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相手の話を止めないこと・笑わないこと

アメリカの各都市では,英会話教室がほぼ無料で受講できます。English Language Acquisition (ELA)とか,English as a second language (ESL)と呼ばれるクラスです。
昨年,家族で2つの都市に滞在しました。
ホノルルの授業は有料でしたが,それでもとても安くてテキスト代がちょっと高いくらい。
オースティンでは基本的に授業料は無料でした。ただし申し込みが多く,募集が始まってすぐに申し込みに行かないと教室はすぐ埋まってしまっていました。

教会や地域の集会所でも無料英会話教室がよく開かれていて,多くの人が参加していました。テキサス大学ではESLの教師を養成する教室で,生徒役(ESLを受けたい人)が無料で受けられるというサービスがあります。さすがにトレーニング中ということもあり,あまり授業の質がよくない,という噂も耳にしました。

いずれも(ほぼ)無料だけあって教師の当たり外れは大きいようです。また,一応テストの結果でレベル分けされるのですが,生徒が自分のレベルに合わないと思うのか,途中のドロップアウト率も低くありません。

とはいえ,とにかく慣れるという意味ではこういう教室に通うのはよい経験になるだろうと思いました。生徒は年齢も様々でいろいろな国から来ていますので,各国なまりの英語も経験できます。また「気負わずこれでいいんだ」とも思えて気が楽になります。それに何と言っても,各国出身の人たちと仲良くなれます

こういう無料の言語プログラムの充実は移民の国ならではかもしれません。
そして,こういった学校に通うことで,専門学校や大学への進学,また就職へとステップアップしていく様子もわかりました。市や州が支援しており,人々がステップアップしていくことでアメリカ全体の活力へとつながっていくのだろうなと思ったものです(なお「補助が出ているのだからできるだけドロップアウトしないで」という先生の発言も聞きました)。

私も興味半分,英会話が上達すればいいなという目的が半分で,授業を受けていました。授業の難易度自体はそれほど高くはなかったのですが,そこではコミュニケーションをする上で大事なことをいくつか学びました。

口を挟む

授業の中で「あっ,そうか」と思った瞬間が何度かあったのです。

ひとつは,
「相手が話をしているときに途中で口を挟まない」
ということです。

途中で口を挟む人がいると,先生が最後まで黙って聞くように注意をします。途中で発言が止まってしまっても,できるだけ聞きます(もちろん助け船を出すときもあります)。

途中で口を挟んでしまうことって,日本で会話をしているとものすごくよく見る光景です。相手が話している途中で,よく会話をかぶせてくるのですよね。

それから,日本ではよく「うん,うん」と相づちを打ちます。
でも,そのときよく見た光景は
「話し終わるまでじっと黙って聞いている」
というものでした。

相づちであっても途中で口を挟まない(相手の発言の邪魔をしない)のがマナーになっているのです。あ,親しい相手との会話の中では,もちろん途中で「そうそう!」となることはありますよ。

ちなみに英語Wikipediaにも,Aizuchiという項目があります。

日本人だと英会話でもつい,過剰に相づちを打ってしまうのですよね……(昨年,これに気づいてからは気をつけるようにしていました)。

それは「聞いていますよ!」というアピールなのかもしれません。
ああ,でも,もしかして,日本人が会話をするときって,「聞いていますよ!」アピールはするものの,意外と相手の話をちゃんと最後まで聞いていないかも……と感じた瞬間ででした(もちろん全員がそう,というわけではありません)。

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