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[就活]技術面接で気をつけたこと

企業の技術面接って何聞かれるの?研究発表と違うの?学会と同じ感じかな?と不安になりますよね。今回は技術面接で気を付けたこと、少し工夫したことについて書き連ねました。

お久しぶりです。博士理系学生の花鶏です。
就活に関する記事はこれで終了にしようと思います。
これから面接に挑むという方は、よければ参考にしてみてください。

自己分析の方法・志望動機や研究概要の書き方については以前のnoteに書いたのでそちらを参考にどうぞ。


技術面接とは?

まずは技術面接の意味と目的から確認していきましょう。
何事も対策には敵を知ることからです。

「技術面接」とは、技術職や研究職の採用に行われる面接のことで、主に大学や大学院での研究について質問をされます。

理系の就活で実施されるのが特徴であり、パワーポイントなどの資料を用いてプレゼンを行う場合も多いです。プレゼン内容に関する質疑応答がメインで、一般的な面接によくある質問も行われます。

Career ticket

私は製薬研究職の枠で就活を行っていましたが、いずれも技術面接は存在していました。いずれもPowerpoint資料をもとに3分~10分程度の発表を行うといった内容でした。会社にもよりますが、5割がプレゼン内容からの質問、3割が研究概要書からの質問、2割が履歴書の内容やよくある質問でしたね。面接官はいずれの会社も30~40代の中堅社員で技術職に就かれている方で、就活生の研究に比較的通ずる方が割り振られていたように思います。

技術面接の目的

技術面接を経験した上で、技術面接で面接官が就活生から知りたい情報は以下の内容と考えています。

  1. プレゼンテーション能力

  2. 論理的思考能力・課題解決能力・仕事に対する姿勢

  3. 技術力や専門性

1. プレゼンテーション能力

プレゼンテーション能力はいわゆるアウトプット能力です。
いくら研究ができても、その成果を人に伝える能力がなければ支持されず、
偉大な成果も日の目をみることなく死蔵されることとなります。

面接官の方は基本的に就活生に比較的近い専門の方を配置されていますが
一方で、就活生の研究内容については初めて知る内容がほとんどと思います。つまり就活生の研究発表時に限定すると知識が浅い方たちといえます。

その中で面接官が理解できるプレゼンができるか?質問された内容を理解して適切な回答を返すことができるか?資料を分かりやすく作成する能力があるか?時間内に説明するという規定を順守する能力があるか?
といったことを確認しているわけですね。

2. 論理的思考能力・課題解決能力・仕事に対する姿勢

技術面接では「どのように課題を特定し、どのように考えて仮説を立てて、どのように実験計画を組み立てたのか?その結果をもとにどう考察して次に繋げたのか?」といった研究者としての資質・素養も確認しています。

このような論理的思考能力・課題解決能力に欠如している場合、"人の指示でしか動けない人間"ともいえます。(これはこれで向いている職はありますが、研究者としては向いていません。)

これらは仕事に対する姿勢の確認ともいえます。
面接官は将来上司となる可能性を秘めている方々です。つまり、「一緒に働きたいと思える人間」を探しているんですね。

就活生は学生なので、教員や先輩に助けられながら実験してその成果を面接で発表します。しかしながら、その成果に対して"どの程度就活生が貢献しているか"、 "就活生が実際に考えた部分、手を動かした部分はどこなのか"を把握し、「これまで研究を自分で真面目にやってきた?うちに入社して仕事こなせる?」ということを確認したいわけです。

3. 技術力や専門性

技術力や専門性については学生時代の研究内容と入社後の業務内容で全く異なる可能性があるので一概にはいえません。

しかしながら、志望企業に合致する、あるいは必要としている技術・専門性を会得しているというのは大きなアピールポイントとなります。

合致していない場合でも、自身の研究内容に関する技術力や専門性を高めることは、これまで就活生が努力してきた証であり、未経験分野への学習意欲とポテンシャルのアピールにもつながります。

技術面接で気を付けたこと

さて、目的も確認したことで大体何をすればいいのか、気をつければいいのかはお察しかとおもいますが、一応そのなかで特に、というのを書いておきますね。

1. 制限時間に注意

就活生が貴重な時間を割いて就活していると同様に、企業の方たちも貴重な時間を割いて面接しています。5分と規定された発表時間なのにダラダラと発表時間が延びてしまった、などといったことは発表後の工程を狂わせ、非常にマイナス印象を与えます。私の対策としてはストップウォッチを片手に制限時間内に収まるように何回か練習しました。

グループワークで同グループ全員が研究発表し合う、という場がありましたが、一人が大幅に発表時間をオーバーして「これ全員発表できるんだろうか」とハラハラしたこともありました。その方への質問タイムも正直周りは時間を気にするばかりでお通夜状態でした。きっと技術面接で発表時間オーバーされたときの面接官の気持ちも同じようなものでしょう。

2. 質問に対して適切に答えを返す

最初に耳にしたときとても驚いたのですが、"質問に対して適切に答えを返す"ことができない就活生が意外と多いそうです。

友人が就活で内定頂いたときに「なぜ自分が内定頂けたのですか?」と聞くと、「こちらの質問に対して適切に答えを返してくれたのが君だけだったから」と言われたそうです。あくまで憶測ですが、想定質問についての答えを完璧に固めてしまうことによって、多少内容の異なる質問でも自分が答えを考えてきた想定質問に当てはめてお決まりの内容を返してしまうのでは?と考えました。

