kenchikutantei

一級建築士/建築設計事務所勤務。 とある資格学校の製図講師。 基本的に一級建築士製図試…

kenchikutantei

一級建築士/建築設計事務所勤務。 とある資格学校の製図講師。 基本的に一級建築士製図試験のことを書いています。ほとんどの内容はどの講師でも教えてくれるものですが一部どうしようもない講師がいることも事実でそのような講師に当たってしまった方を想定して書いています。

マガジン

  • 一級建築士製図試験のあれこれ

    資格学校の講師の立場から色々なことを書いていきます。受講に多額のお金が必要なことからモヤモヤする人もいると思います。そんなモヤモヤを少しでも解消する一助になればと思います。

最近の記事

  • 固定された記事

エスキスのコツ〜平面検討・プランニング

はじめに 9月になりました。いよいよ学習の中心が作図からエスキスや記述へと本格化してくる時期です。先日「エスキスが苦手な受講生の共通点」にて書きましたが、エスキスができていない人は今年も今の所同じような傾向で、既受験生は変な癖がついていて情報整理仕切れていない人が多く、初受験の人は整理した情報の使い方に戸惑っている、という印象です。  条件整理が完璧でも平面検討になるとイマイチわからない、ピンと来ない、何から考えていいかわからない、こういう人たちは実際多いです。そもそも仕事で

有料
3,500
    • 一級建築士製図試験の勝算

      はじめに先日、「2024年一級建築士学科試験合格者数予想、製図受験有資格者数について」という記事を書く中で「学科に合格した人は最終的にどの程度製図に合格しているのだろうか」と思い数字を調べました。 直近の製図合格率は33%、総合合格率は10%なので非常に難しい試験という印象はありますが実際には学科合格者の70%以上が最終的に一級建築士になっています。カド落後に再度チャレンジする方もいることから諦めて試験から撤退する人はそこまで多くないのではないか、と思います。 本記事はこう

      有料
      0〜
      割引あり
      • 2024年一級建築士学科試験合格者数予想、製図受験有資格者数について

        はじめに昨年「2023年一級建築士学科試験合格者数予想、既受験製図合格率について」という記事を書き、その中でR5年学科合格者数予想を5700名程度だろうとしました。実際には学科合格者数は4562名でおよそ1100名の差があり、記事の内容に大きな誤りがあることがわかりました。 本記事では「2023年一級建築士学科試験合格者数予想、既受験製図合格率について」において誤りであった内容の確認、およびR5の結果も踏まえて改めてR6年の学科合格者数や学科免除者(製図受験有資格者)数を予

        有料
        0〜
        割引あり
        • 2023年一級建築士製図試験の合格基準、標準解答例について

          はじめにR5年試験、個人的な大体の振り返りは年始には終わっていましたが諸々多忙のためまとめるのが遅くなってしまいました。 受験生の方にとっては随分と昔のことで振り返りの必要もないかもしれませんが個人的には整理の意味もあります。 不合格になった方はすでにR6試験をどのような態勢で(資格学校or独学、長期or短期etc)受けるのか、または保留という形をとるのか、決めている人も多くいるでしょうが、今一度自身の不合格要因を見つめ直すことで学習の目的を明確にするという意味で本記事を今

          有料
          2,000〜
          割引あり
        • 固定された記事

        エスキスのコツ〜平面検討・プランニング

        マガジン

        • 一級建築士製図試験のあれこれ
          54本

        記事

          長期に行くべき人、行かなくてもいい人

          はじめにこれまで折々に書いてきたように私は長期講座に否定的なのですが、その主な理由としてほとんどの人が短期(ないし中期)で十分合格可能だと思っているからです。 ただXにも書いたように「長期でしか無理だ」と思う人も当然いるわけで、この記事ではその辺りのことを書くので受講する方の参考にしてもらえればと思います。 長期に行くべき人「長期に行かなければ合格できない」と感じる人の方が少ないのでそれが「どういう人なのか」を明確にすることで「それ以外の人は短期でも大丈夫」ということを書

