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弁当箱を洗わせる職場の思い出

職場で女性だけにお茶くみをさせる職場のことがツイッターで流れてきて、ふと思い出した。

新卒で入った会社で獣になれず、逃げるように仕事を辞めてしばらく派遣社員をやっていた時だった。
とある大学のとある企画室で働くことになった。
面接では仕事へ積極的かつ能動的な意欲を持っている人を探していますといっていたその職場は、働き始めるとびっくりするくらい暇だった。
前述のツイートのように、順番で室の人たちのお弁当箱を洗わなければいけなかったし、朝と三時にお茶を淹れなければならなかった。仕事の手を止めて、といっても暇だったので動かす手がそもそもなかったのだが、手を止めてまで全員で一緒に過ごす三時のおやつタイムが苦痛だった。

友達でもない職場の人たちとおやつを食べること。写真を見せられて、「かわいい~」という歓声にあわせて「かわいい~」と言わなくちゃいけない空気の中にいること。その過ごし方も嫌いだったし、仕事がしたかった。

わたしがその職場で初めて見たものがある。ダイレクトメールに入れる文書を三つ折りにする機械だ。この話をすると、わたしが思うより多くの人が「ああ、あれね」と言うので驚く。

効率命なわたしがその機械を見つけて使ってみた日、職場の人に言われた。
「仕事が無くなっちゃうから、それ使わないほうがいいよ」
笑えず、ショックを受けた。その後も職場は暇が続き、わたしはその暇に耐え切れず軽い過呼吸を起こし、その職場を離れることに決めた。

昭和の話ではない。2005年頃のことだ。
暇が心底嫌いだと思い知った職場だった。
お茶くみやお弁当箱洗いは男性からの依頼だったのか古参の女性職員が進んでやっていたのか、わからない。変ですよ、と言わずにやめたことだけ後悔している。

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