教材を作った人が一番勉強になる
そう,それは,ちょうど私のサバティカル期間で,家族そろって1年間アメリカにいく直前だったように記憶しています。
小学生ふたり,中学生ひとりと一緒に1年間日本を離れることになりましたので,夫婦にとっていちばんの心配事というのは,
◎この子たち,1年間も日本を離れて日本語は大丈夫だろうか?
ということでした。
特に心配なのは,小学校1年生に入る直前の一番下の子と,小4に上がる直前の真ん中の子です。
「1年間でいくつの漢字を習うんだろう……」と調べてみると,なかなかクリアするのは困難な課題に思えてきました。
うんこドリル
そこで目についたのが,渡米直前に発売された「うんこ漢字ドリル」だったのです。「これなら飽きっぽいうちの男子でも大丈夫かもしれない」と,わらをもつかむ気持ちで渡米直前にamazonで購入し,スーツケースに詰め込んだのでした。
ちなみにその後,うんこシリーズはどんどん増えて行ったのはご存じのとおりです。
ひらがなにカタカナ,はては計算まで,幅広く「うんこ」が展開されています(ここまで書いて思ったのですが,このシリーズが題材じゃないと,こんなにこの単語を堂々と記事に書けませんね)。
1年間は長い
1年間の海外生活というのは,やはり子どもたちにとってはなかなか大変なものでした。地元の公立校に編入させましたので,日本語の対応はなし,子どもたちもしょうがなく,見よう見まねで適応していきました。最後は「日本に帰りたくない」とも言っていましたが,それが叶うわけもなく帰国しました。
というわけで,もちろん子どもたちの英語スキルは上達しましたが,その間の日本語はどうなったかというと……。真ん中の子は小4の漢字がほぼすっぽりと抜け落ち,末の子はカタカナすらままならないという状況で帰国したのでした。いや,いいことばかりではありません。
教材を作る人
うんこドリルを見ていて思ったのですが,きっといちばん勉強になっているのは,うんこドリルを作った人ではないかと思うのです。
ユーザーは,それがうまく動機づけになればドリルを続けるのではないかと思いますが,アメリカに滞在していたうちの子たちはドリルを続けることはできませんでした。もちろん,我々両親の働きかけが足りなかった面もあるとは思うのですが,思うように興味をもつことができなかった,というのが正直なところです。
作ってしまえ
この,自分でつくった人がいちばん勉強になるという法則は,けっこういけるのではないかと昔から個人的に思っています。
与えられた問題集で問題をこなすよりも,教科書を見て自分で問題をつくっただけでも,ずいぶんと勉強になります。なぜなら,ある程度は理解しないと問題をつくることはできないからです。
遊びを取り入れる
そしてどうせなら,うんこドリルのように遊びの要素を取り入れて,自分で問題をつくってしまうと,もっと面白いのではないかと思います。
物語風にしてしまうとか,何でも自分の好きなものに結びつけてしまうとか。
そういう遊び心のような,ちょっとだけクリエイティブな要素が興味をかき立てる,ということはあり得るのではないでしょうか。
こういうことを言うと「そんな余裕はない!」と言い出す人はいそうです。それで問題集をすることができれば,何の問題も無いと思います。時間的にも効率的です。それでは面白くないな,という場合にやってみれば良いのではないでしょうか。
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