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シナリオを学んでいた頃の課題作品がでてきたので

以前、シナリオの勉強をしていたことがあります。
今日ふと思い出したので、その時の課題で書いたものを記録として残しておこうと思います。

※ 縦書きができないため、横書きに直してあります。


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課題 ︰万年筆

タイトル 「父と娘」

   人 物
 倉田夏美(32)会社員
 倉田祥吾(61)大学教員・夏美の父
 倉田真知子(53)夏美の母(写真)

◯倉田家・居間(夜)
   パジャマ姿で老眼鏡をかけた倉田彰吾(61)がソファに座り、
   本を読んでいる。
   スーツ姿の倉田夏美(32)が入ってくる。
夏美「ただいま」
   彰吾が顔を上げ、
彰吾「おお、おかえり」
夏美「お父さん、あれ、書いてくれた?」
彰吾「あー、それなんだけどなぁ、いつも使ってる万年筆が
 見あたらなくてさ…」
夏美「昔お母さんからもらったヤツ?」
彰吾「あちこち探してるんだけどさ、どこへやったかな…
 お前、知らないか?」
夏美「あのさ、別にどのペンでもいいじゃない」
彰吾「いや、あれじゃないと駄目なんだよ」
夏美「とにかく、早くしてね」
彰吾「ああ、わかったわかった」
   出ていく夏美。
   苦い表情の彰吾。

◯同・台所(朝)
   ワイシャツにエプロンをし、朝食の支度をする彰吾。
   身支度を整えた夏美が入ってくる。
夏美「おはよう」
彰吾「お、早いな。朝ごはん、もうできるぞ」
夏美「ごめん、もう行かないと。それより、書いてくれたよね?」
彰吾「それがな…やっぱり、どこ探してもないんだよなぁ…」
   手を止めずに答える彰吾。
   あきれた顔でため息をつく夏美。
   彰吾、慌てて、
彰吾「よし。今日中に必ず書いておく。必ず」
夏美「絶対だからね。行ってきます」
   出ていく夏美。
   彰吾、困った様子で宙を見つめる。

◯同・居間(夕)
   ソファに座り腕を組み、テーブルの婚姻届をにらむ彰吾。
   妻の欄には夏美の名前。証人欄の一方が空白。
   そこへ、突然電話が鳴る。立ち上がり、受話器をとる彰吾。
彰吾「はい、倉田です…ああ、夏美がいつもお世話になってます…
 はい?…夏美がですか?」
   驚いた表情の彰吾。

◯産婦人科医院・病室(夜)
   ベッドで眠る夏美の横で椅子に座り、心配そうに見守る彰吾。
   静かに目を開ける夏美、彰吾に気づき、
夏美「お父さん…」
彰吾「気分はどうだ?お前が倒れたって、会社の人から電話があった
 ときは驚いたよ」
夏美「心配かけて、ごめん」
彰吾「こんな大事な事、何で黙ってたんだ?」
夏美「私も、わかったの最近なんだ。籍入れてからびっくりさせようと
 思ってた」
彰吾「とにかく、ゆっくり休みなさい」
   優しく微笑む彰吾。小さくうなずく夏美。

◯倉田家・和室(夜)
   仏壇に向かい座る彰吾。
   置いてある倉田真知子(53)の写真に微笑み、
彰吾「驚いたよ…俺が、じいちゃんになるんだってさ。
 何か、複雑な気分だな」
   彰吾、仏壇の引き出しから万年筆を出し、写真の真知子に見せ
   いたずらっぽく笑う。
彰吾「無駄な抵抗もここまでか…真知子、夏美を見守ってやってくれな」

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あらためて自分で読んでみると恥ずかしいですね。
でも頑張って書いてたんだなって。

いつかまた脚本の勉強をしてみたいなーと思っています。


明日も佳き日〜

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