あつあつあつし

映画やnetflixのレビューやら。おもろい音楽と映画と本があれば。

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短編小説『グロリアス尾道』

    • 短編小説 『橘一丁目』

      • 映画やドラマに本とあれこれ その3

        書籍『反逆の神話』 「誰がカートコバーンを殺したのか」 冒頭のこの一文にすっかりやられてしまい、昼休みに会社を抜けて購入した本。 これはパンク少年だった筆者が、冒頭のカートコバーンを筆頭に、パンクロックやヒッピー文化、フェミニズムやBLM運動といった、既存体制を打ち負かすための運動=カウンターカルチャーが何故、当初目的としていた既存体制の打倒を成し遂げることなく逆にその思想を骨抜きにされ、ファッション(商品)として組み込まれてしまうのか、その仕組みについて説明する本である

        • 短編小説 嶺上開花

        短編小説『グロリアス尾道』

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          旧酒断ち日記

          8月16日(月)メキシコ人の友人、Jとの闘いによる足裏の負傷(筋肉、臓器に達する創傷処理 直径5cm以上10cm未満)とお盆の長期連休の影響で、2週間サボっていた自炊を再開する。 夕食以外は決まったメニューで、朝は炊きたてのご飯を前日に仕込んだ煮干し出汁で作った味噌汁とちりめんじゃこ、漬物、温泉卵でいただいて、昼は余ったご飯と漬物、鯖節を小さなタッパに詰め込んだ質素な弁当を、熱い緑茶で流し込む。 夕食は鳥もも肉の細切れを生姜・ニンニク・酒・砂糖・醤油で煮焼きして、小松菜・

          旧酒断ち日記

          漫画『ルックバック』最高に超いいクソ漫画

          クソ映画のない世界漫画『ルックバック』の作者、藤本タツキは前作『チェンソーマン』の中で、主人公のデンジとヒロインのマキマに次のような会話をさせている。 デンジ「マキマさん あんたの作る最高に超いい世界にゃあ糞映画はあるかい?」 マキマ「私は…面白く無い映画は無くなった方がいいと思いますが」 デンジ「うーん…じゃやっぱ殺すしかねーな」 何故クソ映画があった方が良いのかと言うと、同じくヒロインのマキマのセリフを借りれば、「十本に一本くらいしか面白い映画には出会えな」くても、何

          漫画『ルックバック』最高に超いいクソ漫画

          酒断ち日記4 ゾンビ映画の深淵

          5月30日(日) 7日目Mと柳橋市場で昼食フードファイト。 互いにどんぶり飯二杯でギブアップしたが、Mは刺身定食、僕はフライ定食だったので油をたくさん食ってる分僕の勝ちということにする。 しかし、Mも着実に力をつけてきている。これからも気が抜けない戦いが続くのだろう。 食後のコーヒーを飲みながら二人でNetflixの映画『アーミーオブザ・デッド』を観る。タイトル通り軍人がゾンビと闘うお話だった。 ゾンビ映画はそれ自体が定型芸術と言ってもいい。 側から見れば全く同じ映

          酒断ち日記4 ゾンビ映画の深淵

          酒断ち日記3 ドラッグとしての砂糖

          5月23日(日) 16日目先輩のHTさんが経営しているお店での手巻き寿司パーティに誘われて、そこは家から自転車で1時間近くかかる一社にあるのだけれども、天気が良かったので「酒も飲まないし帰れる」と判断して自転車で向かう。 開口一番「何?禁酒してるのか。今ここで飲む酒を美味くするためにしたんだろ?」と言われ、確かにノンアルコールビールの味にもシラフでいることにも飽きていたので黒ラベルを飲む。 禁を破って飲む酒はさぞかし美味く、感動的な味わいをしているのだろうなと考えていた

          酒断ち日記3 ドラッグとしての砂糖

          2年ぶりの『森、道、市場』に行ってきた

          高校生の時、「音楽がないと生きていけない」なんてケータイブログに書いてしまう人のことが嫌いだった。 その表現が比喩であることを差し引いても、音楽は生活に彩を与え豊かにする嗜好品であって、生活の根源を構成する必需品ではない。 その当時から僕はCDを漁って音楽評論を読みまくりライブに足繁く通っていたけれど、いわば贅沢品である音楽を、途方もない重さを持つ生命と同列に並べてしまう想像力の欠如に対して嫌悪感を覚えていたのだ。 人の生き死にに音楽が入り込む隙間などない。「お前は点滴

