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破れた布団を買い替えようとしなかった妻の話。

「いや、いいって。あたしは硬い布団の方が寝れるんだから」

妻はそう言うと、ぼくの提案を聞き入れようとしなかった。布団は破けて穴が空いているにも関わらず。

うちの妻はずっと破けていた布団を使っていたのですが、先日やっと買い直したんです。ですが、そこにはちょっとした気づきがありました。今日はそんなお話しです。

5年ほど前、三人目が生まれたことをきっかけに、ぼくらはホームセンターで5組の布団を買い直しました。お金があまりなかったぼくらは安い布団を買ったのですが、これがけっこう薄くて1年後にはぼくは背中が痛くなってしまったんです。

そのためぼくだけニトリのマットレスを買い、いまでも使っています。これの一世代前のやつです。めっちゃ柔らかいのでぐっすり寝れます。

https://www.nitori-net.jp/ec/product/7545061s/

ですが、妻は「あたしは硬い方が寝れる」と言って買い替えなかったんです。(まあ、そうなのか)と思い気に留めてなかったんですが、最近妻が背中が痛いと言い出したんです。

寝返りを打つのも痛いと言っていて、「さすがにもう布団変えようよ」とまた伝えたのですが、やっぱり聞く耳を持ちません。「硬い布団の方がいいんだって」の一点張りです。

ですが、先日、たまたま妻の布団で寝る機会があったのですが、ものすっごく布団が硬くて全然寝れなかったんですよ。岩の上で寝てるの?この布団の素材は岩石なの?ってくらい硬いんです。

それから布団が破けているせいか、下から冷気が上がってきてものすっごく寒いんですよ。雪山で遭難して隙間風が入る掘っ立て小屋に避難しているんじゃないかってくらい寒かったんですね。

こんな布団で寝てたら体調崩すわ!と思い、妻に「布団買い替えるからね」と伝え、ほぼ無理やり買い替えたんです。妻は最初は「いや、いいって!」と抵抗してましたが、あんな岩石に寝かせられないので、その日のうちにニトリのオンラインショップでポチリました。

届いたマットレスで寝た翌日、妻は「よく眠れるわー!」と晴れ晴れとした顔で言い、こないだなんて「今年一番のいい買い物だわー!」とまで言っていました。あんなに嫌がっていたのにえらい変わりようです。

妻はたまにポロっと言うんですが、自分のためにお金を使うことに罪悪感があるようなんです。

子どもの洋服、子どもの習い事、子どもたちが食べたいもの、どうしても子どもが三人もいると子ども中心の生活になってしまいます。お金の優先順位が子どもや家族全体のものが一番上にやってきますよね。

すると、自分へのケアがどんどんおざなりになっていくんです。その傾向はぼくより妻の方が高いようです。(ぼくは自分だけフカフカのマットレスを真っ先に買い換えましたからね)

家族優先の考え自体は素晴らしいものですが、だからといって自分を犠牲にし続けていたら家族を支えることはできません。だけど、どうしても妻は自分を後回しにしちゃうんです。妻もそんなことわかっているんです。

わかっているんだけどやめられない。家族が大切だから、自分がガマンすればいいだけだから、支出を抑えたいから、そうやって自分へのケアの順番を一番後ろに回し続けてきたんです。子どもたちは予想外アクシデントの塊ですから、「自分へのケア」を後回しにすると、いつまで経っても順番は回ってきません。

そうやって妻は硬く破れた布団に寝続けてきた。硬い布団が好きだったわけじゃないんです。「自分に優しくすること」に許可を与えることができなかっただけなんです。

「硬い布団の方が寝れるから」

妻はそう言っていましたが、ただ家族や家計のことを思うあまり、望みを大きな声で言えず、遠慮し続けていただけだったんです。

「買い替えなくていいから」と言い続ける妻の口調は強いものだったので、それ以上は踏み込んでこなかったですが、今回よくわかったんです。

母親は、いつだって自分を後回しにする。

ってことを。

妻がもっと自分を大切にできるように、ぼく自信が環境を整えていかないとかもですね。素直な気持ちを表現できるような安心感をもっと提供していきたいな。

そう思えた出来事でした。

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