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2024PGAツアー ザ・CJカップ バイロン・ネルソン


1.日程及び会場

〇日程 2024年5月2日~5日
〇会場 TPCクレイグランチ(テキサス州)
〇全長 7414Y(Par71)

2.結果

優勝 テイラー・ペンドリス -23
  (ツアー初優勝)

2  ベン・コールズ    -22

3  アレックス・ノレン  -21

T4 S.H.キム     -20

T4 アーロン・ライ    -20

T4 アン・ビョンホン   -20

T4 マット・ウォレス   -20

8  ジェイク・ナップ   -19


3.二転三転と局面が変わった本大会

〇最後の最後まで勝負を諦めずに掴んだツアー初優勝、テイラー・ペンドリス

 最後の最後まで分からない試合でした。
 3日目首位スタートのテイラー・ペンドリスが、同じ最終組で回るベン・コールズ、先に回るアレックス・ノレンの猛追があり三つ巴の戦いに。
 16H(Par4)を終わってペンドリスとコールズが22アンダーで並び勝負は最終盤に。
 17H(Par3)でコールズがバーディーを奪ったのに対し、ペンドリスがアプローチをミスして窮地に立たされましたが、パーパットを何とか決めました。コールズとペンドリスは1打差です。
 そして72H目にドラマが待っていました。

〇1打リードのコールズに起きた”まさか”

 最終18H(Par5)を乗り切れば地元テキサスで嬉しいツアー初優勝を挙げられるコールズ。
 2打目でクリークを超え、グリーン周りのラフから打った3打目がミスショットでグリーンに乗らずバンカー際のラフに。
 スタンスがとれない中で第4打のアプローチが寄らず、パーパットも外しまさかのボギー。
 そして2オンしたペンドリスが確実に2パットのバーディーでおさめ、嬉しいツアー初優勝を挙げました。

〇ヒューズの”手易しい”祝福

 優勝したペンドリスに対し、同郷のマッケンジー・ヒューズは祝福として缶ビールを易しく彼にかけてあげました。
 それもそのはずで昨年のカナディアンオープン、トミー・フリートウッドとの4Hにも及ぶプレーオフによる激戦を制し、69年ぶりにカナダ人として同大会に優勝したニック・テイラーを祝福しようとしてシャンパンシャワーをしようとしたヒューズ。
 ところがヒューズが飛び出してシャンパンを振りかけようとした瞬間にガードマンに取り押さえられ、テイラーを祝福できなかった過去があったため今回はこのような祝福となりました。

〇一大勢力になるカナダ勢

 ペンドリスが優勝の輪に加わったことで、カナダ人選手の層がまた厚くなりました。
 ペンドリス、テイラー、コナーズ、アダム・ハドウィン、アダム・スベンソンとPGAツアー優勝経験者が増え、今年自国開催のプレジデンツカップにインターナショナルチームで誰が入るのかが興味が湧きます。
 加えてパリ五輪の男子代表もより熾烈になることは間違いありません。
 インターナショナルチーム主将であるマイク・ウィアも、自国選手がどんどん出て来ることに嬉しい悩みを隠せないでしょう。

〇地元で英雄になり損なたコールズ

 一方最終ホールをボギーとし、掴みかけたタイトルを自分で躓き取り損なってしまったコールズ。
 優勝への重圧が最終局面で一気に出てしまました。アプローチミスしたときはもう頭の中は真っ白で、ホールアウト後目が潤んでいました。
 立ち直るきっかけを早く掴みたいところです。

4.スポット参戦の蟬川泰果、PGAツアー初のトップ10

 本大会のスポット参戦で出場した蟬川泰果。2日目までは優勝を狙える位置につけての週末でした。
 3日目は12H(Par4)でトリプルボギーを叩いたのが響きスコアを1つしか伸ばせなかった中での最終日。
 6H(Par4)でのイーグルを含め、1イーグル7バーディー2ボギーの7アンダー64で回り、トータル18アンダーでPGAツアーに出場し自身初のトップ10となる9位タイで終了しました。
 これにより次戦のマートルビーチクラシックに出場が可能となりました。


5.雑感

〇クリス・キム、PGAツアー初戦で”完走”

 本大会にスポンサー推薦でPGAツアー初出場を果たしたイングランドの16歳、クリス・キムが4日間を完走しました。
 PGAツアー史上、5番目の若さです。
 欧州でジュニアタイトルを数多獲得し、ジュニア版ライダーカップでも世界ジュニアランク1位のマイルズ・ラッセルを負かす程の実力者。
 プロ達に入り混じったフィールドでも臆することなく4日間を戦い抜き、6アンダー65位で大会を終えました。

〇PGAツアー初、障がい者の大会を開催

 DPワールドツアーではすでに組み込まれている、本戦前に2日間障がい者プロゴルファー達で競われるプロツアー、通称G4Dツアーが初めてPGAツアー内で行われました。
 障がい者の理解を深めるために開催されるこのツアー、すでに欧州では障がい者ゴルファーに対する理解が深まっています。
 米国でもこれが浸透し、世界中に広まることを望みます。

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