跡部徹(株式会社空気読み コンセプター/手書き地図推進委員会)

株式会社空気読み代表。コンセプト設計・企画・実践をやっています。興味:依存しない生き方…

跡部徹(株式会社空気読み コンセプター/手書き地図推進委員会)

株式会社空気読み代表。コンセプト設計・企画・実践をやっています。興味:依存しない生き方/その他の選択肢/クリエイティブ都市/メディア/コミュニティ 自由大学脱藩学教授 著書:「空気読み」企画術/前に進む力/顧客に愛される会社のソーシャル戦略 手書き地図推進員会

最近の記事

備忘録的に、2020年の振り返り。ルールチェンジ時期はワクワクする。

かなり久しぶりのnoteへの投稿。年末ぐらい振り返り記事を書こうかなぁと。特に今年は記録を残しておきたい気がして。 国内に閉じ込められた一年。。。 久方ぶりに年間を通して一度も出国せずに過ごした。おかげで海外に出ることのメリットに気がついた年。海外に出ることは、「普段自分がいる社会の常識がいかに特殊なのか?」に気がつくこと。定期的に鏡を見て、自分の状況を確認するようなもの。それができない一年だったのが残念。コロナやBlackLivesMatterなど他の国の空気感を感覚的に

    • 世界は「雑談」を欲している。

      突然、雑談の機会が取り上げられてしまった。 COVID-19で、多くの分野で新しい生活様式への移行が求められました。特に不特定多数で対面で集まることが大きく制約を受けたままです。 しかし、気の置けない仲間との会話は、古来から人間社会にとって不可欠のもの。焚き火を囲み、食卓を囲み、お酒を呑みながら…。ふとした会話から着想を得て行動したその積み重ねが、今我々が暮らしている社会です。 精神安定剤にも、楽しみとしても、着想という意味でも「雑談」が果たしてきた役割は大きいと思います

      • 非日常シーンよりも、日常の暮らしが魅力的に感じる時代へ。

        2020年上半期が終わろうとしています。世界的になかったことにしたいぐらい(経済的にも文化的にも、スポーツ的にも)空白の期間が終わろうとしています。 しかしながら、価値観が大きく動いたという意味では、必要だった期間だったと認めざるをえません。価値観がどう変わったかと一言で表現すれば、「日常の価値の再発見」だと思います。 1.非日常でマウントを取る時代(Before 3.11) SNSの誕生により、「非日常のハレのシーンでマウントを取る」という行為が拡張しました。海外旅行を

        • Apple Music停止。便利なストリーミングサービスを止めることが"文化”になる。

          本日6月2日、Apple Musicのストリーミングサービスが停止しました。ニュースでご存知のようにジョージ・フロイド氏暴行死を受けた抗議のためです。 サブスクリプションサービスに契約している私も、以下のように表示され、自分のライブラリ以外の曲は聴けず、 #TheShowMustBePaused に賛同する特別プログラムを聴くことができます。  ちょうど、A Trive cold QuestやCurits Mayfild、Public Enemyが流れています。 今回のデ

        備忘録的に、2020年の振り返り。ルールチェンジ時期はワクワクする。

          コロナ禍で、行き過ぎた合理化から冗長性の再評価へ。

          緊急事態宣言の続く東京で、夫婦WFHしながら小学一年の双子男子と毎日てんてこ舞いで暮らしています。学校もいよいよ宿題本気出してきて、親も大変です……。いままで、いかに学校や保育園などにアウトソーシングしてきたことで、ギリギリで回っていた生活だったんだなぁと反省しました。 さて、ひさしく書いていなかったのですが、そろそろ現状考えていることを吐き出しておいたほうがいいような気がしてきました。 制度疲労ジャパンを突いてくれたCovid-19 この前に書いたエントリーはこちら。

          コロナ禍で、行き過ぎた合理化から冗長性の再評価へ。

          制度疲労ジャパンを乗り越えるために。

          2019年は制度疲労が目立った年のように感じました。 日本全国に張り巡らされたコンビニというプラットフォームの制度疲労、グローバル経済と政治の相性、家をベースとしたガラパゴス戸籍制度、社会保障や医療システム、働き方問題や世代間格差も制度疲労の結果起きていること。我々の周囲のシステムが、いかに前時代の前提に最適化されたものだったかを思い知らされた年だったのではないでしょうか。 書籍「2050年のメディア」が示唆していることこんなことを年末最後のnoteに書いているのは、以下

          テーマは「復古創新」。

          前回、Slow mediaの不便だけど愛らしいところについてのエントリーを書きました。紙メディアやカセットテープ、リアル店舗……というフォーマットだからこそ体験できる豊かさが再評価されているという話です。 そんな中、子供の保育園の卒業文集を作っていると子供の名前の由来を書くというお題がありました。名前の由来とかこういう機会がないと日常では意識しなくなりがちですよね。二人合わせて意味を持つように熟語である「温故創新」や「復古創新」からとってそれぞれ創、新としました。 「復古

          Slow media宣言。不便だけど豊かさを味わえるものの力を信じている

          以前、ここで手書き地図推進委員会として京都にトークショーに行ったときの模様を書きました。そのときに、再会&再開してしまったものがあります。もう、トップ画像を見れば、バレバレですね。はい、カセットテープです! カセットテープ体験の贅沢さ!手書き地図推進委員会長男の川村さんが持ってきたポータブルカセットプレーヤーを聴かせてもらったら、もう我慢できなくなりました。物理的に音楽を持ち歩くというめんどくささ、カセットテープの貸し借りが物理的にできて、音楽について語り合う時間。ガチャコ

          Slow media宣言。不便だけど豊かさを味わえるものの力を信じている

          手書き地図推進委員会とは、クィア・アイの「ファブ5」だ!