          長期に行くべき人、行かなくてもいい人

          2023年一級建築士製図試験 本試験課題エスキスと感想

          はじめにエスキスと解いてみての雑感、復元図の傾向や合否のポイント(後日追記)になりそうなことなど書いていきたいと思います。なお、内容は全て個人的見解によるもので特定の資格学校の見解等とは全く関係がないことご承知おきください。 雑感とポイント近年課題の自由度が高くなっており、昨年、一昨年についてはその自由度が難しさの一因となっていた(R3:住戸数以上要求、R4:階数自由)のですが、本年の課題においてはその自由度ゆえにここ数年で最も解きやすかった課題となったように感じました。

          有料
          3,000〜
          割引あり

          2023年一級建築士製図試験 本試験課題エスキスと感想

          今年もサプライズはあるのか(斜面地のポイント)〜2023版

          はじめに毎年書いている記事を今年の内容を踏まえて書き直したものになります。 前半はほとんど例年と同じ内容ですが有料部分を少し改変しています。 また、今年もここ数年に続き斜面地の課題が無かったのでそのポイントをサプライズというより出た場合の準備ということで画像も用いて詳しくまとめました。 他の、ダメ講師が担当になっている受講生に伝えておきたい内容をまとめた記事とは異なりこの記事の内容は僕の個人的な考えです。 土曜日の直前を受講する方はおそらく似たり寄ったりのことを講師から言わ

          有料
          1,000〜
          割引あり

          今年もサプライズはあるのか(斜面地のポイント)〜2023版

          エスキスのコツ〜条件整理・試算①②③・平面検討(2023版)

          はじめに今年は久しぶりのゾーニングタイプであることで当初から想定していた通り断面検討に手こずる受講生が多く見受けられます。またここ数年基準階タイプが続いたこともあって既受験生でもつまづいている方が多く見られます。 課題が「図書館」であることで「小部屋をパズル的に操作するというより大きなボリュームを効率よく配置出来るか」という所がポイントであり、断面検討にしろその後の平面検討にしろ思考の手順(考えるべきことのプライオリティ)がはっきりわかっていないため考え得るパタンが多すぎて

          有料
          4,000〜
          割引あり

          エスキスのコツ〜条件整理・試算①②③・平面検討(2023版…

          作図スピードを上げるコツ③

          はじめに「作図スピードを上げるコツ」では「意識」について書きました。 また「作図スピードを上げるコツ②」ではより具体的な「方法」について書きました。 この「作図スピードを上げるコツ③」では①と②をつなぐ「トレーニング」の内容について書きたいと思います。 作図学習の流れ一般的には初回の講義で作図の手順や注意点を学びながら実習し、その後2週間の学習を経てお盆の有料作図講座で平均的な作図力を獲得することが初受験生の当面の目標になります。 講師側としては初回講義とお盆の有料作図講

          有料
          1,000〜
          割引あり

          作図スピードを上げるコツ③

          2023年一級建築士製図試験課題「図書館」

          はじめに今年の課題が発表になりました。例年通り「所感」をまとめたいと思います。 念のため、内容は完全に個人的な見解であって資格学校等により客観的な妥当性が保証されているものではないことご承知おきください。 発表内容まずは発表内容についてですが、ここ数年同様大きな変更点は見られません。 ただ【要求図書】に記載のあった(注)が全くなくなりました。(注)は元々課題用途を補足する「ヒント」の意味合いが強かったのですが一昨年より「ヒント」の意味合いは薄れ法令遵守を意識付けるようなも

