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カンニングをする人

たまに,カンニングをしたことは武勇伝のように語られることがあります。

確かこれだったと思うのですが,子どもの頃に印象に残っている漫画があります。別冊コロコロコミックに連載されていたものだったと思います(いったい何人の読者にこれが通じるのでしょうか……)。

塾士べんちゃん

「中国三千年の昔」から伝わる秘伝の書を使って,子どもたちの勉強の必勝法を与えるという内容の漫画なのですが,子ども心に「これは使えるかも」と思わせる必勝法を出してくるので面白かった覚えがあります。

たしかこの中でのひとつの話だったと思うのですが,子どもにわざとカンニングペーパーをつくらせる話がありました(間違っていたらゴメンナサイ)。

そして,「これじゃあバレちゃうよ」といいながら何度かカンニングペーパーを作り直させます。すると結果的に,最後は子どもがその内容を覚えてしまう,というストーリーでした。それを読んだ時「おお,これは面白い!」と思ったことが,強く印象に残っています。

中学生か高校生のとき,テスト勉強に行き詰まったあげく,気晴らしに本当にやってみようと試みたこともあるのですよね(カンニング自体ははしていません。本当です)。まあ,効果はよくわかりませんでしたが。

目次

・塾士べんちゃん
・ハイテクカンニング
・不正行為と性格
・勤勉性と協調性のセット
・アイゼンクの性格次元
・性格はカンニングの原因なのか

ハイテクカンニング

大学の中でもカンニングに代表される不正行為が大きな問題に発展することがあります。

定期試験で不正行為が発覚すれば,その学期の単位の取り消し,そして必然的に留年となる大学が多いのではないでしょうか。

8月なかば,中国のカンニングが報道されていました。

大学院入試で33人の受験生がカンニングで摘発され,6人に懲役4年から1年8か月,そして罰金が科されたということです。

記事の中にカンニングで使った機器も紹介されているのですが,消しゴムに見せかけたディスプレイとか,耳の中に隠せるイヤホンとか,もうスパイ映画のようです。それだけ受験の競争が激しく,それだけのことをするメリットがあると考えるのでしょう。

でも,どうしてやってしまうのでしょうね。「そういう人間だからやってしまうんじゃないの?」と思ったりするでしょうか。そういうことはあるのでしょうか。

不正行為と性格

教育場面の不正行為と性格との関連を検討した論文があります。過去の調査によると,次のような数字がわかっているそうです。

アメリカの高校生のうち……
◎51%はテストでカンニングをした経験がある
◎74%は他の生徒の宿題を写した経験がある
◎32%は教室の作業でインターネット上の記事を写したことがある

そうなのです。

また,アメリカの大学では……
◎43%が試験でカンニングをしたことがある
◎41%が宿題で不正をしたことがある
◎47%は他の文献から盗用したことがある
◎70%は少なくとも1つの不正行為の経験がある

そうです。

高いか低いかはよくわからないのですが,なかなかの確率のようにも思いますね。


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