苦しい人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は,そんな睡眠と投票との関連について見てみようと思います。「そんなの関係があるの?」と思ってしまいますが,寝不足が続くと投票率が下がってしまうという面白い研究を紹介したいと思います。

寝不足

とにかく,睡眠不足は万病の元だということはよく言われますし,それは自分自身でもよくわかっていることです。

肥満や生活習慣病の原因になるとも言われますし,体調も明らかに悪くなっていきます。年齢を重ねると,睡眠不足が身体に如実に影響を及ぼしてくることがよく実感されます。いやいや,本当によくありません。

就眠不足は脳の活動にもよくありませんよね。それも,もちろん自覚できることです。寝だめをするのもよくありませんし,昼寝の時間が確保できれば多少は良いかもしれませんが,それもそうそううまく確保できるわけではありません。

とはいえ,じゃあ寝ればいいじゃないかということなのですけれども,だからといってそうそう早く寝ることができるのかというと,そうでもないのが困ったところです。

寝ること

睡眠を改善するアプリもあります。自分自身の睡眠の状態を記録したり,入眠する際のヒントを与えてくれるようなアプリです。

とはいえ,それが逆効果になることもあるのだとか。

心理状態というのは微妙なもので,ちょっとした生活の変化や状態で,うまく眠りにつくことができなかったりすることもあります。これもまた,困ったことです。

睡眠不足の影響

社会全体にとっても,もしかしたら睡眠不足というのは良くない影響を及ぼすかもしれません。そんな研究があります。

この論文(Insufficient sleep reduces voting and other prosocial behaviours)は,睡眠不足になることで,人々が社会にとって良い行動をとらなくなっていく可能性を明らかにしています。

社会にとって良い行動は,向社会的行動(prosocial behavior)と呼ばれます。誰かに強制される行動ではなく,社会にとって良い方向だとされる行動のことを,向社会的行動と言います。

睡眠不足と投票

この論文ではまず研究1として,アメリカとドイツの大規模なデータを分析しています。結果としては,不十分な睡眠は7から14%,投票率を下げる効果をもつそうです。ただし,国やサンプルによって効果は異なっています。しかしいずれにしても,睡眠の状態が良くないと,投票率が下がるという現象は見られそうです。

研究1はシンプルに関連を検討しているのですが,研究2はなかなか面白い着眼点だと思うのですよね。

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