タイプ「R」パーソナリティって…?

「いや,もういいですよ」ということって,ままあります。過剰なサービスですとか,過剰な内容量とか,あまりにしゃべりすぎる人とか……。

これまで,タイプA,タイプB,タイプC,タイプDというパーソナリティについて説明してきました。

それぞれの記事については,こちらを参照ください。

最近,ここに新たな仲間が加わろうとしているのを見つけました。

それは「タイプR(Type R personality)」です。

どうして「加わろうとしている」と書いたかというと,今後どうなるか,まだわからないからです。

タイプR

「Type R」と聞くと,自動車を思い出します。ホンダのシビックType Rとか,インテグラのType Rとか。ホンダのスポーツモデルにつけられる名前です。私が学生時代にも,NSXやインテグラに乗ってみたいと思っていました。

パーソナリティのタイプRは

さて,車ではなくパーソナリティのタイプRです。

目標に向かって突き進むタイプA,静かに座って穏やかなタイプB,感情を感じてもそれを抑えつけて我慢するタイプC,イライラしたり不安が強いタイプDに対して,タイプRはどのような特徴をもつのでしょうか。

これまでと同じように,「R」というアルファベットがもつニュアンスを重視しているように思うのです。それは,「resilience」「recovery」「return」といったものでしょうか。

つまり「R」はレジリエンス(resilience)を指すようなのです。ストレスフルな出来事やトラウマからの回復を意味する言葉です。しかしそれだけではなく,変化やストレスや逆境を乗り越え,それを受け入れ,成長していくことも含むようです。

タイプRを提唱する本の著者たちは,このレジリエンスをTransformative Resilience(「変革型レジリエンス」でしょうか?)と呼んでいます。

逆境に生きる子どもたち

似たような本に,メグ・ジェイの「逆境に生きる子どもたち」があります。この本では,大変な目に遭いながら回復する子どもたちのことを,Supernormal(「スーパーノーマル」)と呼んでいます。この言葉も,逆境をかいくぐってありえないような経験をしているにもかかわらず,それが当然であるかのように振る舞うことからつけられているようです。

それから,ダメージを負って回復し,そこからさらに成長していく様子を記述する,心的外傷後成長(PTG; Posttraumatic Growth)という概念もあります。

売り出し中

現在,タイプR概念は売り出し中のようで,きれいなwebサイトも作られています。

そして,タイプRを測定するページもあります。

とはいえ,まだこのタイプRは心理学の研究としては見かけることができていません。さてさて,これからこの概念について,どのような展開が待っているでしょうか。今後の展開を期待したいところです。

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Atsushi Oshio

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Atsushi Oshio

小塩真司。早稲田大学文学学術院教授。専門はパーソナリティ心理学。性格の構造,発達,適応に関心があります。 研究室:http://www.f.waseda.jp/oshio.at/index.html Twitter: https://twitter.com/oshio_at

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