ここで言いたいのは"質問に対して適切に答えを返せる"、それだけで大きなアドバンテージになる、ということです。

私の対策としては、「こういう質問がきたらこういう話をするかな」くらいに考えておいて、一言一句完璧に考えて暗記しておくといったことはしませんでした。ちなみに一言一句完璧に覚えたはずの志望動機は最終面接で緊張で頭パーンしたので全然出てきませんでした。ヒトには向き不向きがあります。一方で、学会などの経験もあるので発表に対する質問や突拍子もない質問についてはその場で落ち着いて考えてフランクに返していました。面接はお互いを知るための対話、と捉えることで身構えることが減ったと思います。

3. 相手の専門領域に無理に合わせようとしない

自分の研究に興味を持ってほしいがために、企業側の専門領域に無理に合わせようとしていませんか?私自身、初期は無理にでも合わせようと考えていたのですが、自分の経験としても、周囲の方々の経験談を聞くにも極力はNGです。

発表で話した内容は、専門領域内として捉えられます。相手のほうが詳しい領域について、生半可な知識で話すのは藪をつついて蛇を出す行為です。この就活生さん、あまり勉強していないんだな、と思われるだけです。

とはいっても自信がある範囲でしたら話していきましょう。
ただ、張り合うのはやめましょう。

私は学会経験が邪魔をし、時には張り合いたくなる場面もありました。しかしそこはぐっと抑えて「この範囲内では~とお答えできますが、この範囲外では専門外でして分かりません。これから勉強してまいります」などと無難に答えていました。面接は学会ではなく、面接官は敵ではないのです。分からないことは素直に「分からない」で大丈夫です。

4. 指導教員への前もっての相談

輝かしい研究内容、すべてベラベラと話してしまいたいところですがそこはそれ。あとから大問題に発展すると困りますし秘匿事項を話す人間と判断されても困ります。

自身の研究内容について、就活でどこからどの範囲まで話していいのかは、指導教員の先生に前もって相談していました。秘匿事項は単純に「これ以上は言えないです」の一言で面接官の方も分かっていただけます。

技術面接で工夫したこと

1. アイスブレイクトークをいれる

アイスブレイクとは、氷を解かすことの意味。初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法です。

就活生と面接官は面接の場が初対面であり、さあ面接しましょう、というときにその場には緊張感が双方にのしかかるわけです。しかし研究発表を行い、内容を理解していただくにあたってその緊張感は少々邪魔になります。

面接官の方々が逆に就活生の緊張をほぐそうとしてくださる場合も多いのですが、私はあえて最初に10~30秒程度自分でアイスブレイクトークを入れるようにしていました。とはいってもなんちゃって程度のものですが。

発表時間が短い時は「今とても緊張しています」といった一言ですね。フランクな面接官の方ですと「そうですよね」とうなずいて気持ちをほぐしてくださります。
発表時間が長くなれば「私の研究領域の●●について皆様ご存じでしょうか、聞いたことくらいはありますでしょうか、あ、頷いてらっしゃる方がおられますね、ありがとうございます。」などの相手の反応を少し見る質問形式も行いました。
特殊な場合ですと「実は本日国際学会で、この面接の後に英語での口頭発表が控えておりまして。もう目が回りそうですがやっていきたいと思います」なども言いました。このときはかなりウケがよかったです。
簡単な自己紹介を交えてアイスブレイクを行う方も見たことがあります。

自分自身のいつもの調子を取り戻す、という点でも役に立つので
ぜひ、自分なりのアイスブレイクトークを考えて活用してみてください。
私はこういった点が評価されたのかプレゼン慣れしてるね、と面接最後に言われることがありました。

2. あえて失敗談を入れる

研究発表、となると自分の輝かしい成果のみを入れたくなります。頑張って行った実験が良い結果ではなかった。そんなこともあるでしょう。

しかし、こういった失敗談を省いてしまうのは実はもったいないのでは?と考えました。面接での研究発表はあくまで就活生自身のアピールのためのものであって、学会などの場で研究そのものをアピールするものとは異なります。

企業の方が求めているのはそんな失敗時に、私がどう考えてどう行動したか、だと思うのです。これらの説明を通じて論理的思考能力や課題解決能力ありますよってことをアピールしていくんですね。

3. 読めば理解できるプレゼン資料作成

自分のためにも、面接官の方のためにも、プレゼン資料はきっちり作りましょう。

プレゼン資料を読むだけで理解できる内容になっているということは、プレゼン時に情報が不足していても聴き手側が資料から勝手に理解してくれるということです。話すことでさらに理解が深まる、と考えましょう。

そしてプレゼン時はカンペはNGです。カンペを見ている、見ていないはオンラインでも顔が映っていれば基本バレます。カンペを見なければ説明できない人よりも、カンペを見ずに説明できる人のほうが採用したいと考えると思います。内容が覚えられないならば、覚えてなくても説明できるようにプレゼン資料に情報をちりばめておきましょう。本番の自分を十分に助けてくれます。

最後に

技術面接は基本的にこれまでの研究内容・研究生活を通した就活生の姿を面接官の方々は見られていると思います。自分がこれまでしっかり研究に取り組んできたならば、あとは少し、面接のための準備をするのみです。

皆様に良いご縁がありますように。

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