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架空書評:片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』

※本書評はこの本を読んでない筆者がタイトルのみから連想し、架空で拵えたものです。
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最近、前髪の後退が気になる捜査一課の吉崎慎也は、誤ってピストルでお内裏様のコメカミをぶち抜いてしまい、仕事をクビになってしまう。その時の射撃は大変に見事で、お向かいのマンションの1室に飾られたひな人形に向けて、自室から発砲し、誰も傷つけることなくぶち抜いたのである。

なぜ?

答えはひとつ。ぶち抜きたかったから。吉崎は子供の頃から思い立つと理性の鎖虚しく行動にうつしてしまう傾向があり、捜査一課に入れたのは完全にコネだったのだ。

本書がタイトルに掲げる「愛」とはかけ離れた吉崎のキャラクター。読者は当然に不安になる。このタイトルに見合う物語をこのクレイジーモンスターは提供してくれるのかと。

結論からいうと、吉崎は世界の中心にも行かないし、愛も叫ばない。これは読者への裏切り、冒涜かと思いきや、読後我々はそのタイトルに納得し過ぎているのだ。なぜなら、私は世界の中心で愛を叫んでいるからである。

プロ書評家として、ネタバレを覚悟でなぜそんなことになっているのかを解説しよう。

本書は1冊6800円で販売されているが、読み切った後には6850円のキャッシュバックが確約されたQRコードが発行される。当然私も金に目が眩んでこのコードを読み取るのだが、読み取った端末には、「気をつけて!」というポップアップが表示され、以降操作ができなくなる。焦る私をよそに、目の前のコップが爆発し、破片のいくつかが、顔面に突き刺さる。どうやら、どこかからぶち抜かれたようで、辺りを確認すると窓に銃痕ひとつ。唖然とするも、冷静さを取り戻してネットで調べてみたところ、電車で目の前の人のスマホが爆発しただの、会社で部長の右耳が爆発しただの、ラブホで相手の乳首が爆発しただの…さまざまなブチ抜き事例が報告されており、被害は自分だけではないことに知る。まさか…ここで気づくのだ。吉崎の存在に。本当に…いる!

しばらくして、携帯に新しいポップアップ。
世界の中心に行け、さもないとお前の眉間をぶち抜くぞ。

どこだ?世界の中心は?私はネット調べる。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12639157
ここ!ここだ!いま私が世界の中心!

すると携帯に新しいポップアップ。
愛を叫べ、さもないとお前の眉間をぶち抜くぞ。

愛?愛とはなんだ?私はネットで調べる。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1161194996
文章ながい!!なげえよ!と私は叫んだのだ。

そう、愛とは長さなのである。本来短くて良いところついつい長くしてしまう。長くこの人といたい。もっともっと一緒にいたい。ネットで纏まりのない愛の質問も、それは愛に対する愛。愛を知りたいという愛ゆえに、つまらない日本語でよくわからない疑問を書き連ねては、自分の人生の貴重な時間を浪費しているのだ。

…ということを書け、というポップアップが表示され、私はネットカフェでこの書評を書き連ねている。さもないも私は眉間をぶち抜かれて死ぬらしい。

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…ということを書け、というポップアップが表示され、私はネットカフェでこの書評を書き連ねている。さもないも私は眉間をぶち抜かれて死ぬらしい。

…ということを書け、というポップアップが表示され、私はネットカフェでこの書評を書き連ねている。さもないも私は眉間をぶち抜かれて

生きたい。

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