          「クィア・アイin Japan!」外からの視点で気がついたことNETFLIXの人気コンテンツ、クィア・アイの日本編始まりましたね。 個人的には第1話に近所の土曜日しかオープンしない焼き菓子屋さんでロケしていたのが驚きでした。夜前を通った時にすごい照明だなぁと思っていたら、あの時撮影していたのはクィア・アイだったのか! 下のリンクにもあるように、日本を舞台にしてくれたことで日本人にとってより勇気がもらえる内容。しがらみや生きづらさを抱えていても、その環境の中で自己肯定する方

          手書き地図推進委員会とは、クィア・アイの「ファブ5」だ!

          手書き地図推進委員会トークショー@京都の記録

          先日、10月27日に開催した『手書き地図のつくり方』出版記念トークショー@fab cafe京都の模様を時系列に記録しておきます。 手書き地図推進委員会自体が、短い滞在時間でどんなスポットを回ってきたのかを知ってもらうためにも役立つかなぁ、と。イベントに参加いただいた方々からの京都おすすめスポットやら噂、編集担当の学芸出版社社岩切さんが作ってくれた五条散策ヒントマップまとめ(google map)のお陰です。 ■1日目 開化堂カフェ開化堂カフェ中庭でお茶をいただきました。

          手書き地図推進委員会トークショー@京都の記録

          個人でも、「大金をもらっても絶対にやらない仕事」という哲学が必要な時代。

          先月、ハイパー資本主義経済の根幹である「株主至上主義」が終わるかもしれない、そんなことを感じさせるニュースが流れた。 米国経済が一つの転換点を迎えた。米国大手企業のCEOらが所属する団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は19日、企業のパーパス(存在意義)について新たな方針を発表。これまで20年以上掲げてきた「株主至上主義」を見直し、顧客や従業員、サプライヤー、地域社会、株主などすべてのステークホルダーを重視する方針を表明した。181社のCEOが署名した今回の見直しについて、同

          個人でも、「大金をもらっても絶対にやらない仕事」という哲学が必要な時代。

          仕事観は“引退観”に表れる。役者のように声がかかるうちは働くという思考。

          その人の仕事観を測るときに一番わかりやすい質問が「引退」についてどうかんがえているか、だと思っています。先日自分にすごくしっくりくる引退観だと思ってtwitterでつぶやいたのが以下。遠山正道さんの引退観です。 該当部分を引用すると以下になります。 内田:最後の質問ですが、いつまで、自分が発案者になるやり方でやり続けるのか。別の言い方をすると、自分が死んだら、この企業体は終わりでいいと思うのか。逆に、自分の名は「昔、遠山さんという人がこの企業グループを作ったんですよ」と残

          仕事観は“引退観”に表れる。役者のように声がかかるうちは働くという思考。

          パッケージレス商品という新市場

          生活している中で、ふと「こんなのあったらいいのに」と探してみると、すでに商品になっていることがある。さすが日本メーカー、細かいニーズまで拾いまくっています。 先日発見したのが、ミネラルウォーターやお茶のペットボトルのパッケージレス化商品。ペットボトルをリサイクルに出すときに、いちいちパッケージを剥がして分別するのがめんどくさいという不を解決してくれます。 副次的に、店頭で目立つためのうるさいデザインが目に入らず、家(オフィスでも)で使うのに適しているという面もあります。(

          惰性を断つ。お酒を辞めて、1年ほど経った。

          生きていると、惰性でなんとなく・・・となっている習慣や癖ってありますよね。これを辞めてみると、意外と問題もなく、自分に自信がつくというか、コントロール可能だということに喜びに感じます。僕の場合は、お酒です。 何か合った場合や、取材などで味見をする必要があるときは飲みますが、基本的に、アルコールを飲むのを辞めました。僕の場合、もともと毎日飲んでいたわけでもないのですが、飲みの場に行くと、惰性でアルコールを選んでいました。 直接のきっかけちょうど一年ほど前に取材でメキシコシテ

          惰性を断つ。お酒を辞めて、1年ほど経った。

          地元を再発見する"メガネ"として手書き地図のススメ

          先週、「プライド・パレードに見る「理想を体験してもらう」社会運動のデザイン」というエントリーを書いたところ、note編集部のオススメ記事にも掲載していただき、意外とこういった「仕組みのデザイン/体験のデザイン」に関しての記事もニーズがあるのかもなぁ、と感じました。 ちょうど、8月1日に我らが手書き地図推進委員会の本「地元を再発見する 手書き地図のつくり方」が発売されました。どうしてこんな手書き地図というアナログで誰でもできるものを推進する活動をしているのかという話をnote

          地元を再発見する"メガネ"として手書き地図のススメ

          プライド・パレードに見る「理想を体験してもらう」社会運動のデザイン

          参議院選挙終わりましたね。公職選挙法があるので、どうしても決まったことしかできないのはわかるのですが、本来自分たちの主張を伝えて共感してもらうための工夫やデザインをしないとマズイのでは?という問題意識が生まれました。 一方で、プライド・パレードに遭遇すると自分たちの理想を体験してもらい、参加者だけでなく遭遇した人も共感してもらえるデザインが良くできていると、感心します。これからの時代は、デモなどでも、自分たちのメッセージを伝えるのにちゃんと体験的なデザインを取り入れていくの

          プライド・パレードに見る「理想を体験してもらう」社会運動のデザイン