劇団の情報宣伝における地上戦と空中戦

熊本のstudio in.K.という場所で演劇の制作だったり広報だったりということをやっているのですが、何かのきっかけで「地上戦」「空中戦」という言葉が出てきて、これから演劇やイベントのの広報・宣伝などをする方の参考になるかもしれないと思ったので、ちょっと書き残しておこうかと思います。

演劇などのイベントにおいてもっとも重要な宣伝手法は「地上戦」です。つまり、劇団員の友人や知人、親戚などにチケットを売ること。無名の劇団の場合は、この集客手法がほとんどという場合も多いはずです。

なぜ重要かというと、大抵は「やった分だけ返ってくる」からです。本当に行きたくなければ適当に断られるかと思いますが、親しい人からお誘いがあれば、「まあ行ってみても良いかな」という気分になります。自分の知らない扉を開けるし、自分の知っている人の知らない一面を見られるので、なかなか楽しいんですね。だから、演劇の客席をいっぱいにしたい場合は、まず知り合いを徹底的に当たっていくのが良い戦法です。

しかし、残念なことに僕は友だちがそれほど多くありません。特に、普段の生活圏は福岡なのに熊本の演劇制作を手伝っているので、普段接している人たちを呼ぶことがなかなかできません。

それで割と悩んでいたのですが、色々と話しているうちに、僕は「空中戦」なら手伝えるんだなということに気づきました。 空中戦は、Webサイトやインターネットなんかを使った宣伝です。僕はサイトをいじったりSNSで発信したり、文章を書いたりするのは好きだし、続けていくことができます。

しかし注意しておきたいのは、空中戦は即効性が期待できないということ。また、どのように効果が出ているのかも目には見えてきづらいです。しかし、知り合いばかりを呼んでいてもいつかはジリ貧になってしまいます。まず目の前の公演を、今できうる限りたくさんのお客様に観ていただくというのは地上戦に任せて、僕はもっと遠くの人へ届けるために、空中戦を頑張っている、というようなことをやっています。

地上戦には銀の弾丸があります。知り合いを増やして、その人たちに積極的にアプローチすれば良いのです。これは、人によってはとても難しいことだし、人によってはとても簡単なことです。素晴らしい役者は交友関係が広いことも多いので、どんどんお客さんを連れてくることができます。ちなみに僕は、それが銀の弾丸だとわかっていても、なかなか実践することができません。

空中戦には銀の弾丸がありません。少なくとも、今の僕はそう思っています。まだ僕たちのことを知らない人に、どうやって興味を持ってもらおうか。「演劇のチラシを違う場所で3回くらい見たら行こうかという気持ちになる」と、この前演劇をやっている方に聞きました。それでは、演劇を観たことがない人に届けるためには10回も20回も見てもらわなければならないし、それを「これは私が見るべき作品!」と自分ごと化してもらわければなりません。そのためにはどうすれば良いのかということを、ずっとずっと考えていたりするわけです。

何か面白そうな方法があれば、またここにも書かせていただきたいと思います! 少なくとも、僕はnoteでin.K.のあれこれを書いて反響をいただいているので、まずは劇団の状況などを書いてみるのは有効じゃないかなと思っております。

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