          2年ぶりの『森、道、市場』に行ってきた

          酒断ち日記2 暇と読書

          5/16(日) 9日目 昨晩、僕が禁酒日記をアップした瞬間に酒飲みの友人Uがこれ見よがしに赤ワインを飲みながらビデオ電話をかけてくる。 「酒飲んでないから話に勢いとキレがないんじゃないの?」と散々煽られる。たちが悪い。 朝起きて、日曜日の定例行事となった友人Mとのランチに向かい禁酒中であることを伝えると、 「一週間はすごいなあ、自分もしようかなあ」と感心されたが直ぐに、 「奢ってあげるからビール飲もうよ」としつこく誘われる。実にたちが悪い。 夕暮れ時、霧雨に当たりながら煙

          酒断ち日記2 暇と読書

          酒断ち日記1 天ぷらとアイスコーヒー

          はじめに「よし、ちょっとの間、禁酒してみよう!」 現代の禁酒法が施行されると知った5月6日の昼下がり、そんなことを思った。 まず懸念したのは友人達の反応である。 いきなりこんなことを言ってしまうと、「バカなことを言うな」「頭の病院に行ったほうがいい」「死期を悟ったのか」、と大騒ぎするだろうし、僕が何日で音を上げて酒を飲むのかで賭け事が始まりそうな気がしたので、禁酒の言い訳をあれこれ考えてみたがどれも後付けの理由なのでしっくりこない。 別に健康診断で肝臓が引っかかった訳

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          しりとり『いっぱい』

          宿題→いっぱい 我が家には本棚がある。 玄関を開けるとまず目に入る壁際に六段の白い本棚があって、新書・文庫・文芸雑誌・漫画などなどが凡そ200冊くらい飾られている。 初めて家にくる客人の何割かは珍しがって、 「いっぱい本あるじゃん!これ全部読んだ?」  と聞いてくるので、僕は鼻高々と 「当たり前だろ、読んだことない本置くわけないじゃん」   と答えるのだが、これは嘘だ。 ざっと数えただけでも15冊くらいは(特に小難しそうな学術書又は古典の小説)は全く読んでいないか、読

          しりとり『いっぱい』

          映画『花束みたいな恋をした』天は人の上に人を創り人の下に人を創る

          ラブストーリーに誕生した新たな名作?結婚するということは、恋愛という”詩”から、日常という”散文”へと下っていくことである。  ー稲垣足穂ー 恋愛映画と言うと、みなさん何を思い浮かべるだろうか。 邦画に限定してみると、『君の名は。』『ソラニン』『モテキ』『愛がなんだ』『秒速5センチメートル』…色々ありすぎてよくわからなくなってくるが、基本的に共通していることがある。 それは邦画の恋愛映画の殆どが、稲垣足穂が言うところの恋愛という”詩”を描いているということだ。 それに

          映画『花束みたいな恋をした』天は人の上に人を創り人の下に人を創る

          映画『劇場』ヒモと女と世間とバカボン

          ヒモと女My Hair is Badのフロントマン、椎木知仁のソロ作品で『ガイハンボシとアコギ』というアルバムがある。 曲ごとによって微妙な違いはあれどアルバムに通底する設定は、”ミュージシャンを目指すヒモと、それを飼う女”となっていて、ミュージシャンか演劇家という違いはあれど映画『劇場』はこれと全く同じお話である。 これらの作品は双方とも、ヒモと女、両方の視点からその関係を見比べていく中で、物語が進んでいく。 『ガイハンボシとアコギ』の中の『ヒモと女』という曲の歌詞に

          映画『劇場』ヒモと女と世間とバカボン

          映画やドラマに本とあれこれ

          暇で適当にダラダラみたり読んだ作品について Netflix『アンオーソドックス』(2020年) ニューヨークに暮らす超正統派と呼ばれるユダヤ教宗派のコミュニティから抜け出して新たな人生を模索しようとする19歳の女性の話。 彼らはニューヨークの街中で暮らしながらケータイもパソコンも持たず、宗教の研究に打ち込むために働くこともなく、ユダヤの613の戒律を守りながら文字通り信仰を深めるためだけに生活している。 彼らにとって女性の役割は、ホロコーストで亡くなったとされる600

          映画やドラマに本とあれこれ

          映画やドラマとあれこれ その1

          暇すぎて適当に見た映画やドラマとあれこれについて 映画『AKIRA』『新感線 ファイナル・エクスプレス』 Netflix『ブラックミュージアム』『ノット・オーケー』『最高に素晴らしいこと』 映画『AKIRA』(1988年) AKIRAを観ていない側の人間からすれば、AKIRAはとてもハードルの高い作品である。 時代を超えて神格化されているため、まずファンが怖い。 偏見だがエヴァンゲリオンやガンダムと同じで、一言でも作品の悪口を言おうものなら暴徒化した信者にリンチされて殺

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