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課題の取り組みを先延ばしすることは学業成績に悪影響なのか

先延ばし(procrastination)という現象は,世界中でみられることのようです。調査によると,先延ばしをしたことがある大学生は少なくとも半数以上,調査によっては80%から95%にもなるそうです。たしかに,いつまでたっても課題になかなか取り組むことができない学生の姿は,よく目にするような気がします。

先延ばしの影響

以前から,先延ばしは「不適応的な行動」だとされてきました。課題になかなか取り組むことができないのですから,実際にその課題の達成は遅れてしまいます。締め切りが近づいてくれば,「ちゃんと完成するのだろうか」と不安になることも想像されます。

ところが最近,先延ばしには悪い面ばかりではないのでは,ということも言われるようになってきています。急いで課題に取り組むよりも,適度に先延ばしをした方が,課題の内容にはよいものが含まれてくる可能性があるのだとか。

確かに,急いで完成させるよりもゆったりと構えて余裕を持って取り組む方が良い結果になるケースはありそうです。

まあ,何事もほどほどがよいのかもしれません。また,課題の内容にもよるのだと思います。

先延ばしについては以前も書いたことがあります。こちらもどうぞ。

先延ばしと成績

先延ばし傾向と学業成績との関連を,複数の統計値を統合したメタ分析で検討した研究があります。この論文(The relationship between procrastination and academic performance: A meta-analysis)です。

論文データベースを使って,英語で書かれ,相関係数が報告されており,先延ばしと学業成績が書かれた論文が検索されました。その結果,33論文(相関係数は82個)が分析に用いられています。

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