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気分の季節変動は性格に関係する

夏が過ぎて肌寒くなってくると,何かもの悲しくなるという経験をしたことがある人はいるでしょうか。

私自身は,実は秋という季節が嫌いではなくて,空が澄んで涼しくなると「気持ちが良い」と感じる傾向があります。特に,中学校や高校の時に教室から秋の空を眺めるのが好きでした。もしかしたら,愛知県の夏があまりに暑かったからかもしれないな……と思いました。東京は,梅雨の時期でもまだ肌寒いことが多いですからね。

でも,その良いイメージが継続しているのか,仕事をするようになってからも,秋の方が文章を書くのがはかどるような記憶があります……ただの思い込みかもしれませんけれども。

季節性感情障害

季節によって気分の落ち込む時期が長く続くケースがあります。特にその傾向がひどい場合は,季節性感情障害 (Seasonal Affective Disorder),略してSADと呼ばれたりもします。

SADは,秋から冬に症状が出やすく,毎年それを繰り返すという特徴のある季節性のうつ病とも呼ばれる感情障害の一種です。とはいえ,必ず冬に症状が出るかというとそういうわけでもなく,夏場に症状が出る人もいるそうです。

具体的な症状としては,気分が落ち込んだり気力を失ったり,元気をなくしたり生きる気力が出てこなかったり,イライラしたり人と会いたくなくなったり……一般的なうつ病のような症状を示すと言われています。

とはいえ,うつ病と季節性感情障害とは違う面もあるようです。たとえば,うつ病では睡眠をうまく取ることができなくなったり食欲が落ちたりすることがよくあるのですが,季節性感情障害では逆に眠りすぎたり,炭水化物の多い食物を食べたくなったりすることがあるようです。

パーソナリティは違うのか

季節性感情障害の患者と健康な人々,また季節性感情障害の患者と季節性ではないうつ病の患者とでは,何か性格上の違いがあるのでしょうか。そういう問題に取り組んだ研究があります。この論文(Personality and seasonal affective disorder: Results from the CAN-SAD study)です。

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