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レゴ・電池・磁石…子どもの誤飲事故に注意

子どもの誤飲事故というものは,親にとって一大事です。でも,よくあるのですよね。何でも手にしたものを口にもっていくものですから。私も常に気にしながら子育てをしていた記憶があります。

もちろん,成長とともにだんだんとそういうことはしなくなっていきます。そしていつのまにか,そういう心配をする必要はなくなり,そして別のことが心配になっていくものなのですけれども……

ちなみに子どもたちだけではなく,大人にとってもものを飲み込む際のトラブルというのは少なくありません。年齢を重ねていくと,ますます増えていきます。そして誤嚥性肺炎は死因のトップ10にも含まれています。幼い頃と年をとってから,どちらもものを飲み込むというのはトラブルの原因になりやすいということでしょうか。

とはいえ今回は子どもについて。


レゴブロックを飲む

「科学者がまた体を張った。自らレゴブロックを飲み込み無事に排泄されることを確認。平均1.71日で排泄される」という記事がありました。

もとの論文はこちらです。

研究者6人がレゴブロックを飲み込んでみたそうなのです。年齢は27歳から45歳です。男性3名,女性3名です。

飲み込んだのは,あのレゴブロックのキャラクターの頭の部分です。なんだ。あの小さいやつですね。

で,平均1.7日で出てきましたよ,ということです。でも……毎日確認したということですよね。なかなか厳しい実験です。しかも,6人中1人のレゴは見つからなかったそうです。見逃したか,体のなかなのか。どうなのでしょうか。

電池を飲む

なんといっても誤飲で気をつけるトップに位置すると思われるのは,電池ではないでしょうか。特にポタン型電池は,飲み込んでしまうとひどいことになるという話を何度も聞いたことがあって,自分の子どもが手にしないように注意して隔離していました。

そこで,こんな論文はどうでしょうか。

「当院で経験したボタン電池誤飲症例の検討」というタイトルの論文です。

この論文は,18例のポタン型電池の誤飲症例についてまとめたものです。期間は2007年から2014年まで。18例のうち,2例はリチウム電池のケースだったそうです。

そしてどのケースも,けっこう重篤な合併症が生じていたそうです。縦隔炎(左右の肺の間の部分の炎症)や食道気管瘻(食道や気管に穴が開くこと)という症状になることがあるようです。穴が開いてしまうというのは聞いたことがあったのですが,本当なのですね。

ボタン型電池は飲み込むと途中で留まりやすく,しかも電気が発生しやすいので体のなかで電気が通り,周囲がダメージを負ってしまうケースが多いようです。

そういう話を聞くたびに,「気をつけよう」と思ってしまいます。大きくなっても,何かの弾みでそういうことが起きるかもしれませんので。

磁石を飲む

他にはどんなものを飲むことがあるのでしょうか。たとえばこんな論文はどうでしょう。

「ピップエレキバン®複数個の誤飲により腸閉塞をきたした1例」というタイトルの論文です。商品名が使われているところが,まずは目を引きました。論文タイトルに登録商標マーク(Rマーク)がつけられています。

論文の内容はタイトルの通り、ピップエレキバンを飲み込んでしまって開腹手術をした子どもの症例の話です。

2歳6ヵ月の女の子が患者さんだったようです。お腹が痛いと訴えてきたのでレントゲンを撮ったところ,「2個の連なる異物」が見えたのだそうです。そこで両親に尋ねたところ,ピップエレキバンを飲んだのではないか,ということになりました。

2つのピップエレキバンが小腸の中でくっつき,小腸を挟んでしまっていたために,お腹を手術することになったということでした。

いやはや,本当に気をつける必要がありますね。

口の大きさ

こういう話を見てくると,そもそも子どもの口ってどれくらい開くのだろうと疑問に思いますよね。

そこで,こんな報告を見てみましょうか。

「乳幼児における最大開口量」というタイトルです。

報告の中にグラフが描かれています。それを見ると,縦横奥行き各3.5cm,できれば4cm以上の大きさがあると口に入れることは難しそうです。

でも4cmって,なかなか大きいですね。とにかく,子育てをするときには気をつけてください。

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