小説のネタはぜんぶツイートしてしまった方が良い

スピッツはどの曲を聴いても新しすぎず古びておらず、すべての曲が好きなのだけど、その中に「冷たい頬」という名曲がある。

「あなたのことを 深く愛せるかしら」子供みたいな 光で僕を染める

という歌い出しではじまり、別れた恋人との幻みたいに楽しかった日々を歌う。

この曲の中に、次のような一節がある。

さよなら僕の かわいいシロツメクサと手帳の隅で 眠り続けるストーリー

ここでいう「ストーリー」というのは、もちろん恋人との幸せだった日々のことだろうけど、小説を書いている人の中には、比喩としてではなく本当に手帳の隅で何年もストーリーを温めている人がいるのではないだろうか。

僕は、小説に書きたいことを思いついたら基本的にどんどんTwitterに書くようにしている。売れている作家ならば次回作の構想を隠した方が期待度が高まって良いかもしれないが、僕みたいに特にファンがついていない同人小説家であれば、ぜんぶツイートしてしまった方が良い。

そのネタは本当に面白いか?

ネタを死蔵してしまうのは、そのネタが素晴らしくて、最高の状況で見せたいと考えているからだろう。しかし、ここには2つの問題点がある。

まず、そのネタが本当に素晴らしいとは限らないことだ。小説という形態が日本に登場して100年ほど経っているし、紀元前から世界中に物語は存在している。にも関わらず、なぜ一介の同人作家が素晴らしいネタを思いつけるなんて自信を持てるのだろうか。そういうネタは得てして二、三年死蔵された挙句、当人は渾身で書いたつもりでも「〇〇に似てますね」という評価で終わったりする。

また、この素晴らしいと思っているネタにすがりついている限り、他のネタを考えようとすることができなくなってしまう。これが2つ目の問題点だ。量より質が大事だが、1つのネタにこだわっているとそもそも質を判定するのが難しいし、次に良質なネタが出てくる可能性を潰してしまう。

思いついたネタはツイートしてしまう

だから、思いついたネタはまずツイートしてしまうことをお勧めしたい。これには、以下のような効果が期待できる。

・スマホで思いついた瞬間にメモできるので、ネタを新鮮な状態で記録しておける。専用のタグを用意すると、後で検索できて良いかもしれない。
・1ツイート140字までなので、ある程度要約する必要がある。また、他の人に読まれることを意識するので、そのネタの面白いポイントを自分の中で整理することができる。
・お気に入りやリプライの数で、そのネタが優れているかどうかがわかる。似たような発想や問題意識の作品があれば、フォロワーの人が教えてくれるかもしれない。
・そのネタが面白ければ、拡散されて新しい人が自分のことをフォローしてくれるかもしれない。そしてそういう人は、そのネタが小説になったときにちゃんと読んでくれるだろう。

こうして並べてみると、ツイートしない理由が見つからないのではというくらいに良いことしかない。

繰り返し書くが、これは基本的に無名の同人作家がやると良いことだ。有名な推理作家がトリックをTwitterでネタばらししたら、その本は売れなくなってしまうだろう。

しかし、同人作家そもそも自分のことを知っている人の方が少ないのだから、手の内をさっさと明かして自分の考えを色々な人に知ってもらえて方が得だ。

ネタばらしがどうしても嫌だという人は、作品を書く前に「まえがき」やキャッチコピーを考えるつもりでいると良いかもしれない。その惹句が有効か、実際に書く前に世間に問うことができれば、たくさんの人に読んでもらえそうな作品を書く時間を優先的に取ることができるだろう。


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あとーす

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コメント1件

確かにツイッターのおかげでネタのメモには困らなくなりましたね
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