          有料
          0〜
          割引あり

          2023年一級建築士製図試験課題「図書館」

          「読解力」について

          はじめに先日ツイッターでちょっとした炎上を起こしてしまいました(ビリケツさんという方がまとめてくれています)。 内容についても不適切な面がありましたが一番の原因は【講師という立場】で【人を見下す】言葉を書き込んだことだと思っています。 この事についてはツイッターにも書いた通り私の未熟さの現れだと思います。 ただ、その【人を見下す】言葉=「読解力が低い」については伝え方、伝える形が間違っていたとは言え本心から出た言葉でした。なぜ「読解力が低い」ことに過剰反応してしまったかについ

          有料
          1,000

          「読解力」について

          長期に行かない人のエスキス学習

          はじめに「長期に行かない人の製図試験学習」という記事内でエスキスについて、結論として「出来ることとはプランニング、平面検討の復習です」と書きました。 これは間違いでは無いですしやるべきことではあるのですが、最近幾人かに具体的にアドバイスをしている中で「この学習では意味がない、あるいは出来ない人もいるな」ということに気付きました。 というのも、「プランニング、平面検討」が自主学習で行える受験生は(もっと言えば、その学習で一定の効果が得られる受験生は)既にある程度のエスキス力を持

          長期に行かない人のエスキス学習

          2022年一級建築士製図試験の合格基準、標準解答例について

          はじめに年も明け昨年本試験の結果については冷静に振り返りが出来る頃だと思います。不合格になった方は自身の図面を振り返り、不合格となった原因をしっかりと確認するとともにR5試験をどのような態勢で(資格学校or独学、長期or短期etc)受けるのか、または保留という形をとるのか、決めた方が良い時期でもあります。本記事並びに先日アップした記事「2023年一級建築士学科試験合格者数予想、既受験製図合格率について」を今後の方針決定の参考にしてもらえればと思います。 ↓試験元公表の「令和

          有料
          2,000

          2022年一級建築士製図試験の合格基準、標準解答例について

          2023年一級建築士学科試験合格者数予想、既受験製図合格率について

          はじめに昨年、潜在的な製図試験受験有資格者が増えており、その影響で学科合格者数も5000人程度で推移するだろうという事を書きました(2021年一級建築士製図試験の合格基準、標準解答例について)。ただR4年は学科合格者が6300人程度と増え、合格率も5%ほど上昇しました。にも関わらず製図試験受験者は約1万人と同程度になっています。つまり潜在的な製図試験受験有資格者はむしろ少ないという結果です。この想定とは異なる結果について気になったため、細かくこれまでの合格者数等の数字を再度具

          2023年一級建築士学科試験合格者数予想、既受験製図合格率について

          2022年一級建築士製図試験 本試験課題エスキスと感想

          はじめにエスキスと解いてみての雑感、復元図の傾向や合否のポイントになりそうなことなど書いていきたいと思います。なお、内容は全て個人的見解によるもので特定の資格学校の見解等とは全く関係がないことご承知おきください。 本試験エスキス①(7階建・片コア)雑感とポイントここ数年では間違いなく最も難しい課題だったと思います。難しさの種類としてはR1のような縛りの強さではなく昨年本試験のような自由度の高さによるものでした。ただその高い自由度を根拠を持って処理出来ればゾーニングやアプロー

          有料
          3,000

          2022年一級建築士製図試験 本試験課題エスキスと感想

          今年もサプライズはあるのか(斜面地のポイント)〜2022版

          はじめに毎年書いている記事を今年の内容を踏まえて書き直したものになります。 前半はほとんど例年と同じ内容ですが有料部分を少し改変しています。 また、今年は昨年に続き斜面地の課題が無かったのでそのポイントをサプライズというより出た場合の準備ということで画像も用いて詳しくまとめました。 他の、ダメ講師が担当になっている受講生に伝えておきたい内容をまとめた記事とは異なりこの記事の内容は僕の個人的な考えです。 土曜日の直前を受講する方はおそらく似たり寄ったりのことを講師から言われる

          有料
          1,000

          今年もサプライズはあるのか(斜面地のポイント)〜2022版